軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

635話 大作戦、開始

ミナの処遇をどうするか?

それはエリスに任せるとしても、まずは捕まえなければ話にならない。

なので、翌日……みんなで話し合い、練り上げた策を実行することに。

ミナとヴェルグは、ホライズン、もしくはその近くに潜んでいる。

二人だけ、ということは考えづらい。

先日、街中に現れた魔族は二人の仲間と考える方が自然だ。

下手に刺激すると、街を巻き込みかねない。

かといって、放置して逃がすわけにもいかない。

最善は、街を巻き込まない場所にミナとヴェルグを誘導して、罠にかける。

そんなこと、本当に可能なのか?

難しい、というか無理。

そんな意見が相次いだのだけど……

俺のとある発案によって、それならいける! と流れが変わった。

その発案というのは……

――――――――――

「はっ、はっ、はっ……!」

「おいっ、待て!!!」

ヴェルグが呼び止めるのも聞かず、ミナは息を切らして走っていた。

隠れ家を後にして、ホライズンの外に出て……

危険な状態にあるのも関わらず、走り続ける。

その目的は、ただ一つ。

「リーン……!」

仲間の姿が見えたのだ。

死んだと聞かされていた。

しかし、後ろ姿が見えたのだ。

見間違えるわけがない。

あれは確かにリーンだ。

そう思った時には、ミナは走り出していた。

「リーン……!!!」

生きていた。

生きていてくれた。

いったい、なにをしていたのか?

どうして、姿を見せてくれないのか?

話したいことがたくさんあるのに、でも、追いつくことができない。

追いかけても追いかけても、走っても走っても。

あと少しというところで、さらに遠くへ消えてしまう。

「ちっ、聞いちゃいねえな!」

冷静なヴェルグは、大きな問題が起きていることを察していた。

おそらく、敵の罠だろう。

どういう方法か知らないが、リーンの幻を作り出してミナを誘っている。

そんな結論を出したが、ミナが聞き入れることはない。

何度声をかけても止まることはなく、いつもの倍以上の速度で走る。

「くそ、罠なのはわかりきってることなのに! いっそのこと、強引に止めるか?」

ヴェルグは物騒な考えを巡らせるが……

それはもう遅い。

「きゃ!?」

突然、ミナの足元から影のようなものが飛び出した。

影は壁となり、ミナの四方を囲む。

そのままパタパタと折りたたまれていき、四方型の檻となる。

「うん、いい感じだね」

犯人はショコラだ。

変幻自在の盾をうまく使い、相手を閉じ込める檻とした。

元が盾のため、強度は抜群だ。

ちょっとやそっとのことでは脱出できない。

「ミナは捕まえたよ」

「それなら後は……」

「邪魔者の排除ですねー」

さらにシフォンとミルフィーユが姿を見せた。

二人だけじゃない。

カナデ達も現れる。

「ちっ」

完全にしてやられたことを悟り、ヴェルグは舌打ちをした。

罠だということは理解していたものの、ここまで完全にしてやられてしまうなんて。

だがしかし、リーンの幻影はなんだったのか?

今も消えることなく、そこにいて……

「なっ!?」

突然、リーンの幻影が揺らいだ。

その姿が消えて……

代わりに、やや大きなトカゲに似た生き物が姿を見せる。