軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

三百六十九話

クロードは人目もあるということで寝ているエリーゼを残し温泉に入っていた。

本日は晴れており満天の星空に月が覗いている。

ゲルマン王国では体を拭くぐらいでお湯につかるという習慣がないため元日本人としてはやはり落ちつくものがあった。

温泉には先客がおり一人でお酒を楽しんでいるようだ。

先客の男性は岩男のような体に無数の傷があり歴戦の覇者のような貫禄を醸し出している。

「なんだ。坊主。俺が気になるか」

「只者ではなさそうだったので」

「そういうお前も只者ではなさそうだけどな」

「いえいえ。それほどでもないですよ」

「俺は引退した身だがここの温泉が気に入っていてな。暇を見つけては入りに来ているのさ」

「いいお湯ですからね」

「お前さん。この国の人間じゃないだろ。こんなところまで来るなんて物好きだな」

「知り合いの修行に丁度よさそうでしたので」

「なるほどな。お前さんほどの実力者ならもっと深く潜らないと修行にならないだろうが納得いったぜ」

「それでは僕は先に失礼しますね」

これ以上使っていたら湯あたりしてしまうのでクロードは先に上がることにした。

クロードが戻ってきてもエリーゼは起きる気配はない。

クロードも横になり仮眠をとるのだった。

翌朝。

クロードは朝食を手早く用意する。

エリーゼも日本食を気に入っているようなので定番の朝のメニューを再現してみる。

白米に干物を焼いて味噌汁を作る。

食事が終わったら1層に戻り武道猿との対戦を続けた。

まだまだ危なっかしいがエリーゼは対戦を繰り返すごとに確実に成長している。

今も武道猿を倒したところだった。

すぐに次の武道猿がやってくるが一度休憩させるべきだと判断してエリーゼを休ませる。

武道猿は律儀に待ってくれており襲ってくるようなことはなかった。

十分な休息をとったエリーゼは待っていた武道猿と熱戦を繰り広げ何とか勝つことに成功した。

湯霧山に籠って1週間ほどたった頃、エリーゼは何度も支援魔法をかけられたことで自分自身でも支援魔法を使えるようになっていた。

クロードが使うものと比べればまだまだ効果は薄いが武道猿を相手にしていたことでステータスが伸びたことにより自分自身で支援魔法をかけて武道猿に挑んでいた。

支援魔法の効果が低くなったことにより苦戦はしているがここまで戦ってきた経験から武道猿達の癖のようなものを的確に見抜けるようになったようで勝ち続けることが出来るようになっていた。

エリーゼは武道猿に人気があるようで順番待ちのように武道猿が列をなしていたりするがクロードは見なかったことにしたのである。