軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第494話 見下す悪魔

「う、嘘だろ……? 金獅子のエリーは分かるが、後衛のクラリスまでも接近戦でグレーターデーモンを討ち取っただと!?」

女性陣の成長はとどまることを知らず、ついにはクラリスが接近戦でグレーターデーモンを倒せるまでになった。

筋力、敏捷値は同じくらいだが、剣を振りながら水魔法が唱えられることが決定打となったのだ。

ちなみに先ほどエリーもグレーターデーモンと戦ったのだが、こちらは完封勝利。

ここで勘違いしてほしくはないのだが、あくまでも1対1で戦った場合だ。

グレーターデーモンの脅威度が高いのはデーモンを召喚できるから。

いくらクラリスやエリーとはいえ、グレーターデーモン1体、デーモン5体、レッサーデーモン25体と戦って勝てるとは限らない。

まぁクラリスは 魔法の弓矢(マジックアロー) を逃げながら射ったり、ホーリーでグレーターデーモンを消滅させれば勝てるかもしれないが。

「ねぇ? クラリスとエリリンもグレーターデーモンを倒せるようになったんだったらもう少し先に進んでみようよ?」

デーモンと戦いながら、クラリスの戦闘を見る余裕が生まれたミーシャにアリスも続く。

「私も賛成です!」

ずっとここでレベル上げをしていたいというのが本音だが、そうはいかない。

リスター祭までには帰らないといけないし、リーガンまではバルクス王と行動を共にする。

当然、神聖魔法を馬に唱えて超特急で帰るというわけにはいかないのだ。

「そうだな。でもこの先にはグレーターデーモンを召喚した奴がいるかもしれないから気を引き締めてくれ」

俺とエリーを先頭に次の部屋を目指す。

次の部屋までの通路は長く、道中で先ほどまで俺たちがいた部屋を目指すグレーターデーモンと遭遇したが、そこはホーリーで事なきを得た。

そして次の部屋。

そこにはやはり布陣したデーモンたちの姿が。

「みんな、突入する前に俺の考察を聞いてくれ。今あそこに布陣しているグレーターデーモンは先ほどまで俺たちがいた部屋を目指していない。俺は布陣しているグレーターデーモンとは別に先ほどの部屋を目指すグレーターデーモンがいると考えている。いつでもグレーターデーモンの増援が来てもいいように!」

皆も薄々そう思っていたのか、大きく取り乱す者はいなかった。

「よし! 行くぞ!」

俺の号令と共に部屋になだれ込む。

布陣されていると最初だけ辛いが、デーモンたちを倒してしまえばあとは召喚されたところを倒せばいいだけ。

いつものパターンに持ち込むと俺は戦闘から離れ、次のグレーターデーモンに備える。

が、予想外にもいつまで経ってもグレーターデーモンは来なかった。

「来なかったわね……私も来るものとばかり思っていたけど……」

戦闘を終えたクラリスが、次の部屋に通じる通路を見ながら俺の隣に立つ。

「ああ。先ほどの部屋とこの部屋を目指して2体のグレーターデーモンが来てもおかしくないのだが……」

俺たちの考えすぎか?

しかし、いつまで来ないグレーターデーモンを待っていても仕方ない。

「取り敢えず先に進もう。みんな警戒を怠らないでくれ」

俺とエリー、そしてスキャルにも先頭に加わってもらい7層を歩く。

次の部屋にはグレーターデーモンの姿はなく、それはその先の部屋もだった。

「もしかしたらグレーターデーモンを倒しきったんじゃないか? もう少しで7層の中間地点だぞ?」

「そうかもしれませんね。でもこの7層だけはしっかりとすべての部屋を……」

と、次の部屋を目指しているときだった。

「……待って……! 次の部屋……1体……!」

エリーが足を止める。

1体だと!? 本当に? と聞こうともしたが、エリーの言うことに間違いはない。

「グレーターデーモンよりも強そうか?」

「……たぶん……」

「そうか。クラリス、ホーリーを撃つ準備を」

後方にいたクラリスを呼び、俺、クラリス、エリー、スキャルの4人を先頭に警戒しながら歩く。

部屋の中が見えるところまで来たところでバレないように部屋を覗くと、部屋の奥には玉座に腰を掛けたデーモンの姿が。

「こんなところに玉座!? 今までなかったが!? それにあのデーモン、見るだけでヤバいって伝わってくる!」

どういうことだ? 玉座はもともとここにはなかったのか?

「とにかく一発で仕留める。行くぞ、クラリス」

部屋に入りすぐにホーリーを唱える俺とクラリス。

床に魔法陣が描かれ、光の柱が垂直に伸びる。

葬った!

と思ったが、 未来視(ビジョン) は予想外の光景を視せる。

「みんな! 上だ! こいつ空を飛ぶぞ!」

光の柱をすり抜けてきた紫色の肌をした奴は、漆黒の翼を羽搏かせ、右手には剣を構え空中から俺たちを見下していた。

【名前】-

【称号】-

【種族】アークデーモン

【脅威】S-

【状態】良好

【年齢】1歳

【レベル】12

【HP】286/286

【MP】784/784

【筋力】138

【敏捷】140

【魔力】155

【器用】152

【耐久】128

【運】0

【特殊能力】剣術(Lv9/B)

【特殊能力】火魔法(Lv9/B)

【特殊能力】水魔法(Lv7/C)

【特殊能力】土魔法(Lv8/C)

【特殊能力】MP回復促進(Lv5/D)

【特殊能力】魔物召喚(Lv9/A)

【詳細】神聖魔法に弱い

ステータスを皆に伝えると、

「ば、化物だ……勝てるわけがない……」

絶望に伏すスキャル。

「これは……いくら何でも……ホーリーが直撃すればまだしも……どうやって逃げるかを考えましょう」

クラリスもたじろぎ、エリーの表情も険しい。

カレンやミーシャ、アリス、姫も表情を強張らせ、ハチマルに関しては完全に委縮してしまっている。

確かに強敵。

容易には勝てないだろう。

しかし、俺の認識は皆と違った。

勝てない相手ではない。

少なくともウリゴール……ディクソン辺境伯よりかは数段格下。

そう思いながら、滞空しているアークデーモンを見上げていた。