軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

三百十九話

手の中にはオーディンが投げたと思われる精緻な文様の施された指輪が残されている。

先ほどの出来事は夢ではなかったということだ。

早速指輪をはめてペガサスを呼び出してみることにする。

ペガサスは問題なく呼び出せた。

クロードは愛騎としてグリフォンを所持しているのでペガサスにあまり魅力は感じないが空を飛べる騎獣は貴重ではある。

ペガサスを送還して今日の実験はここまでとして寮に引き上げることにした。

寮に戻ったクロードは忘れないうちに実験結果をまとめていく。

収穫はあったのだが天界に何度も干渉するのもよろしくないと思われる。

そもそもとして今回は世界樹の雫と世界樹の実を使用したが普通は気軽に使えるようなものではない。

そして今回は女神アリアが干渉してきたためにわからなかったが天界の住民だからといって敵対行動をとらないとは断言できないため再チャレンジするのも勇気が必要だ。

ゲーム時代に神話をモチーフとしたボスと対峙したこともあるが一筋縄ではいかない相手ばかりだった。

死んでは対策を立てられたゲームとは違うのだ。

死んでしまっては意味がない。

それを考えれば何の代償も支払わずにペガサスを手に入れられたのは運がよかったのだろう。

寮に戻ってきたときには日が沈んでいたが気付けば日が昇っている。

ついつい研究結果をまとめるのに夢中になって徹夜してしまったようだ。

伸びをしてから軽く食事を取ろうと準備をはじめる。

スクランブルエッグを作りパンに野菜とともに挟み込みサンドイッチにしてコーヒーを用意する。

理想的なモーニングセットが出来上がったところで気分を切り替える。

初日の成果とすれば上々。

今日は街をまわり触媒として使えそうな物を探そうと決めて少し早いが登校することにした。

教室に着けばまだ誰もきていないようで時間ギリギリまで仮眠をとろうと机に突っ伏して眠りに落ちる。

ザワザワとした音で目を覚ませば至近距離にエリーゼの顔があった。

「クロード。おはよう」

「おはようございます」

「眠そうだけど徹夜でもしたのかしら」

「少し研究結果をまとめるのに夢中になってしまいまして」

「クロードのことだからまた難しいことをやっていそうね」

「やっていることはそう難しいことではないんですけどね。トライアンドエラーの日々ですよ」

「それを苦なくやってしまうところがクロードの凄いところよね」

「それは褒め言葉なんですかね」

「褒めているのよ。私には真似できないわ」

何気ない会話であるが焦っていたのだろう。

エリーゼと話すことで日常の一コマにスルリと入り込めた気がした。