軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

16 上がらないレベル、日進月歩の精神

まだ朝日が顔を出す前にルシエルは目を覚ました。

「ふわぁ~あ。あ〜眠い。身体から何かが漲ることもないし、やっぱり幻覚か」

ストレッチをしながら、熟練度鑑定を行い、魔法の基礎練習と魔法の考察を行なう。

「あ、詠唱短縮のレベルが上がってる。それと遠隔魔法陣詠唱も、もう直ぐレベルⅠになるな」

日々のステータスチェックはしないものの、スキル熟練度の確認は聖属性魔法で現在使用が出来ないエリアハイヒールとディスペルの為にチェックしている。

「昨日だけで800オーバーって凄いな」

項目としては魔力操作、魔力制御、聖属性魔法が群を抜いて、成長していた。

熟練度だが、レベルⅠになる為に必要な熟練度は1000、以降、倍々に増えていく。

レベルⅠ→1000 レベルⅡ→2000

レベルⅢ→4000 レベルⅣ→8000

レベルⅤ→16000 レベルⅥ→32000

レベルⅦ→64000 レベルⅧ→128000

レベルⅨ→256000 レベルⅩ→512000

熟練度上昇についてだが、魔法の場合はレベルに応じて、発動出来るようになる魔法を使うことで、熟練度が最大5上昇する。

例えばレベルⅠでヒールの場合、治す対象がいて、イメージ、魔力操作、魔力制御を完璧に発動すると、熟練度は5上昇する。

レベルⅡで同じ事を行なえば4、レベルⅢなら3、レベルⅣなら2、レベルⅤ以降は1となる。

ルシエルは魔法書を読み返したり、詠唱や詠唱短縮で魔法が発動する魔法陣に注目しながら、日々研鑽を積んでいた。

魔法の熟練度は、魔法が発動すれば上昇する。指標を見つけたルシエルは、俄然やる気が出て、絶好調になるのだった。

「このまま頑張れば、半年でレベルⅧになるな。目指せ20歳でカンスト!!」

俺は朝の鍛錬を終えると食堂へ向かった。

「おはよう御座います。今日も山盛りでお願いします」

「あら、ルシエル様、おはよう御座います」

「止めてくださいよ。ルシエルでいいですよ。様付けで呼ばれると何か肩が懲りますし」

「やっぱり変わってるね」

そう言って笑うとオバちゃんは大盛りで配膳してくれた。

「今日もお弁当をお願いします。量は昨日と同じぐらいで大丈夫です」

「はぁ~、あんまり根を詰め過ぎちゃ駄目だよ」

「大丈夫ですよ。今までの生活(一日に一度走馬灯を見ていた。)に比べたら天国ですね」

「なら、いいんだけどね」

こうして食事を摂っていると「ルシエル」と声が聞こえて振り返ると、そこにはルーシィさんが居た。

「あ、ルーシィさん、おはよう御座います」

「おはよう。ってあなた、祓魔師に配属になったんだって?」

「ええ。耳が早いですね」

「結構きつい(戦闘が)って聞いたけど大丈夫なの?」

「全然(ホラーの幻覚なんて)問題ないですよ」

「そう。ルミナ様も心配していたから、何か役に立てることがあったら言いなさいよ」

「ありがとう御座います。あ、だったら早速一つ、羊皮紙とペンとインクを買えるところを教えてください」

「それだったら、備品倉庫に行けばいくらでもあるわよ」

「じゃあ場所を教えてください」

「いいわ。その前に朝食を食べてからで良いわよね?」

「勿論です」

こうしてルーシィさんと話しながら、冒険者ギルドでの生活などを語ると、ドン引きされながらも食事を終えた。その後、備品倉庫を教えてもらい大量の羊皮紙とインクとペンを持ってアンデッド迷宮(仮)に向かった。

「グッゥオオオ」

「うるさい。聖なる治癒の御手よ、母なる大地の息吹よ、願わくば我が身と我が障害とならんとす、不浄なる存在を本来の歩む道へと戻し給え。ピュリフィケイション」

昨日頭に入れておいた通路を確認しながら、羊皮紙に地図を記入していく。

幻覚だと(思い込んでいる。)分かっているゾンビを倒しながら、きちんと魔石(幻覚を作る石)を回収して歩く。

一階層あたり一時間を掛けて、三時間で四層に到着した。

「さてと、次はどんな魔物が出るかな~」

最早、ルシエルの中では、完全にゲーム感覚で迷宮に潜っていた。

その為「左手にGダム騎士が使用していたような短槍と、片手剣の得物が違う二刀流とか、ブロド教官が見たら、怒りながら斬りかかって来る未来しか想像できないな」

現在、俺は盾にも使えそうな短く手元が太いランスを左手に、片手剣を右手に持って探索をしていた。

「まぁ変な癖がついたら、ブロド教官に徹底的に直されるだろうから、型は崩さないように遊ぼう」

視界が良いところで地図を描いては、探索するという感じで進んでいった。四階層に出てきた魔物はゾンビだったのだが、剣を引きずりながらの徘徊ということもあり、近寄ってくるのが丸分かりで苦戦するようなこともなかった。

こうして五階層まで地図を書き込み、二日目の探索は終了した。

この日の稼ぎは5372Pと昨日よりも多く、「本当に無理しちゃ駄目よ」とカトレアさんに心配された。

「浅い階だから、全然余裕ですよ。稼ぐとやっぱり問題(本部の予算がヤバイ)ですか?」

「そんなことはないわ。こちらとしてはありがたいもの」

「だったら(そうするとカトレアさんって業者の人なのか?)頑張ります」

「それで、今日は何か買っていく?」

「いや、ポイントは貯めて置いてください。目標は魔法書ですけど苦戦するようになったら何か買うと思いますから」

「分かったわ。頑張ってくださいね」

「はい。ありがとう御座います」

こうして二日目の迷宮探索を終えた。

夕食時にグランハルトさんと会い、調子を聞かれたが、特に問題ないと答えた。

「そうか。ならいい。それと給金だが治癒士ギルドの口座に、月初め入金される。一階の受付で確認出来るから必要があれば確認しろ」

それだけ告げると、グランハルトさんは食堂を出て行った。

「それだけを伝えるために待ってるいるなんて、だんだんあの人の性格が分かってきたぞ」

その後、いつも通りに一人で夕食を済ませ、物体Xを飲んで魔法の鍛錬をしてから就寝した。

翌日も朝から探索を開始したが、六階層から罠が仕掛けられるようになっていた。

「・・・なんだこの精度は」

六階層で床のスイッチを思いきり踏んでしまった。

すると壁から矢が飛んできたが、俺の前方ニメートルも前を通過して反対側の壁に当たって消滅した。

「これはあれか、こういう罠がこれから出てきますよ。テヘッ。そんな感じのお知らせか?」

魔物も相変わらずで、弓矢を持っているのに近寄ってくるゾンビアーチャーに、カラカラ剣を引きずってくるゾンビナイト。

詠唱時間が長く、時速十kmも出ていない火の玉を放つ火の玉。

「これって、囲まれても死なないと思う」

これがフラグになっていようとは、このときの俺は全く気がついていなかった。

六階層から罠が出始めたので、そのエリアを地図に書き込みさらに探索する。

入念に調べて行動することになったのと、階層を下るごとにつれて、魔物の数が多くなってきたことで、本日の探索は六階層だけで終了した。

本日もポイントを貯め、夕食を食べてから物体Xを飲み魔法の基礎鍛錬を行った。

「なんか日増しに身体の調子が良くなっている気がする。もしかして!! ステータスオープン……だろうね」

レベルは1のまま固定されていた。

「まぁいいよ。分かってましたよ。でも、ステータスは少しずつ伸びてるもんね。日進月歩の精神でいきますよ」

こうして俺は鍛錬後、不貞寝した。

何かイベントごとがあった。という事もなく淡々とした日々を送り、俺は十階層までの全探索を十日で終えた。

罠は一階層に一個だけだったのだが、些か慎重になり過ぎたのと、魔物が多かったことが、探索遅れの要因だった。

魔物はスケルトンが剣や盾を装備し、スケルトンナイトやスケルトンアーチャーが誕生し、火の玉はゴーストになったりした。

そして、まさかだったのが、ゾンビがゾンビリーダーの指揮の下、集団で襲って来たりしたことだ。あれには驚いた。

「それにしても浄化魔法が強すぎる件だな。まるでチート魔法だ」

そう。浄化魔法を三回も唱えれば、二十は居た魔物が、綺麗に魔石に変わったのだった。

こうして危なげなく探索を終了したわけだが、「あれって絶対ボス部屋だよな」

俺は十階層にある扉の奥に思いを馳せ、初のボス戦であることに緊張しながらもノーダメージでクリアするという目標を掲げていた。

「誰か、何が出てくるか、ヒントをくれないかな~。あ、丁度いいところにジョルドさん」

食堂に夕食を摂りにきたジョルドさんを捕まえて、俺はボス部屋のことを聞いた。

「あのボス部屋って何が出るんですか?」

「ボス部屋?なんのことだい?」

「あ~強い魔物が居そうな場所ですね」

「あ~あ。集団で襲ってくる(ゾンビ集団のこと)やつ等のことかい?」

「えっ(ボス部屋って)集団で襲ってくるんですか?」

「ああ。それにしても、もうそこまで行ったのかい? 私がそこまで行ったのは、君に祓魔師の任を引き継ぐ直前だったのに」

「そんなお世辞は良いですって。情報ありがとう御座います。これで戦略を立てられますよ」

「ん~まぁお役に立ててよかったよ」

こうして俺は勘違いをしたまま、十階層のボス部屋に突入することを決めてしまった。