軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

おい、手柄は俺のじゃないのかよ?

一方その頃。ルーレ村付近では。

「はっはー!」

Bランク冒険者――ユージェス・カルアは高らかな笑い声をあげていた。

「死ねゃあオラ! はっはー!」

襲いかかるホワイトウルフたちを、剣の一太刀によって返り討ちにする。

「よっ! ユージェス様!」

「さすがです!!」

「はっはー、そんなでもねえよ?」

しつこい連携で襲ってくるホワイトウルフの群れを、ユージェスはことごとく倒していった。

おかげでそこそこの傷は負ってしまったが、善戦の甲斐あってか、ホワイトウルフの数は次第に減少。

残り数匹だ。

ここまで持ち込めばもう勝敗は決したも同然。群れていないホワイトウルフなど、低級の冒険者でも勝てる。

最後の一振りでホワイトウルフを全滅させたユージェスは、「はん!」と鼻を鳴らす。

「口ほどにもねえ。ザコどもがよ」

剣を振りながら威張るユージェスを、後輩の冒険者が持ち上げる。

「いやいや! ホワイトウルフは強敵ですよ! ユージェスさんが強すぎるんです!」

「あー。そうかなぁ。へっへっへ」

「そうですとも! あんな《外れスキル》のポンコツ剣士とは比べるまでもありません!」

「あー。あいつね。いたなぁ、そんな名前のポンコツ」

「いやー! なんたって剣聖様の息子のくせに《外れスキル》の所持者ですからね! ポンコツのなかのポンコツですよ!!」

「はっは。おめー、わかってるじゃねえか」

と。

カタッカタッカタッ……!

馬の 蹄(ひづめ) の音が響きわたり、ユージェスたちはいっせいに振り向く。

数台の馬車、そして大勢の冒険者たちだ。

「へっ、なんだ。いまさら加勢かよ」

ユージェスはドヤ顔で鼻を伸ばすと、のっそりと冒険者たちに歩み寄っていく。

「遅えよおまえら。ホワイトウルフならとっくに――」

だが、先頭に立つBランク冒険者にかけられた言葉は、ユージェスの想像だにしないものだった。

「そこをどけ! おまえなぞに用はない!!」

「え」

Bランク冒険者はユージェスを素通りし、そのはるか後方にいた人物たちに声を張る。

「いた! いたぞ! ユウヤと……アリオスだ!」

「は? え? アリオス?」

ユージェスの頭が真っ白になる。

なんで。

なんでだよ。

なんであんなポンコツの名前が出てくるんだよ。

ホワイトウルフを全滅させたのは俺だぞ。この俺様だぞ。

あんなポンコツなんざ、どうでもいいだろうが……!

「皆さん! 来てくださいましたか!!」

爽やかな声で挨拶するのは、あのポンコツ剣士――アリオス・マクバ。

「アリオス、聞いたぞ! アルセウス救済党のアジトを掴んだんだって?」

「はい。中には貴重な情報もありそうです。手分けして押収できませんか?」

「よしきた! アリオス、すげー手柄じゃねえか!! しかもとんでもない宝石を手に入れたんだって?」

「いえいえ、とんでもないです。そんなことより、一刻も早くアジトへ!」

「おう! そうだな!」

そんなやり取りの後、冒険者たちがいずこへと消えていく。さっきアリオスが走り去っていったのと同じ方向に。

「あ、あれ? 俺の手柄は……?」

そう呟くユージェスに反応する者は、誰もいない。

いや。

いやいやいや。

俺だってホワイトウルフを倒したんだぞ? 目立っていいはずだぞ?

「ま、日頃の行いのせいだな」

同級の冒険者にぼそりと耳打ちされた。