軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第2話

まず、迷宮というのは小山のようになった入り口がある。

基本的には地下へと続くものが多いそうだ。

地下へと続く階段をしばらく進むと、迷宮内へと到着する。

到着した先も様々だそうだ。

開けた平原のようなこともあれば、遺跡のような暗くじめっとした場合もある。

そのまま進んで、迷宮主と呼ばれる魔物を仕留めれば、迷宮攻略、迷宮を破壊できるのだ。

迷宮の主……あるいはボスモンスターと呼ばれるそいつを討伐すると、迷宮内には一切の魔物が出現しなくなり、やがて消滅する。

入り口だった小山もなくなり、地面を掘っても何もないのだ。

そのため、迷宮内は異世界に繋がってる……なんて言われることもある。

迷宮自体はそんなところだが、迷宮が出現した周囲に大きな影響を与えることもある。

入り口である小山の周りに魔物が出現しやすくなったり、周囲に生息していた魔物が強化されることがある。

これは迷宮から生み出される魔力によって起こる現象だ。

魔物が突然変異し、これまで見たことのない魔物へと変化し、脅威となることもある。

魔力による影響は、魔物だけではなく土地にも作用されることがある。

土地が痩せこけてしまい、人の住みにくいことになることもある。

これだけ聞くと、迷宮の出現は危険なことが多いように思えるが、悪いことばかりでもない。

例えば、突然変異した魔物が、絶滅危惧種、あるいは絶滅してしまった魔物ということもある。

土地によっては魔力の影響で豊かな土地に変化することもあるのだ。

何も周囲に影響がないのなら、迷宮内の魔物を仕留めていれば無限とも思えるような資源となりうる可能性もある。

迷宮内の魔物は魔力で作り出される存在らしいが、その体の一部が残ることがある。

一応、魔物の出現には上限があるようだけど。

内部の土地もうまく使えれば、土地に困る領主の助けになる可能性もある。

だから、迷宮についての扱いは難しいそうだ。

ゴーラル様の指示があってからすぐに出発しなくてもいいのは、今まさにそれらの判断を下しているところというわけだった。

とまあ、これだけ色々と詳しくなったのはつい最近なのだが。

それらのことをイヴァスに伝えると、彼は感心したように目を見開いていた。

「詳しいですね、フェイクさん。さすがです!」

「そ、そんなことないって」

褒められると、少し困ってしまう。

全部アリシアに教えてもらったことをそのまま言っただけなんだからな。

「そういえば、アリシアさんも一緒に行くんですか?」

「そうなんだよな……」

「あれ? フェイクさんはあんまり乗り気じゃないんですか?」

イヴァスの何気ない質問に、俺は頷いた。

「まあな。だって、アリシアは回復魔法が使えるから一緒に迷宮攻略に向かうかもしれないからな」

万が一迷宮の破壊が必要になった場合は、アリシアも義兄さんとともに迷宮攻略に参加するという話だった。

迷宮自体の難易度はそれほど高くないとは聞いていたが、それでも不安がないわけではない。

「えっ、アリシアさんって回復魔法使えるんですか!?」

「あ、ああ」

「いいなぁ……回復魔法使える人って本当に少ないんですよ! ……一緒にパーティー組んで欲しいなぁ。ダメですかね、フェイクさん」

何を言っているんだ、イヴァスは。

そんな危険極まりないことにアリシアを参加させるわけにはいかない。

「ダメだ! アリシアに何かあったら大変だからなっ」

「わっ、フェイクさんそんな大きな声出さないでくださいって! 半分冗談ですから!」

「もう半分は本気なんだろ!?」

「えーと……でも、貴族の方ってなんか色々指導されるって聞きますし、アリシアさんも結構戦えるんじゃないですか?」

イヴァスの言葉に、俺は少し昔を思い出す。

アリシアが何度か鍛冶をしているときに俺の元へと来たことがあった。

そのときに軽く剣を振ってみせてくれたことはあったが、なかなか様になっていた。

そのときにも聞いたのだが、アリシアも少しは剣を習っていたことがあったのだとか。

貴族の仕事の一つに脅威を退けるというというのもある。

その中にはもちろん魔物の討伐も対象となっている。

もちろん、貴族の皆が戦闘が得意なわけではないし、自分の力量を遥かに超えた魔物が出現する可能性もある。

それらに関しては依頼を出して討伐させることもあるとはいえ、今回はアリシアが参加する可能性は非常に高いのは間違いない。

回復魔法を使える人間は極端に少ないからな……。

なんとかしてアリシアがより安全に迷宮攻略に参加を、いやできれば参加しないようになってくれればいいのだが。

そんなことを考えていると、

「別にそんなに心配しなくても大丈夫」

アリシアがやってきた。

声に反応して視線を向けると、アリシアが苦笑を浮かべていた。

俺がよっぽどの表情をしていたのだろうことは、彼女の苦笑から分かってしまった。