軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第89話 誓いの剣

2030年5月1日

ライナーとブラムの激闘から約2週間。

ブラムは戦った翌日に目を覚ました。

しかし目を覚ましてすぐにまた長い眠りについてしまった。

よほど呪いが強力だったのであろう。

次に目を覚ましたのは1週間後だった。

それでもまたすぐに眠りにつき、また少しだけ起きる。

まともに話せるようになったのは昨日の4月30日の事だった。

まず2人に話し合ってもらおうという事になった。

ただし2人きりでは怖いので俺だけ同席することになった。

2人と剣戟を結んだ仲だしね。

少しライナーとブラムで話し合った後、色々ライナーから聞いたブラムは俺に対して

「ありがとうございます。この恩は一生をかけてお返しします」

それに伴いライナーも

「俺もマルス様に仕えさせて頂きます。必ずや私はマルス様の敵を討つ剣となります!」

俺は正直この言葉を待っていたのだ。

何故かと言うとリーナの事があるからだ。

もしもリーナをこの学校に入学させるとなると俺が卒業した後の3年間はリーナを守る人が居なくなってしまう。

だがもしもこの2人が俺に 仕(・) え(・) る(・) と言ってくれれば少なくともリーナの身を守れと言えば忠実に守ってくれるであろうと思ったのだ。

ちなみにブラムのステータスはこんな感じだ。

【名前】ブラム・チェスト

【称号】-

【身分】人族・平民

【状態】良好

【年齢】32歳

【レベル】51

【HP】52/52

【MP】213/213

【筋力】21

【敏捷】31

【魔力】60

【器用】52

【耐久】12

【運】1

【固有能力】空間魔法(Lv3/G)

【特殊能力】剣術(Lv5/D)

【特殊能力】土魔法(Lv4/D)

このステータスを見て思ったのだが、レベル51にしてはかなりステータスが低い……と思う。

18年前のSクラス序列5位……これが普通なのかもしれない……そしてスキルも才能がGでもレベルが3に上がるというのは初めて知った。

結局才能はレベルの上がりやすさで上限ではないのであろう。

座学でも教えられたのだが、才能が上がることは絶対にないらしい。

だから俺とクラリスは特別なのだと思う。

特に俺は才能が上がりやすい。これは【天賦】のおかげだと思う。

一番気になるのは【固有能力】空間魔法……ブラムも転生者か……

そしてブラムから思わぬ戦利品が届く。

「マルス様、実は私の空間魔法に収納していたのですが、もしかしたら使えるかもしれないという一振りがございます」

「見せてください」

ブラムは完全に俺のことを主人として話している。

俺も別にその言葉遣いを直せとは言わない。

何故かって? 俺が主人として立ち振る舞えばブラムが自害をすることが無いと思ったからだ。正直こうやって言われるのは嫌だ。

だけどこれで命が繋ぎ止められるのであれば、これを続けなければならない。

ブラムが空間から一振りの剣を出現させる。

「おぉ……これは……凄い……」

ブラムが空間から出した剣は少し金色に発色していた。

【名前】雷鳴剣

【攻撃】24

【特殊】敏捷+1 魔力+2

【価値】B+

【詳細】

装備時、雷耐性がないと常に感電。剣に雷魔法を 付与(エンチャント) すると攻撃力があがる

ようやく俺専用と言える武器が来た! しかも相当強い!

「もしかしたらマルス様に装備できるかと思い……どうですか?」

俺はそう言われたので、雷鳴剣を手に取る。

すんなりと俺の手に収まり、俺を装備者と認めてくれたのか一瞬金色の光を放ってから発色が止まった。

「ブラム。ありがとう。これこそ僕が探し求めていた剣だよ」

ブラムも俺が装備出来た事を喜んでくれた。

どうやらライナーが持つと感電してしまい、捨てようかと思ったが、とてもよい貴重な一振りだと思いずっと空間に収納していたらしい。

これで俺もB級冒険者中位〜上位クラスになれたかもしれない。

【名前】マルス・ブライアント

【称号】雷神/風王/ゴブリン虐殺者/

【身分】人族・ブライアント伯爵家次男

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】20

【HP】56/56

【MP】7622/7622

【筋力】53

【敏捷】54

【魔力】71

【器用】53

【耐久】50

【運】30

【固有能力】天賦(LvMAX)

【固有能力】天眼(Lv9)

【固有能力】雷魔法(Lv7/S)

【特殊能力】剣術(Lv8/A)

【特殊能力】火魔法(Lv3/E)

【特殊能力】水魔法(Lv2/G)

【特殊能力】土魔法(Lv3/E)

【特殊能力】風魔法(Lv9/A)

【特殊能力】神聖魔法(Lv6/B)

【装備】雷鳴剣

【装備】 火精霊の剣(サラマンダーソード)

【装備】偽装の腕輪

レベルが上がっていないのにステータスが上がっていた。

まぁ魔物や人を倒していないからレベルが上がるはずないんだけどね。

ステータスオール50を超え、雷魔法と神聖魔法もレベルが上がっていた。

剣術レベルが上がっていると思ったが、上がっていなかった。

まぁ風魔法のレベルが8から9になる時とても時間が掛かっていたから、剣術もそんな簡単に上がらないか……

「よし、それでは行こうか」

俺が2人にそう言うと2人とも頷いて俺の後をついてきた。

俺たち3人はリーガン公爵のいる校長室に向かい、扉をノックしてから入ると、リーガン公爵とサーシャがおり、リーガン公爵の目にはもう涙が溢れている。

リーガン公爵はライナーとブラムを見ると涙ながらに

「無事でよかった。そして辛い思いをさせてごめんなさい」

俺たちに頭を下げた。

最近リーガン公爵は泣いてばっかりだ……

「それでは、3人でお話をしてください」

「マルス君もいていいのですよ」

リーガン公爵はそう言ってくれたが、3人で積もる話もあるだろう。

俺はあとでヨーゼフとヨハンの事を聞ければそれでいいのだ。

事前にライナーとブラムの処遇はリーガン公爵から聞いている。

当然? ライナーとブラムに寄り添った処遇だった。

あと俺には最優先でやらなければならない事もある。

「いえ、また後でお話させて頂ければと思います」

俺はそう言って校長室を出て、隠し通路のあるエルフ像の所に向かった。

なぜここに来たかと言うと隠し通路を生徒会副会長の眼鏡っ子先輩を中心に土魔法で潰しているのだ。

この隠し通路があるとリスター帝国学校が危険という事で道を塞ぐ事にしたのだ。

だけど俺は土魔法が使えないことになっている。

だから俺はこの座学の授業中にこっそりここを埋めようとしているのである。

MP枯渇寸前まで土魔法を使い、俺は隠し通路の近くの芝生で横になっている。

サボっているわけではないよ? ちょっとMP使い過ぎて休んでいるだけだよ?

俺が仰向けになっていると、俺の頭の方から人がやってきた。

俺は目に飛び込んできた色を言ってしまった。

「……白い……」

スカートの中身が見えてしまったので、無意識に言ってしまったのだ。

その白いパンツの女性は俺の近くにしゃがむ……座ればいいのにそのしゃがみ方は……わざと見せているでしょ?

「婚約者が4人もいるのに、まだ足りてないの?」

その女性……生徒会副会長の眼鏡っ子先輩は俺の視線の先を確認すると揶揄いながら言ってきた。

「ご、ごめんなさい。眼鏡っ子先輩。見えてしまったからつい。悪気はなかったのです」

「眼鏡っ子先輩? 私の事をいつもそう呼んでいるの?」

眼鏡っ子先輩は不審そうな顔で俺を見つめている。

動揺してしまってつい心でいつも呼んでいた愛称が出てしまった。

「は、はい……その赤い縁の眼鏡が似合うなぁと思っていまして」

開き直って正直に言うと眼鏡っ子先輩は大きく笑って

「マルス君って眼鏡フェチなのね。この事を知ったらこの学校の女生徒のほとんどが眼鏡をかけるようになるわよ」

笑いながら俺の背中をたたいてくる。

いやさ、このくらいの年になると少しボディタッチされただけでも気になってしまうわけで……

「少し聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

眼鏡っ子先輩は急に真面目な雰囲気で聞いてくる。

「ええ。僕で分かれば」

「マルス君はここで何をしていたの? いえ、ここで寝っ転がっている前は何をしていたの?」

「ちょっと隠し通路が気になってしまって……眼鏡っ子先輩たちがここで作業しているときに来ると邪魔かなと思い、こっそり進捗状況を確認しに来ちゃいました。やはりここが繋がっていると、僕自身も怖いですから……それがどうかしましたか?」

「最近、たまに進捗状況がおかしい時があるのよ。こんなに進んでいないはずなのに、どうしてかなぁって思って」

眼鏡っ子先輩が俺の顔を覗き込んでくる……もしかして疑われているのか?

「僕は初めて来たから進捗状況とか分かりませんが、眼鏡っ子先輩がしっかり管理されているようでもうあと1か月も経たないうちに完成しそうですよね」

通路としてはもう完全に使えない。

後はしっかり塞ぐのは気持ちの問題だ。

「私の見立てではあと1か月半かかると思っていたんだけど……まぁいいわ。それより本題に入るわね。今度私たち【紅蓮】と模擬戦してもらえないかしら?」

「模擬戦ですか? どうしてですか?」

「この前アイクが言っていたでしょ? 【紅蓮】全員でもマルス君1人に勝てないって。ちょっとそれを確かめたくて。子供と思われるかもしれないけど少し悔しくて」

俺がうーんと迷っていると眼鏡っ子先輩がとんでもない事を言ってきた。

「私のパンツを見ていたこと4人にバラされたい?」

「はい。模擬戦させて頂きます」

あれは事故です……というかこの為に見せたのか?

「じゃあ私たちの指名クエストが終わってからでいいかしら? 恐らく6月以降になると思うわ。ちゃんと決まったらまた教えるわね」

そう言ってメガネっ子先輩は俺のもとから去っていった。

あれ? 眼鏡っ子先輩授業は?

俺も眼鏡っ子先輩の姿が完全に見えなくなってから教室に戻った。

教室に戻るともう午前中の座学の授業がちょうど終わりを迎えるところだった。

昼食を食べた後の魔法の授業の時にリーガン公爵とブラムが一緒に来た。

どうやらブラムもSクラスの副担任になったらしい。

そして魔法と武術の両方を教えてくれるという。

正直カレンやミネルバにライナーの武術は合わない。

教え方はうまいのだが、ライナーの武術は敵を倒す技だ。

カレンとミネルバにとって武術は敵の攻撃を躱すのが一番だからライナーに教えてもらうよりも実戦的なのだ。

そしてドミニクにとっては逆だ。

魔法は使えるに越したことは無いが、あくまでも自分の剣を最大限に生かすために魔法を使っている。

魔法で敵を倒すスタイルではないので、やはりブラムの剣を使う上での魔法の使い方を習得したほうが実戦的だ。

あっという間に魔法の授業が過ぎ、次は武術の時間となった。

ライナーが教室にやってきて、ブラムと一緒に並ぶ。

ライナーの顔は今までにないくらい清々しかった。

「今日から、ブラム先生と一緒に授業を行う。君たちを今まで以上に厳しく指導するからそのつもりで!」

いきなりライナーのスパルタ宣言から始まった授業はまさに地獄だった。

ただライナーはとても生き生きしているように見えた、

ライナーがこの学校に来て初めて見せる顔だった。

ライナーとブラムの目から汗が流れていた。