軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

833話 超長距離転移

ソラとルナに、その場で精霊族の里に繋がる門を開いてもらった。

コハネの家と繋がりができてしまうものの……

彼女はもう最果てに留まるつもりはないらしく、問題ないと言っていた。

里を経由して、一気にホライズンへ戻る。

ノキアさんは用があって精霊族の里に出かけていたはずだけど……

「あら、おかえりなさい」

家に戻ると、ノキアさんの姿があった。

よかった。

アルさんのところに行く、と言っていたけど、こちらもちょうどいいタイミングで帰っていたみたいだ。

「ママ!」

「ふふ。ニーナもおかえりなさい、元気にしてたかしら? 怪我はしていない? 病気は?」

「ん、大丈夫。レインがいるから」

「そうね、レインさんがいれば大丈夫ね」

「ん~♪」

ニーナの狐耳と尻尾がぴょこぴょこと揺れる。

まだまだ母親に甘えたい年頃だ。

「あら?」

ノキアさんの視線がコハネで止まり、小首を傾げる。

コハネは優しく微笑み、丁寧に頭を下げる。

「はじめまして、コハネと申します。ご存知かわかりませんが、機翔族という最強種です」

「はじめまして、神族のノキアです。ニーナの母親よ」

ほんわかした空気が漂う。

二人は似た者同士だから、こうして並ぶと穏やかな気持ちになるな。

「またレインさんにたらしこまれたのかしら?」

ちょ!?

「たらしこまれたわけではありませんが……主様は、私の主様でございます」

「「「ちょ!?」」」

今度はみんなが反応した。

「えっと……ノキアさんは、用事は終わったんですか?」

このままだと永遠に話が逸れてしまいそうなので、強引に元に戻す。

「確か、いざという時の避難所を作るとか」

「そうですね。アルと協力して、話を進めているところですよ。ただ、精霊族だけでは難しいので、これから、他の種族にも協力お願いするところです」

その前に、一度、家に立ち寄り様子を見ることにしたらしい。

思っていた以上に長く家を空けるから、気になってしまったとか。

「レインさん達は?」

「実は……」

こちらの事情を説明する。

「……なるほど、西大陸への移動手段ですか」

「ママ。なん、とか……ならない?」

「なりますよ」

「なるんですか!?」

あっさりと言われてしまい、ついつい驚いてしまう。

「ちょっと準備は必要ですが、みなさんを転移で西大陸に飛ばすことができますよ」

「こ、ここから西大陸まで?」

「はい」

「す、すごいですね……」

みんな、俺を規格外と言うが……

本当の規格外はノキアさんのような人を指すのでは?

「ただ、一方通行です。帰りは、レインさん達でなんとかしてもらわないといけません」

「わかりました。それはなんとかします」

「なら、さっそく準備をしましょう。ニーナ、手伝ってくれますか?」

「うん!」

ニーナは三本の尻尾をぱたぱたと揺らしつつ、ノキアさんに抱きついた。

ついでに甘えたいのだろう。

「どれくらいかかりますか?」

「色々と必要なので、3日ほど。あ、裏庭を借りますね」

「俺達もなにか手伝いましょうか?」

「大丈夫ですよ。やることは多いのですが、同じ神族でないと少々難しいので」

「そうですか……なにかあれば、その時は遠慮なく声をかけてください。お願いします」

「はい、任されました」

ノキアさんはにっこりと笑うのだった。

――――――――――

思わぬところで時間ができた。

準備が整うまでの3日間、どうしよう?

「こんにちは」

「にゃー!」

「あっ、シュラウドさんにカナデさん!」

冒険者ギルドに顔を出すと、ナタリーさんが笑顔で迎えてくれた。

依頼を請けるつもりはないけど……

今後、有益になるような情報を得られるかもしれないと立ち寄ってみたのだ。

「本日はどうされましたか? 依頼ですか? 実は、山程溜まっていて……」

「あー……ごめん。今日は依頼を探しに来たわけじゃないんだ」

「そうですか……」

ものすごく残念そうにされてしまった。

「えっと、情報が欲しいんだけど」

「はい、なんの情報でしょうか?」

「まずは、ここ最近のホライズンの情勢について」

「情勢ですか? そうですね……簡単にまとめたものは、こちらになりますね」

ナタリーさんからいくらかの書類を受け取る。

カナデと一緒にそれを見て……

眉をひそめる。

「……にゃー。なんか、ちょっときな臭いね」

「……だな」