軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

967話 チームカナデ・その5

先に前に出たのはカナデだ。

体に負荷がかかるのは承知で、さらにギアを上げていく。

加速。

加速。

加速。

ミツキも見切れないほどの速度に達したカナデは、円を描くように移動しつつ、途中で跳ねた。

宙でくるっと回転して……

空気を蹴る。

「うにゃあああああっ!!!」

ミツキの斜め後方からカナデが突撃した。

死角からの一撃。

しかし、ミツキは冷静に対処して、ワンステップで攻撃を避ける。

同時にカウンターを……

「にゃっ!」

「くっ……!?」

避けられると、そう予測していたのだろう。

カナデはすぐに次の攻撃へ繋げて、蹴撃を放つ。

ミツキは避けるよりも防ぐことを選んだ。

選ばざるを得なかった。

それだけカナデが速く、攻撃と攻撃の間の隙もほぼほぼない。

「追いついた」

血で武装したリファが鎌を振る。

ミツキはミリ単位で見切り、避けた。

そして、今度こそ、カウンターの一撃をリファに叩き込んだ。

確かな手応え。

これでリファは……

「甘い」

「なっ……!?」

リファにダメージを受けた様子はない。

さらに鎌を振り、ミツキを追い詰めていく。

「なんていう硬さ……!」

リファは、『覚醒』することで、カナデのように身体能力が増したわけではない。

イリスのように魔力が急激に上昇するということもない。

そのままだ。

ただし、今まで以上に、自由に血を操ることができるようになった。

自由自在に操るだけではなくて。

その硬度、質量さえも変えてみせる。

法則を超えているが……

最強種の『覚醒』とは、そういうものだ。

世界の理に囚われない力。

「こんなこともできるよ?」

リファは、一旦、血の武装を解除した。

そのまま血を極小サイズまで縮めて……

それをまとめてミツキに向けて解き放つ。

「これは……!?」

極小サイズの血の刃がまとまり、渦を成していく。

それは、血で生成された竜巻。

それに飲み込まれたミツキは、ガリガリガリと全身を削られていく。

「このっ……うっとうしい!!!」

気合で跳ね除けるミツキ。

ただ……

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

確かなダメージが届いていた。

ミツキは肩で息をして、若干、足が震えている。

「ここで、私も奥の手を披露しましょうか……リバースヒール」

ミルフィーユが放つ魔法は、黒く輝いていた。

その光に飲み込まれたミツキは、悲鳴を上げて苦しむ。

彼女の魔法は、治癒能力を減衰させて、逆に傷を拡大させるというものだ。

凶悪極まりない魔法。

ただ、魔力の消費が激しく、速度も遅いため、ここぞという場面でしか使うことはできない。

「お前ら……くそっ、うっとうしい……私達の邪魔を、するなぁっ!!!」

ミツキが吠えた。

ここで倒れてなるものか。

絶対に使命を成し遂げてみせる。

そんな強靭な意思を感じさせるもので、これまで以上の速度、力でカナデ達に迫る。

「邪魔するよ」

対するカナデは、あくまでも冷静に……落ち着いて拳を構えた。

「あなた達のことはわからないでもないけど……でも、私は、いっぱい知っているから。色々な人間と出会って、色々なことを知ったから」

「うん。だから、ボク達はこちら側で戦う。ボク達の信じるもののために」

「負けることはできませんねぇー」

リファとミルフィーユも、それぞれ構えて……

「ああああああああぁっ!!!」

迎撃。

すさまじい勢いで突撃してくるミツキを、三人は、力を合わせて迎え撃つ。

轟音と爆音。

衝撃波が撒き散らされて、そして……