軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

983話 チームイリス・その4

イリスに極大の光の奔流が迫る。

それを目の前にして、イリスは焦りつつ、思考をフル回転させた。

避ける?

いや、無理だ。

防ぐ?

それも難しい。

ならば……

「来たれ、終焉の白撃!」

迎撃だ!

イリスもまた、同じ魔法を選択して、即座に放つ。

「くっ」

魔法は、詠唱者の魔力の量によって威力が異なる。

イリスが保有する魔力はとんでもないけれど……

しかし、オフィーリアがさらに上をいく。

彼女もまた、100年以上を生きる天族で……

その多くの時間を戦いに費やしてきた。

一方でイリスは、封印されていたため、オフィーリアとの間に『差』ができてしまっている。

イリスが押されていき、オフィーリアの魔法に飲み込まれてしまいそうになる。

その時。

「イリスさんは……や、やらせませんっ!」

「ぼく、守る!」

フィーニアとサクラが隣に並んだ。

二人は、それぞれイリスの肩に手を置いて、魔力を送る。

力が足りないのなら補えばいい。

そんな考えだ。

そんな二人の考えは正しく……

「ナイスですわ!」

イリスが押し返して、オフィーリアの魔法を退けた。

「これで反撃を……」

「終焉の白撃」

「三連射!? いえ、これは……」

「……イリス、あなたは良い仲間に恵まれましたね。それと、いい主にも」

普段、無表情のオフィーリアではあるが、今は、どこか優しい顔をしていた。

イリスの知る『姉』の姿だ。

「ですが、ここは譲ることはできません」

「ぴゃあ!? こ、こここ、これって……」

「わふ……まっしろ……」

イリス達、天族が召喚魔法を使う際、発動の予兆として、空間にわずかな揺らぎが生じる。

ほんのわずかなもの。

ともすれば見逃してしまいそうな予兆ではあるが、今は、見逃すわけにはいかない。

オフィーリアの苛烈な攻撃を見切るため、防ぐためにも、戦場の観察は必須だ。

……それ故に、イリス達は絶望を知ってしまう。

空間の揺らぎは一つではない。

十に届いていた。

「この体、この魂……我が主のために。彼の覇道を邪魔するというのならば、イリス……あなたといえど容赦いたしません」

「くっ……終焉の」

「終焉の白撃」

イリスが魔法を放ち……

少し遅れて、オフィーリアが魔法を放つ。

普通に考えて、遅れたオフィーリアの方が不利だ。

しかし、その不利を覆すだけの圧倒的な力を持つ。

十の極大の光。

それらが一斉射された。

イリスの魔法は、そのうちの一つを相殺することに成功した。

しかし、一つだけだ。

残りを相殺することはできず、かといって、今更、避けることも防ぐこともできず……

……光に飲み込まれた。