軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1051話 問答無用の奇襲

雷の嵐が廃村を直撃した。

全力の一撃ではなくて、ほどほどに手加減されている。

しかし、超級魔法なので、手加減されていたとしても威力はものすごい。

紫電が竜のように暴れる。

廃屋を打ち砕いて。

地面を焼いて。

打ち捨てられていた井戸を木っ端微塵にする。

破壊の嵐だ。

事前に冒険者ギルドや騎士団に確認をとっているため、派手にやってもらってかまわない。

そして……

「うあああぁあああ!?」

「な、なんだ!? 敵襲か!?」

「構えろ! 敵襲だ!」

廃村に潜んでいた連中がわらわらと出てきた。

ざっと数えて三十人ほどだろうか?

思っていた以上の数だけど……でも、問題ない。

紫電が縦横無尽に走り、隠れていた者達を打つ。

次々と悲鳴をあげて崩れ落ちていく。

「ふふふ。見よ、人間がゴミのようなのだ!」

「ルナ、言葉が悪いですよ」

「とりあえず、うまくいったな」

考えた策はとても単純なもの。

敵に気づかれるよりも先に、こちらから先制攻撃をしかける。

先に相手を殴る、というシンプル極まりない策だ。

ただ……

廃村全体に一撃を叩き込むことができるなんて、誰が思うだろうか?

いきなり超級魔法が飛んでくるなんて、誰が予想できるだろうか?

効果は抜群だ。

敵は大混乱に陥る。

そして、未だ残る紫電で倒れていく。

いい感じだ。

後は、直接、敵を倒して捕縛する。

「ソラ、ルナ。事前の打ち合わせ通り、ここで援護を頼む」

「はい」

「うむ」

「カナデは、ルリを頼む。なにかあれば、ソラとルナに」

「任せて!」

軽いやりとりを交わした後、俺は廃村に向けて……

「レイン」

ふと、ルリが俺の服を掴む。

少し不安そうな顔をして、ルリは俺を見上げた。

「……気をつけて」

「ああ」

振り返り、しゃがんで、ルリの頭を撫でる。

「心配してくれてありがとう。ちゃんと戻ってくるから」

「うん」

「ルリも気をつけて」

「気をつける」

「よし。じゃあ、あとで美味しいものでも食べよう。約束だ」

「うん、約束」

小指を交わして、

「じゃあ、また後で」

「またね」

わりと簡単な感じで言い、俺は、今度こそ廃村に駆けた。

――――――――――

「これはひどい」

廃村に入ると、あちらこちらに人が倒れていた。

ぷすぷすと焦げていて。

パーマをかけたように髪の毛が膨らんで。

ぴくぴくと震えている。

ソラとルナの魔法の影響だろう。

それでも死者はいなさそうだ。

きちんと手加減しているところは、さすがというべきか。

「来たぞ、敵だ!」

「人間の襲撃だ!」

奥の方から、まだ無事な人が現れた。

……魔族だ。

角や翼が生えている者がいるけれど、基本、その外見は人間と大差ない。

それでも魔族と断定できたのは、彼らが放つ魔力の質に覚えがあるからだ。

エーデルワイスと契約しているからなのか、魔力の質の違いについて理解できるようになった。

よほど巧妙に隠されない限り、見ただけで判断することができる。

「……とはいえ」

相手が魔族であれ、今は、なにかしようなんて考えない。

困っているのだとしたら話を聞きたいと思う。

でも、相手もそう思ってくれるとは限らない。

むしろ敵意を向けて、武器を向けて……

「やるしかないか」