軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

二百四十一話

エリーゼははじめてクロードがいない状況で魔物の討伐をしていた。

出てくる魔物は十分対応可能だが今まではクロードが魔物の位置を教えてくれていたのでどこから襲ってくるかわからない魔物に苦戦を強いられていた。

知らず知らずのうちにクロードに頼りきっていたのだと自覚させられる。

「遭遇してからの動きは流石だが索敵が甘いな」

「今まで優秀な相方がいたもの。自分のふがいなさに辟易しているところだわ」

「こればかりは経験だからな。初等部の生徒としてみれば十分合格点だ」

「酷評したかと思えば持ち上げて何だか調子が狂うわね」

「冷静に評価して導くのも先輩としての役目だからな。それはそうとそろそろ野営の準備をしよう。完全に暗くなる前に今夜の寝床を確保するぞ」

魔物からは見え難くこちらからは見渡せる場所を確保する。

暗くなってから火を使えば遠目からもわかるため日が落ちる前に生活魔法で水を出し沸騰させたら携行食の粉末を投入する。

「野営の手際は合格だな」

「クロードがやるのを見ていたからね」

エリーゼの監督役としてついた上級生は王女様相手にどう接するか迷っていたのだが当のエリーゼから特別扱いしないでほしいと言われ普段友人たちに接するように扱っていた。

武闘祭での活躍を見ていて強いことはわかっていたが王女様がどこまでやれるのか疑心暗鬼だった。

索敵があまく不意遭遇した時の反応は悪かったがその後のリカバリーは優秀だった。

このまま経験を積んでいけば高等部の生徒とも遣り合えるぐらいに成長するだろう。

もう一人の初等部の生徒も動きは悪くない。

基礎はしっかり出来ているしこのまま成長すればかなり有望だろう。

クロードとは直接的な面識はないが武闘祭の高等部の部で優勝した実力と指導を受けていた初等部の生徒の動きから察するにどれだけ優秀なのかは嫌でもわかる。

味方であれば心強いのだろうが敵対すれば手ひどい目にあうだろうと予測できる。

年度末の大演習が楽しみであり怖くもあるのだった。

エリーゼは夜番の早番ということで上級生と共に周囲を警戒しつつも比較的リラックスしていた。

今日は晴れており真ん丸の満月があがっているため灯りに困ることはない。

初等部の生徒に基礎を叩きこむために利用されるだけあってこの森は夜行性の魔物が少なく緊急の事態に陥ることは少ない。

それでもたまに夜襲を受ける生徒が出るので完全に気を抜くことはできないのだが何事もなく時間は過ぎてゆく。

交代の時間になり熟睡というわけにはいかないがエリーゼは眠りに落ちるのだった。