軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

二百六十九話

「実はマスターがとある貴族と揉めましてね。その貴族が色々吹聴してまわったようでご覧の有様です」

「経緯を聞いてもいいですか」

「ウェイターは娘なのですが接客中の娘に手を出されて注意をしたら口論となりまして」

「なるほど。それはその貴族が悪いですね」

「お父さん。こんなことになるなら私が少し我慢をすればよかったのよ」

「お前に手を出されて黙っているなどできないさ」

「事情はわかりました。このお店は買い取りますがお二人にはこのまま従業員として働いてもらおうと考えています」

「仕事を失わなくていいのは嬉しいですが貴方は」

「僕はクロード・フォン・プロミネンス辺境伯です」

「辺境伯様。本当に我々でよろしいのですか」

「新しい人より慣れている人の方がいいですからね」

「契約をしていただけるということでよろしいのですかな」

不動産屋さんが口を挟んでくる。

「えぇ。この土地を買い取りたいと思います。滞納されている家賃についても清算してしまいましょう」

「滞納されている家賃がこれぐらいでこれがこちらの土地の代金となります」

クロードは契約書を確認して問題がないのでサインをして代金をアイテムボックスから取り出す。

「確認させていただきます」

不動産屋が代金を確認している間にマスターと会話を続ける。

「お二人には新開発した飲み物の提供をお願いしたいと思っています」

クロードは魔道具を取り出して実際に作ってみせる。

「なんだかシュワシュワしていますね」

「いただきます」

恐る恐る口に運ぶ二人を見てクロードは説明を続ける。

「これは炭酸というものです。ここのつまみを弄ることで炭酸の強さを変えることが出来るようになっています」

「これは今までにない感覚です。十分主力商品として押していけそうです」

「こちらはワインのボトルをセットすると中に炭酸を充填できるようになっています」

「ワインに炭酸をですか」

「試飲してもらった結果十分採算が取れると思っています」

「わかりました。お引き受けいたします」

「後は入荷待ちですがコーヒーという飲み物も扱っていただこうと考えていますのでよろしくお願いしますね」

「問題はお客さんが入ってくれるかどうかですね」

「僕が割引分の料金を持ちますので割引サービスをしてお客さんを呼び込みましょう」

「それならお客様を呼び込めそうですね」

希望が見えてきたからだろうか二人の顔は明るい。

「こちらが炭酸に合うフルーツです。フルーツジュースにして提供してみてください。後は仕入れ分のお金も渡しておきますね」

こうしてクロードの喫茶店兼バー経営がスタートした。