軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

二百七十一話

ウェイトレスの娘は苦労するきっかけとなった貴族の男を覚えていたがここは接客のプロとして顔に出すことなく接客に専念する。

「ご注文はお決まりでしょうか」

「お勧めを頼む」

「お勧めですね。かしこまりました」

ウェイトレスの娘は注文を通しに行く。

「ミックスジュース一つ入りました」

ミックスジュースは色々試した結果生まれたフルーツジュースだ。

色々なフルーツを混ぜそこに炭酸を強の状態で加えることで爽快感を出した人気商品だ。

マスターは手際よくグラスにミックスジュースを入れ魔道具にセッティングする。

魔道具は正常に作動して炭酸が充填される。

「ミックスジュースあがり」

ウェイトレスの娘はそれを持って貴族の男の元へ戻る。

「当店人気商品のミックスジュースです」

「儂のことは覚えていないのか」

「今は接客中ですので」

ウェイトレスの娘は面倒な話になる前に男の前を去っていく。

男は出されたミックスジュースをちびちびと飲み客が捌けるのを待つが客はひっきりなしにやってきてタイミングを掴めないでいた。

痺れを切らした男はウェイトレスの前に立つ。

「お客様。どうかなさいましたか」

「儂を無視するとはいい度胸じゃないか」

「無視などとんでもない」

ウェイトレスの娘が困っていると居合わせた貴族が助け船を出す。

「お嬢さんがお困りではないですか。この店で騒ぎを起こすのは感心しませんな」

「儂は伯爵だぞ。木っ端貴族が口を挟むことではないわ」

「私は警告はしましたからね」

木っ端貴族と呼ばれた男性は簡単に引き下がる。

騒ぎを聞きつけたマスターが奥から現れる。

「お客様。うちの従業員に何か問題がありましたでしょうか」

「伯爵である儂を無視したのだ。大問題だろ」

「接客に忙しかっただけでお客様を無視したつもりはないのですが」

「普通の客と儂を同列視するなど。言語道断だ」

「はぁ・・・。お客様。お代は結構なのでお帰りください」

「なんだと。儂に帰れだと」

「他のお客様にご迷惑ですのでお引き取りください」

「ぐぬぬ。後悔しても知らんからな」

頭に血の上った男は足音荒く店を後にする。

待たせていた馬車に乗り込み屋敷に戻った男は使用人を呼び出していた。

「闇ギルドに連絡して例の店に破落戸を集めて店を破壊させろ」

「よろしいのですか」

「儂を虚仮にしたらどうなるか見せつけてやる必要がある」

「発覚したら処罰は免れませんがよろしいのですね」

「くどいぞ。儂がやれと言ったらやればいいのだ」

「かしこまりました」

使用人は闇ギルドに依頼を出すべく出かけて行った。