軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

幕間十一 聖女様の告白。

「なあ、ヴェルはもう少しで十三歳の誕生日だろう?」

「そう言われると、そんな気がする」

「お前なぁ……。自分の誕生日じゃないか……」

とある日の午後、現在ブライヒレーダー辺境伯様から借りて貰っている住居において、俺はエルからもうすぐ誕生日ではないかと聞かれていた。

誕生日。

普通に考えれば、家族だの友人だのに祝って貰える嬉しい日であるはずだ。

きっと、美味しいご馳走やケーキなども出るのであろう。

プレゼントだってあるはずだ。

ところが、前世と合わせてここ十年間ほどの俺は違う。

前世では子供の頃はともかく、大学生の頃から一人暮らしなので彼女が居た頃に祝って貰ったのが二回だけ。

あとは、社会人にもなると、誕生日などあまり気にならなくなるのが普通だ。

特に、二十五歳の誕生日は酷かった。

残業が長引いて、日付けが変わる寸前に誕生日である事に気が付き。

仕事帰りに、コンビニでショートケーキでもと思ったら売り切れで、仕方なしに生クリームが乗ったプリンを食べたあの日。

その後、子供に憑依したのに、まさかもっと情況が酷くなるとは思わなかったが。

ヴェンデリンに憑依してからは、何しろあの実家なので誕生日を祝うという発想すら無かった。

長男クルトの誕生日に、少し食事が豪勢になるくらいであろうか?

その辺は、長男なので多少は優遇されていたらしい。

他の兄弟の誕生日など、ほぼ無視というかまるで無視だ。

多分父などは、俺の誕生日すら正確に覚えていなかったのであろう。

どうせ覚えていても、あの実家の経済状態で誕生日パーティーなどありえないはず。

兄弟が多いので、いちいち祝っていたら金が足りなくなるのは確実であろうからだ。

よって、ヴェンデリンになった俺の誕生日の記憶は、七歳の頃に唯一エーリッヒ兄さんに『誕生日おめでとう』と言われ、家を出てからもエーリッヒ兄さんだけは、毎年プレゼントと手紙を贈ってくれていた。

100%、エーリッヒ兄さんから祝って貰ったという記憶しか無かったのだ。

なるほど、これは酷い。

俺が実家の家族に興味が無く、唯一エーリッヒ兄さんだけが例外な理由が良くわかるというものだ。

最近では、パウル兄さんとヘルムート兄さんもであったが。

彼らは、あまりに年下である俺と、どう話して良い物かわからなかったみたいだ。

実家では、いつ家を出る事になるかわかならいので、自分の事だけで忙しかったようであったし。

「十三歳になるのは事実だ。それも、人生の通過点の一つにしか過ぎない」

それでも今年は、エリーゼ、エル、イーナ、ルイーゼに。

エーリッヒ兄さん達に、ブラント家の人達は祝ってくれるかもしれない。

などと言う予想を、自分なりに立てていた。

そこで、少し冷たく答えてみる事にしたのだ。

きっと、誕生日パーティー当日に態度を融解させると、前世で言うところのツンデレという奴になのであろう。

野郎のツンデレなんて、まるで需要はないと思われるが。

「頼まれなくても、祝ってくれる可能性もあるぞ」

「そうなのか?」

「お貴族様達が、一杯な」

「何か、もういいや」

ところが、エルの予想を超える規模で、また何かを企む貴族達が存在しているようだ。

彼らは、本当に逞しい。

そのタフさがあれば、きっと前世で俺が働いていた商社でも一流営業マンになれたかもしれない。

『一宮君には、少しガッツが欲しいな』などと、直属の上司に言われなかったであろう。

「よう、坊主」

とそこに、今度はブランタークさんが尋ねて来て、俺達に声をかけてくる。

「ブランタークさん、今日はお仕事は良いのですか?」

「お仕事だよ。来週の安息日に、坊主の誕生日パーティーを開くから」

「この年齢の子供のですか?」

基本的に、貴族はパーティーが好きという事になっている。

こういう時に、こういう規模で開くのが決まりという事情もあるのだ。

貴族本人も、人によってなので100%とは言えなかったが基本的にパーティーが好きな人が多く、そのために普段からお金を貯めている人は多かった。

豪勢なパーティーを開ける貴族というのは、貴族らしくエレガントで財力にも優れていると評価されるからだ。

主催が多いと、これも交友関係が広いと思われて評価される。

人脈は、貴族の大切な武器の一つであった。

「珍しいが、開かないわけにもいかなくてな。坊主は、竜殺しの英雄だから」

要するに、プレゼントを持って押し掛けたい貴族や商人が多いそうだ。

そして、そのプレゼントの見返りを期待しているのであろう。

そういえば、まだ元気だと思う田舎のお祖母ちゃんが、『世の中、無料ほど高いもんはねぇ!』と言っていたのを思い出す。

「でも、この家の庭では無理でしょう」

この家は、冒険者予備校に通う学生が住むには豪華な家であったが、貴族の家からすれば狭い。

特に庭が狭いので、パーティーには不向きだと思われる。

「王都のブライヒレーダー辺境伯邸で行うから。坊主は、当日に身一つで来れば良いさ」

「わかりました」

「素直だな」

「いや、自分で全部準備しろとか言われたら嫌ですし……」

「どうせ坊主は主賓で、パーティー中はずっと忙しいからよ」

どうやら、せっかくの誕生日パーティーも色々と忙しくなりそうな気配だ。

とにかく沢山の人達の相手をさせられそうなので、楽しくはないであろう事だけは覚悟するのであった。

「誕生日パーティーですか。ブライヒレーダー辺境伯邸で行われるのは、ヴェンデリン様と縁を繋ぎたい貴族が多いからでしょうね」

ヴェルの、十三歳の誕生日パーティーをブライヒレーダー辺境伯邸で行う。

その話をブランターク様から聞いた時、ヴェルの婚約者であるエリーゼは冷静にそう分析していた。

中央で揉まれている大物法衣貴族の孫娘であるエリーゼは、普段はお菓子や料理を作ったり、お茶を淹れたりするのが好きな娘なのだけど。

その血は、やはり本物の青い血のようだ。

ヴェルほど有名になると、色々と貴族として面倒な礼儀とか習慣とか知識が必要になる事がある。

正直、ヴェルの生い立ちでは、それを覚えている時間は無かったのであろう。

あっても、あの実家が教えるはずもなかったが。

彼らだって、多分知らないであろうし。

そんなわけで、パーティーの時には常にエリーゼが傍に寄り添ってフォローする必要があったのだ。

「でも、イーナさんとルイーゼさんもですよ」

「三人で固めるんだ」

「はい、そうしないと……」

また懲りずに、側室やら、愛妾込みのメイドの押し付けをする事案が何回発生するか?

考えるだけで、そら恐ろしい事になるそうだ。

「でも、エリーゼはボク達を認めるんだね」

「私は、これでも貴族の娘ですから」

貴族で、妻が一人という人は珍しいそうだ。

エリーゼの実家もそうで、同じホーエンハイム枢機卿の孫である兄の一人とは母親が違うらしい。

「実は、うちもそうでした」

「うちもよ」

大貴族の陪臣だと、やはり複数奥さんが居る事の方が多かったのだ。

私が妹や娘として嫌われていないのは、相続に一切絡めない立場だからという理由もある。

実際、本妻と妾の産んだ男子の年齢が近かったり、妾の方が寵愛を受けて子供も同じという理由で、双方の関係が険悪という事例も珍しくなかった。

「そういうわけで、三人で気合を入れて阻止するのです」

「エリーゼって、意外と張り切り屋さん?」

まあ、三人の仲が悪いよりはマシだし、これ以上妾が増えるのも面倒と言えば面倒だ。

ここは協力して、敵を防ぐ事にする。

ある意味、魔物とは違って倒せないから厄介な敵でもあるのだが。

「それでですね」

「まだあるの?」

「はい、ヴェンデリン様の誕生日ですけど」

仕方なしにブライヒレーダー辺境伯邸で行われる大規模な誕生パーティーではなく、この家で関係者だけでささやかに行う誕生日パーティーの相談をエリーゼはしたいらしい。

「私、ケーキを作りますから。お二人は、料理をお願いします」

「そうね。ヴェルだって、あんなパーティーは嫌々でしょうし」

ヴェルとしては、せっかくブライヒレーダー辺境伯様が仕切ってくれる誕生日パーティーを嫌だとは言えない。

貴族の責務として、嫌々出席しているのは私達からすれば明白であった。

「とにかく、三人で固めて防ぎませんと」

「そっちもなんだ。でも、意外」

「そうですか?」

「うん、怒らないで聞いてね。エリーゼって、ホーエンハイム枢機卿からヴェルの婚約者になるように言われて日が浅いでしょう? まだヴェルの事を、そんなに好きだとは思わないんだけど」

「私達だって、まだ知り合って一年も経ってないからね」

私とルイーゼだって、ヴェルと知り合ってそう時間が経ってはいない。

エリーゼは、もっと日が浅いのだけど。

そんな彼女が、今の時点でヴェルを好きなのかと言う疑問が出て来るのだ。

私もあまり、人の事は言えないのだが。

「そうですね。最初に御爺様から言われた時は驚きました」

今までに、エリーゼへの婚姻の申し込みは多かったそうだ。

法衣・領地貴族を問わず、伯爵家から男爵家まで数十家。

他にも、侯爵家、辺境伯家、公爵家から妾として欲しいと言われた事もあった。

エリーゼが言うには、聖治癒魔法の使い手にして『ホーエンハイム家の聖女』の名声を欲しいのであろうと。

貴族なので、確かにそういう物は欲しいはず。

今も実際に、ヴェルの『竜殺しの英雄』という名声に群がっている貴族は多いのだし。

「御爺様は、お話を断り続けていました。きっとどこかで、私が嫌がっているのに気が付いたのでしょう」

貴族の娘なので、実家から言われた縁談を断るわけにもいかない。

なので、正直とてもありがたかったようだ。

「それが、ヴェンデリン様の古代竜退治が噂になってからすぐに……」

ヴェルが王様と謁見をし、準男爵の地位を得た直後の事だ。

突然、ホーエンハイム枢機卿から言われたそうだ。

『エリーゼ、お前の夫が決まったぞ。バウマイスター準男爵殿だ』

『あの竜殺しの英雄様がですか?』

『そうだ。その竜殺しの英雄のだ』

『それは宜しいのですが、竜殺しの英雄様は準男爵様ですが』

面倒な話ではあるが、ホーエンハイム家は子爵家である。

今まで公爵家の要請まで断って来た手前、最低でも男爵でないと文句が出るはずであった。

『家格の釣り合いに関しては問題ない。すぐに男爵になると陛下が仰っていた』

『もしかして、パルケニア草原でしょうか?』

今日教会の方から、軍がパルケニア草原に出兵するので、治療担当として遠征軍に加わるようにと言われていた。

他の治癒魔法の使い手に、戦死者を現地で弔う司祭様も合わせて、従軍神官という扱いになるそうだ。

過去に何度も討伐軍を撃退した老巨竜相手に大丈夫かと思ったのだが、先発して噂の竜殺しの英雄様も出陣するので安心だと言われていた。

私達も含めて、派遣軍本隊は竜との戦闘は無いらしい。

加えて、王宮筆頭魔導師である伯父様に、ブライヒレーダー辺境伯家の切り札である、高名なお抱え魔法使いブランターク様と。

どうやら王国は、本腰を入れてパルケニア草原攻略に乗り出すようであった。

『バウマイスター準男爵殿が遠征から戻り次第、聖教会本部で本洗礼を執り行う予定だ。その時に紹介するからな』

『わかりました』

正直、どんな人なのだろうと思っていた。

生まれは、貧しい名ばかり貴族家の八男で、寄り親の家臣からもバカにされるような存在であったと御爺様から聞いている。

そんな人が、竜を倒して独立した貴族家の当主になってしまったのだ。

その心境は、どのような物なのであろうか?

そして始まったパルケニア草原出兵中、私は本陣隣に設置された救護所で負傷者への治療を行いながら、そのような事ばかり考えていた。

途中、次々と先発した伯父様達の報告が入って来る。

伯父様は、得意の魔法を使った戦闘術で竜の動きを封殺。

その間に竜殺しの英雄様が準備をしていた戦略級の魔法で、老巨竜は呆気ない最後を迎えたようだ。

ブランターク様は、『ただ浮いているだけで楽だったな。もっとも、バウマイスター準男爵殿が居なかったらヤバかったけどな』とも言っていたそうだ。

伯父様の魔法戦闘術は老巨竜を圧倒していたが、魔力の消費量が膨大で、あと数分しか戦えなかったそうだ。

『やはり、魔力消費量の計算が甘かったようである! 全力で動いて八分で相手を殺す事が出来なければ、死ぬのは某であった!』

こう伯父様は、偵察に来た兵士に報告していたそうだ。

そして老巨竜の死後も、伯父様達は前線に残って魔物の討伐を続けていた。

軍や冒険者有志にとって危険な魔物を、間引き続けているのだそうだ。

救護所には、一日に百人を超える負傷者が運び込まれて来る。

私も懸命に治療に当たっていたが、老齢の司祭様に言わせるとこれでも大分少ないらしい。

『ワシは、若い頃に先々代の王の命令でパルケニア草原に従軍しての』

その時には、老巨竜のブレス数発で数千名が一気に即死し、生き残った兵士達も明日をも知れぬ重傷者だらけで、そこに魔物が追撃をかけて来てと。

救護所に運び込むどころか、撤退しながら助かりそうな人だけを治療し、あとは放置するという地獄の惨状であったそうだ。

『助からない兵士を、魔物の予定進行ルートに置き去りにしての。その兵士が、嬲られたり食われている間は時間を稼げるからじゃ。みんな、泣きながら戦友を置き去りにしたんじゃよ』

『蘇生魔法で、救えるかもしれないのにですか?』

『その魔力で、治癒魔法が何十回も使える。そういう事じゃ』

苦悩の表情で、その老司祭様は話ていた。

それでも、今回も戦死者が出ないわけでもない。

心臓が止まっても、数時間以内なら蘇生は可能なケースが多いのだが、あまりに体の損傷が激しいと蘇生魔法の意味が無い。

生き返らせても、またその負傷で死んでしまうからだ。

心臓が止まっている体に治癒魔法は効かないので、蘇生魔法も完璧というわけでないのだ。

そもそも、使える人が極端に少ないのだが。

『聖女様、大丈夫ですか?』

多くの負傷者に、たまに出る戦死者と。

あまりに凄惨な現場に、心配した人達が私を気遣って声をかけてくれた。

『大丈夫です』

まさか駄目とも言えず、私は無理に笑顔を向ける。

そう、私はホーエンハイム家の聖女なのだから。

「ええと、ちょっと感想が言い難い……」

エリーゼの従軍話に、私達は思わず絶句してしまう。

『後方に居て、戦っていないから楽そう』などと考えた私がバカであったようだ。

「お二人も、諸侯軍を率いて従軍されたとか?」

「完全なお飾りだったけど」

『怪我するな』、『死ぬな』と言われていたので、後方でエーリッヒさん達の護衛をしていただけなのだから。

戦死者は、陣借り者に五名出ていたけど、みんな少ない方だと言っていたほどであった。

ヴェルは気にして、多目の見舞金を出していたようであったが。

「それから、ヴェンデリン様とお会いしたのですが」

どんな厳つい容姿の人かと思ったのだが、普通の人で安心したそうだ。

それに、初めてのデートで。

『ホーエンハイム家の聖女か。いきなり竜殺しの英雄とか言われているからわかるけど、ちょっとプレッシャーだよね』

『プレッシャーなのですか?』

『英雄とか言われて素直に喜べるほど、肝が太くないから』

「ヴェンデリン様からそう言われた時に、私は始めて自分の気持ちを理解してくれる人と出会ったのだと感じたのです」

生まれ付き治癒魔法に才能があり、それを用いて多くの人達を治して尊敬された。

ホーエンハイム枢機卿も可哀想だとは思いつつ、貴族として心を鬼にし、彼女をホーエンハイム家のために利用して来たのであろう。

そして彼女も、その期待に答えるべく努力を続けて来た。

ホーエンハイム枢機卿とて孫娘を利用したくはないが、そうしないといけないのが貴族でもあり、エリーゼもそれは理解していたからだ。

だが、それにストレスを感じていたのも事実であった。

「ヴェンデリン様は、実は私をあまり聖女だとは思っていませんし」

「それって、頭に来ない?」

「いえ、逆に嬉しいです」

治癒魔法に特化した、優秀な魔法使いくらいにしか思っていない。

だが、その評価が逆に嬉しいそうだ。

「でも、前にお食事をお作りしたら」

教会で定期的に炊き出しに参加し、孤児院の子供達のためにお菓子なども作るエリーゼの手際を偉く褒めていたそうだ。

『へえ、エリーゼは料理が上手だな。手慣れている感がある。俺の場合は、大雑把な男料理だし』

『私、ヴェンデリン様のお料理も美味しいと思います』

『ちょっと、調味料が変わっているけどね』

「確かに、あの茶色のペーストと黒い液体は見た事が無いね」

ミソとショウユと言うらしいが、ヴェルが独自に魔法で製造した物らしい。

命名基準がいまいち不明な調味料であったが、例のパルケニア草原出兵で、ブランタークさんとアームストロング導師には好評だったようだ。

「私は、『ショ』に似ていると思いますけど」

「『ショ』って何?」

ルイーゼの疑問に、エリーゼが答えていた。

『ショ』とは、王国東部の海沿いで造られている調味料だそうだ。

海の小魚や小エビなどを、大きな甕に大量の塩と交互に入れて発酵させる。

少し独特の匂いや癖があるが、王都にも輸入されて売られているらしい。

王都でも、固定のファンが多いそうだ。

「癖は、むしろ『ショ』よりも薄いので、販売されたら人気が出るかもしれませんね」

「(ヤバいわね。大物貴族の娘だから、料理なんてしないと思っていたんだけど……)」

経験で言うと、向こうの方が上かもしれない。

というか、彼女はお茶を淹れるのも、お菓子を作るのも上手だ。

同じ年の女性として、少し敗北感が沸いて来てしまう。

「それに、エリーゼはスタイル良いものね」

「あの恥ずかしいので……」

ルイーゼのオヤジ丸出し発言に、エリーゼは顔を真っ赤に染めていた。

「男の方って、みなさん視線がその……」

それは、その胸なのだ。

見るなと言うのが、逆に酷なのかもしれない。

「わかる。ボクでも、胸に視線が行くもの」

「ヴェンデリン様も、実はそうです……」

やはり、ヴェルも男のようだ。

エリーゼの胸に注視しているのだから。

「男の人だと仕方が無いわね。むしろ、魅力だと思うけど」

「そうなのでしょうか?」

「そうなのよねぇ。現実問題として」

「イーナはまだ普通だから良いと思うけど、ボクは深刻なんだけど。この先、成長するかどうかで。エリーゼはいいなぁ。このまま成人しても勝ち組だし」

その後も話は続いたが、最初の関係者だけでヴェルの誕生日パーティーを行い、その料理を私達だけで作るという決定以外。

あとは、下らない話ばかりになってしまった。

でも、楽しかったから良いと思う。

エリーゼとも、更に仲良くなれたと思うし。