軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

二百三十九話

何の問題も起きず演習の日を迎えた。

クロードは教員と同じ馬車に乗り込み目的地を目指していた。

予定通りに到着し上級生達に引き連れられた同級生達は森へと散っていった。

クロードは教員と共に待機となり暇を持て余して本を読むことにした。

リラックス効果のあるハーブティーまで入れて本を読むのに没頭する。

「クロード君。ちょっといいかしら」

「レイシャ先生。なにかありましたか」

「こないだクロード君が見せてくれた魔法陣を参考に私なりに新しい魔法陣を書いたんだけどうまくいかなくてね」

「見せてもらってもいいですか」

「これよ」

レイシャ先生が書いたという魔法陣を読み解く。

「なるほど。こことここが干渉していますね。こちらにバイパスを作ってこうすれば正常に作動すると思いますよ」

「こんな方法があったのね。私達より優秀だし教えるのもうまいから教員も向いていると思うんだけど」

「今は学生ということで領地をファールハイト兄様が見てくれていますが放りだすわけにもいかないですから」

「そうよね。クロード君って領主なのよね」

領主としての責務を放棄するわけにはいかない。

貴族は様々なことで優遇される反面それに伴う義務も付随する。

領民の生活を保障し何かあれば助けるだけの力を保持することで税金を集めている。

伝統を守ることも大事だが新しいことに恐れずに挑み取り入れることも大切だ。

それらを実行するためには優秀な人材を育てることも忘れてはならない。

「僕はまだまだ新米で未熟な所もいっぱいありますから」

「そうかしら。ニーパス領は領民の生活は向上したって聞いているし外敵から守ってくれる優秀な兵士と騎士団を持っているわ。これだけのことを出来る領主がどれだけいるかしら」

残念ながら目先の利益を優先して領民を虐げる領主や志を持っていてもそれだけの力のない領主がいるのも事実だ。

国の上層部も何とかしたいと思っているがゲルマン王国は貴族の独立性を尊重する傾向にあり過度な内政干渉は中々難しい。

ただ罷免すれば解決するかというとそういうことではないし罷免した場合はその領地を治めるために人を派遣しなければならない。

直轄地である天領を治める代官の数も足りていないのに王家が管理するのは難しい。

新しく貴族は任じても領地経営をした者などいないため補佐が必要となってくる。

結局のところ王国の人材不足という所が問題なのである。

そして厄介なことにデメリットに目を瞑っても王国に与えるメリットの方が大きい貴族なども存在している。

領地経営というのはそれだけ難しい問題なのだ。