作品タイトル不明
百二話
魔法に適性なしと言われた新兵達はひたすらに槍を突く動作を繰り返される。
「そこ。突いたら終わりじゃない。素早く引き戻す」
クロードは今日も鬼教官として新兵達をしごいていた。
槍を繰り返し繰り出す動作で手に豆を作り痛がっている者には回復魔法の練習として魔法に適正があると認められたものに治療をさせ訓練に戻させる。
徹底した体力錬成に槍の基礎を教え込まれ血反吐を吐く思いをしている新兵達を横にクロードはお客さんを迎えていた。
「クラウス兄様。どうしたのですか」
「クロードが新兵の訓練をはじめたって聞いて様子を見に来たんだが。何と言うか凄いな」
新兵達は鬼気迫る勢いで訓練を続けている。
「あはは。人間死ぬ気になれば何でもできるものです」
「あっちは魔法の訓練をしているのか。回復薬を飲んでるみたいだが」
「今プロミネンス領は兵士不足ですからね。彼らを少しでも早く鍛えなければ」
「カリオンが可愛く見えるほどの鬼教官だな」
「ここで手を抜けば困るのは彼らです。僕が憎まれて生存率が上がるのならいくらでも嫌われますよ」
「そういうことなら俺も手伝おう」
槍を扱っている新兵はクラウス兄様に任せ魔法を使っている新兵のほうに集中することにした。
大量の回復薬を飲んで気持ち悪そうにしている人もいるが休ませずに指導を続ける。
「どんな状況でも魔法を使えるようにこういう時こそ訓練です」
体調が悪い時でもイメージをしっかり出来るようになれば普段は苦なく発動させられるようになる。
基礎を繰り返させること数日。
基礎がきっちり固められたと判断したクロードは次の段階に入ることを決める。
「それでは本日の訓練はここまでです。明日は実戦の為に森にいきますのでよく休んでくださいね」
「ありがとうございました」
新兵達は疲れた体を引きずって解散していく。
それを確認したクロードも屋敷に引き上げる。
クロードはここ数日訓練に使うための回復薬を作り続けていた。
「明日は何が起こるかわからないし中級と上級の回復薬も用意しておこうかな」
日に日に動きのよくなる新兵の成長に上機嫌で回復薬を作り続けるのであった。
翌日練兵場に集まった新兵を前にクロードは演説をしていた。
「それでは本日は装備の確認後訓練のために森に向かいます。森では木々が邪魔になって訓練通りには動けないかもしれませんが厳しい訓練を潜り抜けた皆なら対応できると信じております」
装備の確認をし終わった新兵達を連れて森に到着するのであった。