軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

959話 開戦

まず、精霊族の門を使い、北大陸へ移動。

そこから慎重に様子を見つつ、できる限りラストレムナントに接近する。

その後、陽動部隊が攻撃を開始。

制空権を握られているという圧倒的に不利な状況だけど、それでも耐えてもらうしかない。

できる限りの敵を引きつけて……

その間に、俺を含む少数精鋭の部隊が裏に回り、ラストレムナントに乗り込む。

コハネの情報によると、ラストレムナントの動力炉は全部で四つ。

一つ一つ、のんびり回る時間はない。

乗り込んだ後、部隊を四つに分けて、それぞれ動力炉を破壊。

ラストレムナントの機能を停止させて、大地に叩き落とす。

それからは互角の戦いだ。

こちらの目的は、ラストレムナントの破壊と、ラインハルトの討伐。

向こうの目的は、俺達を殲滅した後、星を作り変えること。

どちらかの目的が達成されない限り、戦いは終わらないだろう。

でも……これが最後の戦いだ。

これ以上、血を流さなくて済むように……

今、全力で刃を振るう。

「よし……行こう」

「「「おおおぉーーーっ!!!」」」

――――――――――

まずは北大陸に移動して……

そこから北上。

呀狼族の案内で、最適な道を突き進む。

事前に調査をしてもらっていたから、大きな問題が起きることなく、進軍することができた。

疲労も負担も最小限に抑えられている。

途中、魔物に遭遇することはあったものの、それだけ。

ラインハルト側からの妨害などはない。

罠も仕掛けられていない。

こちらとしては助かるが、不安なところもある。

ラインハルトが進軍を予想していないはずがない。

それなのに、ここに至る時点でなにもしないということは、鉄壁の防御を敷いているのだろう。

絶対の自信があるのだろう。

どれだけの力を持っているのか?

どんなシステムを用意しているのか?

そう考えてしまい、やや心をかき乱されてしまう。

ただ、ここまで来たら前に進むだけだ。

撤退はない。

そして……

「見えてきたぞ!」

先頭を進む兵士が声をあげた。

ちなみに、彼の声は皆に届くように、魔道具で特殊な広げ方をされている。

以前、サーリャさまが使用していた魔道具と同じタイプのものだ。

視線を空に向ける。

空を覆うかのような巨大な古城が浮いていた。

王のような貫禄を持ち。

支配者としての威厳を感じるほどで。

その古城がなにかしたわけではないのに、思わず足を止めてしまう。

古城の下の大地……そこに無数の影が見えた。

ゴーレム。

以前、クリオスを襲った魔族が使役していたタイプと似ている。

スリムに改良されている様子で、スピードが増しているように思えた。

以前、戦った時は、一体を倒すのにそれなりに苦戦させられたのだけど……

今回は、そのゴーレムが数え切れないほど。

大地を埋め尽くしている。

それと、古城の周辺の空。

そちらには、鳥のようなものが見えた。

ただ、そのまま鳥ということはない。

鳥にしてはやけに大きな体。

四枚の翼。

槍のような鋭い爪。

あれは……なんだ?

ドラゴンのようであり、グリフォンのようであり。

しかし、そのどちらでもなくて……

テイマーなのに、あんな生物は見たことがない。

この時のために、ラインハルトが新しく生み出したものなのだろうか?

それとも、あれもゴーレムと同じタイプの兵器なのだろうか?

「「「……」」」

予想以上の光景。

それに驚いて、怯えて、震えて……

気がつけば進軍の足が止まっていた。

だから、

「みんなっ!!!」

俺は、腹の底から声を出した。

やるべきことをやる。

そのために、俺にできることをする。

「行こうっ!!!」

たったシンプルな言葉。

でも、それだけでいい。

今、必要なのは決意だ。

それを思い出して、新たに胸に刻み込む。

そのための合図を出すだけでいい。

「「「おおおおおぉーーーーーっ!!!」」」

皆が吠えた。

大地を震わせるかのように、ありったけの声をあげた。

そして前に進み……

最後の戦争が始まる。