軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第530話 山積みな課題と復興

「……随分と賑やかになったな」

俺は村にいた 骨人(スケルトン) たちを倒し切ったあと、村にこれ以上外から骨人が入ってこないよう、一晩見張りをした。

その間に、リブルと村長であるジリスは村から骨人たちが一掃されたことを、この村の村民達が避難している町や村に伝えに行っていたのだが、夜が明け、昼頃にもなるとリブルとジリスが戻ってきた。

そして驚いたことにその際、戻ってきたのは彼らだけではなく、元々この村に住んでいたが、泣く泣く避難した村民達もだったのだ。

もちろん、全員が一気に戻ってきた、というわけではなく、働き手となるような若い男や、その妻などがほとんどであり、子供や老人などはいなかったが、村をこれから復興し次第、徐々に戻ってくる予定であるという。

それでもやはり、避難した先の他の町や村に居着いて戻ってこない者も出るだろう、とは村長であるジリスの言葉だったが、それでも大半はおそらく戻ってくるらしく、この村の村人達の村に対する愛着の強さが感じられる話だった。

今は俺も手伝いつつ、村を簡易的にではあるが復興させつつある。

といっても、本当に簡単なもので、村の周りを覆っている柵の壊れている部分を直したり、壊された家の崩れ落ちた壁や屋根を一カ所に集めて使えるものと使えないものに分けたりとか、その程度だが。

今日中にとりあえず戻ってきた村人達が屋根のあるところで眠れるくらいには出来そうで、一安心というところだろう。

「……それもこれもみんな、レントさんのお陰です」

一緒にどこかの家の壁の一部であっただろう板を村の中心である広場に運んでいるリブルが俺に向かってそう言った。

「仕事だからな……それにこの村の復興はこれからだろう。楽な道じゃなさそうだが、それでもこれだけの村人が戻ってきてるんだ。なんとかなりそうだな」

今のところ、村に戻ってきているのは二十人ほど、という感じだろうか。

本来は全部で八十人ほどの村だというのだから四分の一ほどしか戻ってきてはいないが、明日になればもっと増えるだろうという話だ。

流石に一日二日で全員が戻ってくるのは難しく、四分の一もの人間が昨日の今日で来たということ自体が驚きである。

ほとんどが戻ってくるだろう、というのもこれなら嘘ではないと納得できる話だ。

「幸い、家屋なんかは大きく壊れたものは少ないようですし、田畑も荒らされてなくて。十分になんとかなると思います。被害が少なかったのは、やっぱり骨人しかいなかったからでしょうか?」

「そうだろうな。狼系統の魔物なんかが主体だったら田畑は全滅していただろうし、ゴブリンとかスライムが多ければやっぱり家屋はほとんど崩されていたと思う」

こういった人間の村を襲う魔物の中でも多いのがその辺りだ。

狼系統にも色々いるが、基本的に食料を得るために人間それ自体も食われるが、田畑に実ったものも根こそぎやられる。

ゴブリン系も似たようなもので、食べ物は奪うし、それに加えて自分たちの住処を整えるために家屋を構成する素材を剥がして持って行ったりするから、占拠されれば村ごと壊滅させられることも少なくない。

スライム系にはそう言った強盗のような概念はないが、何でも溶かして食べるので、田畑どころか家も何もかも腹に収めて荒れ地にしてしまうこともある。

どれも人間にとっては天敵のような存在であり、そのため人類は彼らと戦う術を身につけて今日までやってきたわけだ。

そんな奴らよりも竜とかキマイラとかの方が危険だろう、と思うかも知れないが、そういう大物は自分の縄張りを持っていて、そういうところから滅多に出ないのが普通だ。

遙か昔から人間と住処を争い続けているのはむしろゴブリンなどのいわゆる小物達なのだった。

そしてだからこそ人類は未だに存在し続けることが出来ているわけだ。

竜やキマイラなんかが毎日のように襲いかかってきてたら人類なんて簡単に絶滅していただろうからな……。

今でこそそういう大物と戦える術も持っている人類だが、ずっと昔は当然、そうではなかったはずで、貧弱な身体能力と他の動物よりも少しだけ優れた頭脳のみでなんとか生き残ってきたに過ぎない。

人類というのは、基本的に弱い生き物だ、ということだな……。

「やっぱりそうですか……。たまに、そういう話はこの辺りでも聞くんです。そうならなかったのは、運が良かったんでしょうね」

リブルがそう言ったので、俺は答える。

「まぁ、確かにそういう意味ではそうとも言えるが……リブルはマルトで冒険者を雇うのに難儀していたし、タイミング的には運が悪かったような気もするなぁ」

「いえいえ、結局レントさんが引き受けてくださいましたし、やっぱり運が良かったんですよ。それに、こんなこと本当は手伝わなくて良いのにやってくれていますし……」

こんなこと、とはつまり村の復興の手助けだな。

確かに依頼には入っていないから、村長宅とかでふんぞり返っていればいいのかもしれない。

だが、それをしようとは思わない。

俺は言う。

「いや、これも仕事の一環だよ」

「え?」

「ここにいた骨人は確かにみんな倒したが、まだ全部終わったわけじゃないと俺は思っているからな……またここに骨人が来る可能性は高い。そのときのために村の防護は固めておくべきだ」

「……僕が初めに依頼したときより、骨人の数が増えていましたもんね……外から来たのはきっと間違いないでしょう」

「そういうことだ。となると、どこかに発生源があるのはもちろんで……そこを潰さないとな。だが、俺の身は一つしかない。俺がそれを探し回っている最中、村がまた骨人に占拠された、なんてことになったら目も当てられないからな。そうならないようにしておきたくてさ」

「そこまで気を遣っていただけるんですか……?」

「そりゃそうだろ。何のために魔物を討伐するんだ。リブルたちがここで生きていくためだろ。それなのにリブルたちが生活できなくなったら意味がない……そうならないように、頑張ろう」

「……はい!」