軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

825話 創世

世界という概念は存在しない。

ただただ、そこは『無』で満たされていた。

なにもない。

なにもない。

なにもない。

静寂と停滞だけが続いていた。

果てしない時間。

永遠に続くかのような虚無。

そうやって膨大な時間を重ねる中で、小さな生命が生まれた。

それは奇跡。

いや。

奇跡という言葉が軽く思えるほどの神秘。

少女は無の中で誕生した。

その時、世界という概念ができた。

少女がそこにいることで、世界は世界として成立することができたのだ。

どこまでも続いて。

どこまでも終わらない。

少女は、そんな虚無に耐えられるほどの力を持っていた。

環境に適当する命が生まれたのだから、そんな力を持つことは当然でもある。

「……」

少女はぼんやりと過ごしていた。

なにをするわけでもなく、ただただ、海の波間をさまようように虚無の中を漂っていた。

そうして、ゆっくりとゆっくりと成長する。

心と身体が育っていく。

感情が宿る。

そうして……

感情を宿すようになり、『寂しい』と思うようになった。

果てしない虚無の中に自分一人だけ。

寂しい。

寂しい。

寂しい。

少女は孤独に耐えることができず、最初に大地を作った。

それから空と海を作った。

星の誕生だ。

一つの星を作り上げる。

それは膨大な力を必要として、少女の力の大半が消費された。

それでも後悔することはない。

新しい世界に新しい命が宿り始めたのだ。

少女は喜んだ。

一人じゃない。

新しい命……子供がいる。

桁違いの力を持っているため、彼らの中に混ざることは難しいものの、でも、見守るだけでも十分だ。

一緒にいると思うことができて、孤独を癒やすことができる。

やがて人間が生まれた。

言葉を介して、道具を使い、火を征する。

優れた命ではあるが、意味もなく仲間同士で争うなど、予想外の行動を取ることが多い。

困った命だ。

少女は悩んだ。

もしかしたら、この人間という命は他の命を脅かす存在になるかもしれない。

そんなことになる前に摘んでおいた方がいいかもしれない。

そう考えて……

しかし、すぐに考え直した。

なにを考えている?

彼らは大事な命だ。

自分の子供のようなものだ。

それを自分の手で摘み取るなんてこと、できるわけがない。

絶対に嫌だ。

他の命も人間も、等しく自分の子供なのだ。

少女は考えた末に、人間に似た新しい命を創造することにした。

その者達に人間のサポートを任せようと考えたのだ。

新しい命は人間の特徴を持つ。

それでいて、他の生命の特徴も持っていて……

人間の何倍も大きい力を得た存在だ。

その新しい命の名前は……

『最強種』という。