軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第330話 リムルガルド城 騎士の間

後方を警戒しながら騎士の間に入ると、10体のオーガ、8体のオーガソーサラー、2体のオーガバトラーが俺たちを待ち構えていた。

騎士の間自体はそれほど広くはなく、横20m、縦15m程度の部屋で、部屋の左右と正面に扉があった。

「スザク様! クラリスを背にして後方の警戒もお願いします! クラリスとエリーで奥のオーガソーサラーを抑えてくれ! ビャッコ様とアイク兄、そして僕の3人で正面突破します!」

俺の指示はオーガにも聞こえている。言葉を理解できるオーガたちは対応しようとするのだが、もう去年とはステータスもスキルも人数も経験も違う。

さすがにオーガソーサラーの土魔法は警戒が必要だが、そのためにエリーがオーガソーサラーの間を駆けまわり、クラリスの 魔法の弓矢(マジックアロー) も襲い掛かる。

もうエリーがオーガソーサラーの間を駆け抜けるのは安心して見ていられるようになった。あれからエリーもレベルが上がっているしな。

【名前】エリー・レオ

【称号】-

【身分】獣人族(獅子族)・レオ準女爵家当主

【状態】良好

【年齢】11歳

【レベル】46(+1)

【HP】142/142

【MP】108/120

【筋力】94(+2)

【敏捷】118(+2)

【魔力】26

【器用】35(+1)

【耐久】76(+2)

【運】10

【固有能力】音魔法(Lv2/C)

【特殊能力】体術(Lv8/B)

【特殊能力】短剣術(Lv8/C)

【特殊能力】風魔法(Lv3/G)

【装備】カルンウェナン

【装備】ミスリル銀の短剣

【装備】 風の短剣(シルフダガー)

【装備】 戦乙女軽鎧(ヴァルキリーアーマー)

【装備】風のマント

【装備】風のブーツ

【装備】雷のアミュレット

【装備】偽装の腕輪

オーガソーサラーの援護がないオーガにそれほどの脅威はない。 土壁(アースウォール) で視界を遮られるのと 石弾(ストーンバレット) に注意するくらいだ。 石槍(ストーンスピア) は発現が遅いから、そうそう食らう事はないからな。

アイクのアズライグの刺突も強烈だ。 土壁(アースウォール) ごとオーガを突き刺す勢いだ。

そして何よりビャッコの気合の入り方が凄い。火喰い狼、獄炎狼でいいところがなかったビャッコが名誉挽回とばかりにオーガをアダマンクローで斬り刻む。オーガの武器が打撃系の武器という事も相性がいい理由の1つだ。頭や急所を殴られない限りは心配する必要はない。

10分もしないうちにオーガ20体を倒しきると、

「マルス、このまま戦闘の指揮を頼む。俺は進路や撤退の指示だけに専念する。20体ものオーガ相手だったにも関わらず、5人だけで倒してしまうとは……俺が指揮をしていたら間違いなく不必要なMPを消費していたな」

「出しゃばったマネをして申し訳ございませんでした。次のカイザーヴァーミリオンに備えてスザク様にはMPの回復に努めて頂こうかと思いまして……あと宝箱が2つポップしたのですが……」

スザクは宝箱がポップしたのに気づいていなかったらしく

「な、なんと!? 宝箱だと!? それに2つ同時にポップするなんて初めてなのだが……」

スザクが宝箱を見て興奮しながら話すとビャッコも生唾を飲み込む。こんなに興奮しているのだ。さすがに俺たちのルールを適用する事もないよな。

「ではスザク様、宝箱を開けてください。罠はないようですので」

興奮するスザクに俺が言うと

「い、いいのか……この部屋では何もしてないが? それにマルスたちはいつもどのようにしているのだ?」

「僕たちの場合はいつも僕が開けております。僕が開けるといい品が出てくるので……ですが今回はスザク様が……」

「いや、俺が開けたい気持ちは強いがマルスが開けてくれ。せっかくの宝箱だ。俺が開けて変なものが出たら立ち直れないかもしれない」

カレンも言っていたがやはり宝箱は滅多にお目にかかれるものではないのか……そう考えるとジークやマリアも相当な運の持ち主だよな……実際運の値は高いのだが。

「では僕が開けさせて頂きます。変なものが出ても責任はとれませんから、そこはお願いしますね」

俺の言葉にスザクが黙って頷くと、宝箱を開ける。そしてそれを取り出すと思わずスザクの顔が綻んだ。

【名前】獄炎のネックレス

【攻撃】-

【特殊】-

【価値】B+

【詳細】火属性攻撃UP、火属性耐性UP、火属性魔法消費MP軽減、微疲労回復。

赤い宝石の周りに装飾が施されたネックレスだった。性能としては前にアイクが眼鏡っ子先輩にあげた豊穣のネックレスの火属性バージョンだ。

「どうぞ、スザク様。このネックレスの効果はというと……」

獄炎のネックレスをスザクに渡して説明すると

「これは、素晴らしい……いいのか俺が?」

今度は俺がスザクの質問に黙って頷く。本当はカレンに渡したかったのだがこの状況でそんなことは言えないからな。スザクは嬉しそうに早速装備すると

「もう1つのほうも早く開けてくれ」

スザクに急かされてもう1つの方も開けると

【名前】氷雪のネックレス

【攻撃】-

【特殊】-

【価値】B+

【詳細】水属性攻撃UP、水属性耐性UP、水属性魔法消費MP軽減、微疲労回復。

今度は水属性バージョンだ。

「スザク様……これは……」

俺がそこまで言うとスザクが

「鑑定が出来ない俺でも分かる。俺が持っていても仕方ないものだ。マルスの好きにするといい」

「ありがとうございます!」

当然これはクラリスにだな。すぐにクラリスの下に行き、フローラルのようないい匂いのする銀色の髪の毛をかきあげ、白くて細い首に氷雪のネックレスをかけるとクラリスは大いに喜んでくれた。

そしてこれに喜んだのは俺とクラリスだけはなかった。

「……良かった……私だけ……首のアクセサリー貰ってた……これで一緒……」

エリーがそう言いながらクラリスに近づくと、クラリスも手を広げて2人で抱き合いながら喜ぶ。エリーに雷のアミュレットを渡したとき相当遠慮していたからな。

美女2人の抱擁ってずっと見ていられるよな。それは俺だけではなくスザクとビャッコも同じようだ。アイクだけは周囲に飾られた鎧などを観察している。

当然俺もこの部屋に入った時に鎧は鑑定した。大体こういうのって鎧がさまよったりするものだからな。さまよう鎧……どこかで聞いた気がするのだが……気のせいか。

「よし、もうそろそろ行くか。もしマルスとクラリスが良ければこの部屋をしっかりと調べた後、右の扉から出て、礼拝堂を目指そうと思う。余裕があれば東側の地下にある宝物庫にも寄ろうと思っている」

宝物庫! なんといい響き! だがなんで俺とクラリスが良ければなのだ? みんな行きたいに決まっていると思うのだが……

スザクの次の言葉でどうしてかが分かり、エリーと抱き合っていたクラリスの表情が恐怖へと変わる。

「ただ、礼拝堂には迷宮化する前からスケルトンが出現していたという話だ。リッチまで出現したという話もある。その為、バルクス、ザルカムの両国の戦争中も礼拝堂には近づけなかったらしいので、当然礼拝堂からつながる宝物庫も手つかずだろう。おそらくオーガたちもリッチに対しては攻撃手段を持っていないはずだから、本当にリッチがいたのであれば未だに健在であろう。どうだ? 行ってみる気はあるか?」

スケルトン、リッチという言葉を聞きクラリスは当然行きたく無さそうだが、この状況では声を大きくしては言えないと思う。このメンバーに言われることは絶対にないが、自分の装備だけ取ったら満足なのか? と聞かれるのが怖いからな。

「クラリス、みんな一緒だ。行ってみないか? どうしても怖かったら逃げればいいじゃないか。それに……」

クラリスの耳元で囁くと

「わ、わかってるわよ……行きます……でも絶対約束だからね! 私から手を離しちゃダメなんだからね!」

目に少し涙を溜め、顔を真っ赤にし、少しヤケになりながらクラリスが大きな声で言うとスザクが苦笑いをしながら

「よし、じゃあ行こう。マルス、クラリスを頼んだぞ。どう考えてもリッチ相手にはクラリスの力も必要だからな」

俺とクラリスの2人を見ながら言うと、アイクとビャッコが礼拝堂へ向かう扉を開けて騎士の間を後にした。