軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

二百三十二話

クロードは大規模な商隊を組み露天商改め責任者となった男性は買い付けのため旅立って行った。

クロードはコーヒーを淹れるための道具を大量生産してカフェに交渉してまわり試験的に導入してくれる店の確保を行う。

受け入れてくれない店もあったが好意的に受け入れてくれる店を確保することに成功する。

飲んでもらわなければ始まらないということで受け入れてくれたお店にはクロード持ちで試飲ができるように手配することで認知度をあげる方向で調整をした。

今できることを全てやりきったクロードは屋敷に戻ってきた。

「クロードがここまで大々的に動くとは思っていなかったわ」

「商機をつかんだら迅速に動かないと」

「確かに珍しい物だったけど成功するかしら」

「成功するように全力を尽くすだけですよ」

クロードが思うに放っておいても流行しただろう。

クロードがしたのはそれを後押しして加速させただけだ。

「クロードに喜んで欲しかっただけなのにな」

「十分喜んでいますよ」

これは本音だ。

紅茶やハーブティーも嗜むが安定してコーヒーを飲める環境を作ったのは自分自身のためでもある。

「ならよかったわ」

クロードは手慣れた要領でコーヒーを二人分淹れる。

片方をエリーゼの前に給仕して自分の分に口をつける。

「ありがとう」

「うん。やっぱりコーヒーは落ち着きますね」

「その言い方だと飲みなれてるみたいだわ」

「そうですか」

この世界にきて10年。

この世界に馴染んだつもりではあるが前世の記憶を引きずっているのだなと苦笑いしてしまう。

「それで魔道具の開発はどうなっているのかしら」

「すっかり忘れてました」

「一つのことに夢中になると他が見えなくなるって本当なのね」

「魔道具の開発は急ぐわけではないですからね」

クロードはエリーゼと二人でのんびりとした時間を過ごした。

自室に戻ったクロードは魔道具で冷蔵庫のようなものは作れないかと考えていた。

コーヒーにはやはり牛乳を入れてみたいが冷蔵技術のないこの世界では新鮮な牛乳を飲めるのは畜産をしている家ぐらいだ。

それを冷やすことができれば安定して供給できることとなる。

冷やすということには他にも応用が利くわけで作ることができれば大きな利益も期待できる。

試験的に銅に魔術回路を描き箱を作り魔力を流し込んでみる。

僅かに冷気を起こすことに成功するがこれではダメだといくつも魔術回路を作成して試行錯誤を繰り返す。

材料はいくらでもあり失敗した物も錬金術でインゴットに戻せば無駄にならない。

少しずつではあるが確実にクロードの冷蔵庫作りは進展していったのである。