軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

571話 新しい衣装、その名前は……

次はアルさんの担当、体育の時間ということで外に出た。

ちなみに、カナデ達はいない。

体を動かすのにふさわしい衣装に着替えるため、家の中に残っている。

ふさわしい衣装って、なんだろうか?

アルさんが用意したらしいが……

アルさんだけに、変なものを用意したのではないかと疑ってしまう。

「なんじゃ、その目は?」

「ふさわしい衣装って、どういうものですか?」

「ふさわしいものはふさわしいものじゃ。ほれ。海に入る時、水着に着替えるじゃろう? それと同じようなことで、運動をする時にはそれを着なければいけぬのじゃ」

「うーん……」

アルさんが言うと、途端に胡散臭さが増すんだよな。

ティナとノキアさんを見てみる。

「「……」」

二人共、若干頬を染めつつ、俺の追求を避けるように目を逸らした。

……ますます不安になってきた。

いったい、どんな衣装が用意されたのだろう?

「レイン、おにゃたせー」

振り返り……

そして、唖然とする。

「この服、ちょっと小さいというか派手というか……」

「布面積が少ないですわね。特に下半身が」

「はうあうあう……は、恥ずかしいですぅ」

程度の差はあれ、みんな、恥ずかしそうにしていた。

それもそのはず。

白いシャツはとてもシンプルな作りだ。

柄は一切入っておらず、サイズに余裕があるようにも見えない。

そのせいか、体のラインがはっきりとわかるように。

そして下は、ショートパンツ。

ショート……なのだろうか?

ベリーショートというべきか……

紺色のソレは、下着とほぼほぼ変わらないような形で、ちょっと目のやり場に困る。

「うむ、うむ。皆、なかなか似合っておるではないか」

「母さん、これはどういう服なのですか?」

「言ったであろう。運動をする時に着るもの……すなわち、ぶるまじゃ!」

「「「……ぶるま……」」」

不思議な響きだ。

その名前を聞くと、やらしさは感じない。

むしろ、これこそが体を動かす時の正装だと思えてきた。

「クゥーン……」

ちなみに、サクラは今回はなにも着ていない。

さすがにサイズがなかったみたいだ。

どことなく寂しそうに見えるけど……

まさか、着てみたかったのだろうか?

「よし。では、これより妾の授業を始めるのじゃ!」

パンパンと手を叩いて、アルさんが己に注目を集めさせた。

「次の授業は、体育じゃ。体を動かして、健康な体を作ろう、というのが目的じゃな。というわけで、まずは街の周りを十周じゃ!」

「「「いやいやいや」」」

ソラとルナ。

それと、フィーニアとティナが、それはありえないと首を横に振る。

「母さん、知っていますよね? ソラ達は最強種ですが、その体力は人間以下です」

「街を十周なんてしたら、途中で倒れて死んでしまうのだ……」

「わ、わたし、そんなに走ることはちょっと自信がなくて……あわわわっ、生意気言ってごめんなさい!?」

「なーなー、それ、さすがにニーナにはきついんちゃう?」

「むう……」

みんなから一斉に反対されて、さすがのアルさんもたじろいでしまう。

ここで、「すまんすまん、ちとからかってみただけじゃ」と言わないところを見ると、本気の提案だったらしい。

カナデやタニアなら問題はないだろうが……

さすがに、今言った面子には厳しいだろうな。

「なら、一周にしておくかのう……?」

「えっと……アル? まずは、で街を一周していたら、それだけで疲れてしまうと思いますが」

「ぬぐ」

ノキアさんのもっともな指摘に、アルさんが言葉に詰まる。

「最近の若いものは軟弱じゃ」なんていうセリフが聞こえているのだけど……

これ、アルさんが試しても、途中で脱落するのでは?

街を一周するのって、けっこう大変だぞ。

「仕方ないのう……では、体をほぐす体操で済ましておくか」

「まったく、最初からそうしてください」

「では、二人一組を作るのじゃ」

アルさんの合図で、それぞれがペアを組む。

カナデとタニア。ソラとルナ。ニーナとリファ。フィーニアとサクラ。

そして……

「あら? わたくし、余ってしまったみたいですわね」

なぜか笑みを携えつつ、イリスはそんなことを言う。

「む……仕方ないのう。では、妾達の誰かと組むといい」

「はい、わかりました。では……」

イリスが俺の隣に並び、ピタリと体を寄せてくる。

「よろしくお願いいたします、レインさま」

「「「なっ!?」」」

そんなのアリ!?

というような感じで、みんなが目を大きくして驚いた。

カナデとタニアとソラとルナ。

主にその四人が、獰猛な気配を放つ。

「イリス……それは、ちょっと反則だと思うよ?」

「ええ、そうね。レインと一緒に組むなんて……というか、最初からそれを狙っていたんじゃない?」

「あら、なんのことでしょうか? わたくしは、たまたま一人になってしまったので、たまたま手の空いていたレインさまにパートナーをお願いしているだけですわ」

「それならば、ソラが変わってあげましょう。ソラがレインをパートナーとするので、イリスはルナをパートナーにするといいです」

「いやいや、ここは我が立候補するべきだろうな。我がレインのパートナーになるのだ」

あれ?

なんか、流れが怪しい雲行きに……

「レインのパートナーは私がやるよ!」

「いいえ、あたしね!」

「ソラ一択です!」

「我なのだ!」

「わたくしですわ!」

「「「うううーーーっ!!!」」」

にらみ合い、バチバチバチと火花が散る。

「どうやら、雌雄を決する時が来たみたいですわね……ふふ、かかっていらっしゃい!」

「絶対に負けないんだからー!」

そして、大乱闘が始まってしまう。

そんな中、残りのメンバーはのんびりと体操をしていた。

マイペースだ……

「レインよ」

「……なんですか?」

「くふふ、モテる男は辛いのう」

「コメントにものすごく困るので、それ、やめてください……」