軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

おい、また驚かれたんだが

一週間後。

「――以上が、アルド家を調査した結果です」

ラスタール村の冒険者ギルドにて、僕はここ数日の調査結果を報告していた。

ギルド内には、レイ、エム、カヤ、そしてギルドマスターのアルトロが集まっている。加えて、王都からBランク冒険者のユウヤも駆けつけてくれた。

極秘性を考慮して、僕たちはギルドの応接室で話し合っていた。あまり口外できるような内容じゃないからね。

「……ふむ」

僕の話を聞き終えたアルトロが、苦い顔で腕を組む。

「アルド家か。領地や奴隷への迫害のみならず、まさかアルセウス救済党と癒着しておるとはの……」

「ええ。間違いないでしょう」

この一週間で、僕は繰り返しアルド家に潜り込んだ。

いくら女神に助言されたとはいえ、いきなりアルド家を制圧するわけにはいかない。

かの領主が本当にテロリストと癒着しているのか……その真偽を確かめる必要があった。

結果、いくつかの事実が判明した。

アルセウス救済党はなにかしらの目的を遂行するため、多くの資金を必要としている。その資金源のひとつがアルド家だと結論づけた。

そしてユーフェアス・アルドは、それと引き換えに、自身の欲望を満たそうとしている。

たとえば――

「ほんと、胸くそ悪い話だよ……」

ユウヤがげんなりした表情でため息をつく。

「あのときアジトで牢屋に監禁されていた女性たち……。あれはそういうことだったのか……」

「ええ。そうと見て間違いないでしょう」

以前、僕とユウヤとでアルセウス救済党のアジトを制圧したとき、そこには多くの女性が監禁されていた。僕のメイド――メアリー・ローバルトもそのひとりだ。

「領主のユーフェアス・アルドは相当にサディスティックな性格だと思われます。夜な夜な、あまり聞きたくない女性の悲鳴が連日聞こえてきました」

「はい……」

僕の言葉に、エムがこくりと頷く。

「わ……私はユーフェアスの《好み》じゃなかったようで……その対象に選ばれることはなかったです……。で、ででででも、選ばれた女性は本当に苦しそうで、日に日に衰弱していって……うぅ……」

「エム。いいんだ。無理して思い出すことはない」

できる限り優しい声を発し、僕はエムの肩に手を置く。

「いえ、いいんです。私も、皆さんの力になれれば……」

「エム……」

「ぐず」

エムは涙を拭うと、僕たちを見渡して言った。

「……どこから来たかわかりませんが、定期的に新しい女性が連れて来られるのは見ました。それは間違いないです」

「そうか……ありがとう」

僕はエムの頭を撫でると、改めて一同を見渡した。

「……なんにせよ、アルド家の容疑はアルセウス救済党との癒着だけじゃない。過去の女性誘拐事件……その件とも関連している可能性が非常に高いです」

一瞬の沈黙。

重苦しい沈黙が続いたあと、それをAランク冒険者のカヤが破った。

「……それだけの容疑があるのであれば、充分に制圧の理由になりえるのではありませんか?」

「うむ。そうじゃの」

アルトロが瞳を閉じたまま、冒険者たちを見渡す。

「みなにお願いしたい。アルド家の制圧と、領主のユーフェアス・アルドの確保を……頼めるかの」

ギルドマスターの依頼に、この場にいる全員が頷いた。

アルセウス救済党は強敵だが、先日までの訓練で、みんな腕を上げたからな。ひとりぼっちにさえならなければ、そこまで脅威たりえないだろう。

もちろん、チートコード操作でみんなの攻撃力を高める予定でもある。

「それにしても……ほんと、アリオス様ってすごいですね」

ふとエムがそう呟いた。

「私、ずっとユーフェアスが捕まればいいと思ってたのに……でも誰もアルド家の内情に気づいてくれなくて……」

「ふむ。そうじゃの」

アルトロがこくりと頷く。

「アルド家には強固な警備が張られていると聞くが、誰もアルセウス救済党との繋がりには気づけなんだ。……ほんと、よく気づけたもんじゃわい」

「それについてはまったく同意です」

ユウヤもやや呆れ顔だ。

「さらっと言ってますけど、アルセウス救済党のいる場所に潜入するなんて、普通できませんから。連中はみんな強者ばかりです」

「……いやいや、そんな。ただの偶然ですよ」

なんかいづらくなったので、僕は必死に弁解する。

「今回も、たまたま追跡したらアルセウス救済党だったというだけの話ですし……」

「その追跡が難しいって言ってるんだよ」

ユウヤから突っ込まれた。