軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1162話 改めてライバルについての情報を

「グローヴェイン……さっき名乗っていたけど、それがあたしに迫る変態の名前よ」

タニア曰く、グローヴェインは竜族の里の期待のホープらしい。

ミルアさんほどではないものの、強い力を持ち。

それだけではなくて知にも優れている。

それでいて、それらの能力をひけらかすことなく、他者を下に見ることなく。

強い自信を持つためか、やや尊大な態度が出てしまうところはあるが……

しかし、彼を慕う者は多いという。

そしてタニアは、今や竜族では知らないほどの有名人。

世界の危機に立ち向かい、見事に敵を打ち砕いた竜族の英雄。

そんな二人が結ばれれば、竜族の未来は安泰だろう。

そう考える竜族が多いらしい。

「まったく……迷惑な話よね。勝手に期待を寄せるだけじゃなくて、勝手に人の未来も決めようとするんだから。そういうことを言うやつに限って、年寄連中なのよ。これぞ老害! あたしの人生をなんだと思っているのよ! って、竜生か」

「タニアの姐御、めっちゃ怒ってるっす……ちょっと怖いっす……」

「怒りが再燃してきたみたいですね。ソラは少し避難しておきましょう」

「それじゃあ私も……」

「カナデはタニアの相手をしてやるがよい」

「生贄!?」

だいたいの背景事情は理解した。

次は、グローヴェイン本人についてだ。

「っていうことは、あの人の良さそうな性格は偽りのものじゃなくて、本物なんだよな? 演じているとかそういうことはなくて」

「そうね……たぶんだけど、演じてはいないと思うわ。あたしは、しばらく里を空けていたからその間のことはわからないけど、みんな、グローヴェインを悪く言わないもの。まあ、たまに苦言を呈する人もいるけどね」

「苦言っていうのは?」

「自信たっぷりなのはいいけど、たまに周りが見えていないんじゃないか? とか、そんな感じ」

「なるほど」

そういう問題はあるかもしれない。

ただ、人格的な問題はほとんどない、っていうことかな?

「でもさ」

カナデが不思議そうに言う。

「タニアをちっちゃくするとか、おもいきり問題があるんじゃない?」

……そうだった。

幼女趣味。

しかも、婚約者を無理矢理小さくしてしまう。

さすがにそれはアウトだ。

「まあね……そこは大問題よ。おかげで、あたしはこんなことになっているし」

「そこを突いて、相手の非や問題点を大きくして騒ぎにする、っていうのは?」

「難しいわ」

「にゃんで?」

「だって……」

タニアがミルアさんを見る。

「母さんが『コレ』だもの。一部では、幼女こそ最高! なんていうバカな派閥ができているくらいよ」

「「「あー……」」」

ものすごい説得力だった。

「ま、その幼女趣味に目をつむってでもグローヴェインに次代の長に……っていう声は大きいの。それくらい優れているヤツなのよ、むかつくけど」

なんだかんだ、タニアはグローヴェインの能力を認めているらしい。

こんなことになって、心中は荒れに荒れていると思っていたのだけど……

わりと冷静に対処できているようだ。

「……だいたい、こんなところかしら? なにか他に聞きたいこととか、聞き忘れたことは?」

みんなは考えるような仕草を取り、少しして首を横に振る。

今すぐには思い浮かばない、という感じ。

「オッケー。それじゃあ、これから、改めて対処を考えていきたいんだけど……」

「そんなの決まっているよ! 八つ裂きだよ!!!」

ミルアさんが口の端からチラチラと炎を吹きこぼしつつ、激しく言う。

いや、あの。

気持ちはわかりますけど、怖いので落ち着いてもらえませんか……?

たぶん。

ミルアさんがその気になれば、グローヴェインどころか竜族の里を壊滅させられると思うので、冷や汗ものだ。

「母さん、ひとまずの対処は決まったでしょ?」

「そ、そうだったね……レインくんにがんばってもらって、あの泥棒竜をぼっこぼこのぎたんぎたんのぺちゃんこにしてもらう!」

「それはそうだけど」

そこは否定しないのか。

「対策をどうするか、っていう話でしょ?」

「ふむ。力、能力を制限されるかもしれない、という話だったな。かつて、我らがそうされたように」

「やっぱり、魔道具っすかね?」

「まどー……ぐ?」

「ふしぎな力を持っている……アイテム、だよ」

「おぉ」

不思議そうな顔をするルリに、ニーナが説明をする。

姉妹みたいなやりとりに、みんな、状況を忘れてほっこりした。

「話を戻すが、魔道具ということは確定なのか?」

「エーデルワイス様ならわからないっすか?」

「見ればわかる。が、予想ではなんとも言えないな」

「むぅーん」

「まあ、魔道具という仮定で話を進めるが、対処は可能だ」

「「「え!?」」」

エーデルワイスの突然の発言に、みんながざわついた。