軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

名付けと種族進化

「……うん、思い付かないっ!」

さんざん悩んだあげく、俺は自分の発想力のなさに諦めの境地へと至っていた。名前が、さっぱり思い付かなかったのだ。そもそもゲームとかでキャラクターに名前をつけるときは一からつけるが、今回はすでに幼名がある。

それを活かしてあげようとすると、途端になにも思い浮かばなくなるのだ。

──昔の人が、元服の時に自分の名前を一文字あげた気分がなんとなくわかる。だって考えるのが大変過ぎる。

そんな適当な感想を抱きながら、それでも何とかひねり出した名前をコントローラーを手に取り、入力していく。

ただ、カイたち三人の幼名はほとんど活かせてはいない名付けだ。

「カイは、カラドボルグ。ベルはカリヨン。ロトはフロストっと。あだむ、いぶ。すまん。二人がつけた幼名を活かせる名前は、全然思い付かなかったよ」

俺は独りごととして、画面の向こうのあだむといぶに謝っておく。

「ああっ、考えるのに時間かけすぎたっ!」

気がつけばかなり時間が経っていた。俺は名残惜しい気持ちはありつつも、夕食の支度をせねばと、そこでゲームを中断するのだった。

【sideあだむ】

偉大なる御方より賜りし武器を祀った祭壇の間。僕の目の前には、息子たちが並んでいる。

三人ともとても誇らしげだ。

──それも当然だね。創造主たる偉大なる御方より真名を授かり、成人を認められたのだ。僕も、もう彼らを子供扱いは出来ないな。

僕の隣に立ついぶは、とても真剣な眼差しで息子たちを見ていた。

いぶは、息子たちの力量を正確に把握しようとしているのだろう。

これから本格化するであろう大穴の探索。そこで起こりうる戦いで息子たちが少しでも長く生き残るように。もし死なねばならない時には、少しでも偉大なる御方の役に立つように。

それがいぶなりの母親としての愛なのだと、僕は匂いを通じて理解する。

その愛は当然息子たちも同じように理解しているのだろう。三人とも自信に満ちてはいるが気を引きしめた様子で、傲りは感じられない。

僕は、後ろに佇む一番から四番を最後に見る。四人とも、これから何が起こるのだろうと不思議そうにしていた。

「名を」

「はっ。我がうけたまわりし名は、カラドボルグ。種族はコボルドパラティンとなりました。父よ、献身を偉大なる御方へと捧げることを誓います」

「うん。カラドボルグ。七武器に手をかけることを許すよ。一つ、試しなさい」

「はっ」

僕の言葉に、一番から四番が動揺するのが伝わってくる。

しかしそんな些事を気にした様子もなく、カラドボルグは地面に刺さった武器の一つへと進み出たのだった。