軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

816話 一度、ホームグラウンドへ

数日後。

俺達は王都を発った。

精霊族の里を経由して、ホライズンに戻る。

というのも、留守をお願いしているノキアさんに事情を説明しなければならないからだ。

再び留守をお願いすることになるのだけど……いや、あるいは。

とにかく、一度家に戻ることにした。

「おー、懐かしき我が家よ! って、このやりとり何度目やねん!」

ティナのテンションが高い。

みんなも笑顔だ。

やっぱり、家に帰ることができるのは嬉しい。

旅の準備をして。

念のため、ホライズンで得られる情報がないか調査をして。

3日くらい、家で休みを取ろう。

時間は限られているけど、でも、焦っても仕方ない。

なにが起きても対応できるように、万全の体勢で挑まないと。

「ただ……いま」

待ちきれないという様子でニーナが家に入った。

「あら。おかえりなさい、ニーナ。それに、みなさんも」

「クウ!」

「コン!」

ノキアさんの笑顔。

それと、二匹の狐が駆け寄ってきた。

「えへへ……ママ、ただいま」

ニーナはぴょんとノキアさんに抱きついた。

そのまま抱きしめられて、頭を撫でられる。

よほど嬉しいらしく、三本の尻尾が忙しなく動いていた。

「にゃふー、やっぱり我が家が一番!」

「わかるわ、それ。豪華な宿や城のベッドもいいんだけど、最終的に我が家が一番落ち着くのよね」

「ボク、お昼寝してくるね」

「ぼくも!」

みんな、それぞれくつろぎ始めた。

「ふふ、一気に賑やかになって嬉しいです」

「すみません、ノキアさん。ずっと留守をお願いして……」

「いいえ、構いません。待つことには慣れていますから」

そう言って、ノキアさんはにっこりと笑う。

本心からの言葉みたいだけど……

それを聞いて迷いが生まれる。

俺達はまた旅に出るわけだけど……

ノキアさんを置いていってもいいのだろうか?

一緒に来てもらうようお願いする?

逆に、ニーナに残ってもらう?

いや、それはニーナが怒りそうな……ど、どうすれば?

「レインさん」

ノキアさんは微笑みつつ、裏庭の方を指さした。

そこで内緒話をしましょう、ということだろう。

「ちょっと休んだ後、買い出しや資料を調べに行くからな」

「「「はーい」」」

みんなに一声かけてから、俺とノキアさんは裏庭に移動した。

すると、ノキアさんが頭を下げる。

「え、ノキアさん?」

「ありがとうございます、私のことを気にかけてくれて」

「えっと……もしかして、また旅に出ることに気づいています?」

「はい、なんとなくですが」

「すみません……色々とあって」

一言で説明できないくらい、本当に色々なことがあった。

「それで……もしも問題なければ、ノキアさんも一緒に来てくれませんか?」

それが一番だろうと、ノキアさんを旅に誘うことにした。

しかし、彼女は首を横に振る。

驚いてしまう。

断られることはないと思っていたんだけど……

「私のことを気にかけてくれてありがとうございます」

「えっと……ダメ、ですか?」

「ニーナと一緒にはいたいですけどね。ただ、今回は、私は私でやらなくてはいけないことができたので」

「それは……?」

「今は秘密です」

ノキアさんは、茶目っ気のある笑みでそう言う。

「今度はどちらへ?」

「北大陸に」

「なるほど……なら、精霊族の里を経由しますね? そこまで、ご一緒していいですか?」

「あ、はい。それはもちろん大丈夫ですけど……精霊族の里に用が?」

「はい。私のやることは、アルが関わってくるので」

アルさんが関わってくるというのは、なんだろう?

どんな用なのかものすごく気になるけど、今は話してくれないみたいだ。

ノキアさんも、時々、ものすごくミステリアスになるんだよな。