軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

◆34・安易な方が覚えやすいよ……。

「クエッ」

そろそろ採集を終えて、ホームに帰ろうとしたところで、何かの鳴き声がした。

音を立てないように〈浮遊魔法〉で浮かび、すぃ~っと声のした方へ向かう。今は〈認識阻害〉も掛けているので忍び寄るには最適の状態だ。

「クエッ」

「クエッ」

1匹じゃないな……と、クエクエと複数の声がする方へ行くと『ニワトリ』がいた。デッカいけど。

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◆コカトリス◆

鳥型魔獣。飛べない。嘴による攻撃力は高め。

肉、卵、共に美味。

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〈鑑定〉すると聞いた事のある名前が出た。

「これがコカトリス……」

想像よりも普通に『ニワトリ』だ。デッカいけど。

それにしても、これは『狩る』か『捕獲』かちょっと迷うなぁ。卵獲れるなら捕獲でもいいけど、飼育出来るか? と考えると、自信ないな。普通のニワトリならまだしも、魔獣だしなぁ。

うん、『狩る』にしよう。唐揚げ食べたい。

私はホーンラビットを斃した時と同じ要領で〈アイスロック〉と〈アースブレット〉でその場にいたコカトリス5羽を斃した。

あ、この羽、ウサ毛皮座布団の中身に……いや、羽入れるなら、クッションにした方がいいかな。《解体》して、量見てから考えよう。

骨も取っておこうかな。鶏ガラスープ取ろう。あ……いや、待て、〈アイテムボックス〉の《解体》を使って出た骨は、綺麗に骨のみになっていた。鶏ガラとかそういうのって、骨周りのちょっと残ってるお肉込みで煮込むから美味しいスープになるのでは? う~ん、骨はいいか。鶏ガラの素は交換ショップにあったしね。

肉は勿論『唐揚げ』だ。多めに作ってアイテムボックスに入れて置こう。後は親子丼……親子? まぁ、親子でいいか。親子丼と、照り焼きもいいな。チキンカツもいいかも。タルタルソースかけて、キャベツと一緒にパンで挟んでサンドにしよう。ナスと炒めて、ポン酢で食べるのも良しだ!

「むふふ。美味しそ~。」

コカトリスメニューを涎が出そうな顔で思考しながら、近くに卵がないか探す。

暫く探したところで、茂みの下にあった巣らしき物の中に卵を発見。これで、本当の親子丼が作れるようになった訳だ。8つの巣があり、卵は6つあった。5つはさっき斃したコカトリスの分だとして、もしかしたら、どこかにお出かけ中のコカトリスがいるのかもしれない。それらを待ってまで、狩るつもりはないので、卵をいただいて帰る事にする。

「かっらあげ~♪ かっらあげ~♪」

今日の晩御飯は『唐揚げ』で決定である。他はどうしようかな。野菜……野菜……。キャベツでもいいけど、う~ん……あ! 白和えとかにしようかな。後は、きのこと卵のスープを付けよう。

むふむふしながら〈浮遊魔法〉を使ってホームに向かった――。

ホームに帰ると、ホーム前の〈ゴロニャンエリア〉で茶トラくんが出迎えてくれた。かわいい。

「おかえりにゃん」

「ただいま! 寅さん!」

「にゃん! それはオイラの名前か!?」

出迎えの言葉に、ノリで『寅さん』呼びして返してしまったら、弾んだ声で返されてしまった……。

「あ、いや、なんとなくノリで……そう呼んじゃっただけなんだけど……」

「え? オイラの名前じゃないのか?」

――っ! すっごい悲壮な顔に……。

「あ……っと、その名前でいいなら『寅さん』って呼ぶけど」

「ほんとかにゃん!?」

「うん……、それでいいの?」

「もちろんだにゃん! オイラは『トラサン』だにゃん!」

あれ? なんかニュアンスが違う気がするけど……まぁ、いいか。てか、一人称『オイラ』なんだなと思いながら、寅さんと話していると、シャム猫くんが走り寄ってきて、会話に入ってきた。

「ズルいにゃ~! 僕も名前付けて!」

あ……うん、これは断れない。可愛過ぎる。でも、私にネームセンスは求めないでほしい。

「じゃあ、『ロック』とか……」

「ロック!? やった! 僕、『ロック』!」

なんだか、また安易な名付けをしてしまった感はあるけど、本人……本猫……本妖精は喜んでるみたいだし、問題はなかろう。その内、三つ葉モチーフの小物でも作ってあげようかな……。

「バ~イバイバイバ~イ♪」

ちょっぴりドスを利かせた鼻歌を口ずさみながらホームの中に入り、全身〈クリーン〉をしてから、ポンチョを脱いで、ダイニングの椅子に腰かけ〈アイテムボックス〉を開く。獲ってきたモノの整理だ。

《解体》してから《換金》するのと、《解体》せずに《換金》するのとで、値段が変わるのかと思って、ホーンラビットの素材で見比べてみたけど、値段は一緒だった。もしかしたら、スキルで解体しているからこそ、値段が変わらないのかもしれない。何となく、自分の手で解体して《換金》すると、値が落ちる気がする。まぁ、そもそも私に解体なんて出来ないけどね。

その後、採集した植物と魔獣を、どれを換金して、どれを残すかを考え、しばらく〈アイテムボックス〉の画面とにらめっこをした――。