軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第325話 溢れる才能

2032年1月25日3時

「ブリザード!」

無数の氷の刃を伴った竜巻が俺の目の前に発現する。ミックが西に行った後も、色々な事を試している。今発現させた混合魔法のブリザードは以前1人で発現させることが出来ず、死の森でクラリスとミーシャの3人で発現させていた魔法だが、何度も失敗を繰り返し、今1人で発現させることが出来るようになった。

もっと早くこの魔法が使えるようになっていれば、獄炎狼相手にそこまで苦戦は……していたか……さすがにラブエールを唱えながらブリザードは無理だろうからな。だが攻撃のバリエーションは増えていたことは事実だ。

「フレア!」

フレアは全く発現する気配がない。しかしこれも絶対に今の俺であれば発現できるはずなのだ。なにせアイクも火魔法レベル5でフレアを唱えていたからな。まぁあの時のフレアが完全なフレアだったかと言えば疑問かもしれないが、それでもフレアはフレアだ。

「結局フレアは無理だったか……明日も頑張ろう」

砦に戻り風呂場で思わず独り言を呟く。結局フレア『は』失敗に終わった。だが今回獄炎狼を倒し、レベルが上がったことで俺に変化が起きた。

【名前】マルス・ブライアント

【称号】雷神/剣王/風王/聖者/ゴブリン虐殺者

【身分】人族・ブライアント伯爵家次男

【状態】良好

【年齢】12歳

【レベル】49(+1)

【HP】142/142

【MP】6872/8350

【筋力】121(+2)

【敏捷】117(+2)

【魔力】136(+3)

【器用】113(+2)

【耐久】118(+2)

【運】30

【固有能力】天賦(LvMAX)

【固有能力】天眼(Lv10)

【固有能力】雷魔法(Lv10/S)

【特殊能力】剣術(Lv10/A)

【特殊能力】棒術(Lv1/G)(New)

【特殊能力】鎖術(Lv1/G)(New)

【特殊能力】火魔法(Lv5/D)

【特殊能力】水魔法(Lv6/C)

【特殊能力】土魔法(Lv8/B)

【特殊能力】風魔法(Lv10/A)

【特殊能力】神聖魔法(Lv8/A)

【装備】雷鳴剣

【装備】鳴神の法衣

【装備】偽装の腕輪

【装備】守護の指輪

【装備】守護の指輪

ついに鎖術を覚えたのだ。そしてなぜか1度しか魔弾を撃っていないにもかかわらず棒術が……もしかしたら俺は棒術の才能、レベルが上がりやすいというのがあるのかもしれない。なぁ相『棒』? お前もそう思うだろう?

風呂から上がり、本当はクラリスたちの寝顔を見ながら鎖を弄りたかったのだが、さすがに鎖術の練習をしながらだとジャラジャラうるさいので、やむを得ず1階で練習していると俺の願いが通じたのか

「おはよう、マルス。疲れていたみたいでかなり眠ってしまったわ」

クラリスが降りてきた。そして後からエリー、ミーシャ、アリス、そしてハチマルを連れてカレンも降りてくるとさっきまで辛気臭かった部屋が一気に華やかになり、騒がしくなる。

「マルス、昨日疲れていたみたいだから言わなかったけど、一部の火喰い狼がハチマルの纏火状態の姿を見ると狂乱状態で逃げていくのよ。もしかしたらハチマルは何かあるかもしれないわね」

カレンがハチマルの頭を撫でながら俺に報告する。

恐らく火喰い狼は火を纏うものにトラウマがあるのかもしれない。ボス部屋で火を纏った状態の獄炎狼が居た時は狂乱状態でボス部屋の壁に体当たりしていたからな。仲間が何もできずに燃やされたのを見て怖いのかもしれない。火を纏っていない獄炎狼の時は狂乱状態ではなかったしな。

獄炎狼が居ない今となってはもう分からないが……

その後もミーシャを中心に話が盛り上がるが、1人だけずっとニコニコしていて話に参加しない者がいた。

「アリス、さっきからどうした? 何かいいことあったのか?」

俺がアリスに聞くとアリスはびっくりしたようで

「はい! でもなんで分かったんですか?」

いや、あれだけニコニコしていれば分かるだろ……とは言わなかった。

「なんとなく雰囲気が黄色な感じだったから」

俺の答えに満足したのが、満面の笑みを浮かべて

「突然ですが先輩! プレゼントがあります! 目を瞑って両手を出してください!」

あまりにも嬉しそうだったので何も言わず素直にアリスのリクエストに応えると俺の手に最近よく感じる手触りが『ジャラ』という音と共に伝わってきた。

「先輩! 目を開けてください!」

アリスに言われて目を開けると俺の手のひらには予想どおりの物が置かれていた。

「アリス? どうしたんだこれは?」

俺がそれを持つとアリスが

「昨日先輩たちがボス部屋に潜った時に街の中を警戒していたら、廃墟に宝箱があったので開けたらそれが入ってました! 先輩は最近ずっと練習していたようなので気に入ってくれるかなって! ちょうど 水精霊の剣(ウィンディーネソード) が消滅してしまったと聞いたので、左手にどうかなって!

最初ミネルバ先輩に渡そうとしたのですが、それだとバロン先輩が喜ぶだけだから、まずは先輩に言ったほうが良いってカレン先輩とサーシャ先生が仰ったので……だからバロン先輩とミネルバ先輩には私から貰ったという事は内緒にして欲しいのですが……」

なんと! そんなことがあったのか! 確かにこれはバロンが求めている刺激を得られるだろう……でもこれはスザクに報告しないといけない案件では? そう思ってカレンの方を見ると

「マルス、これは私たち【黎明】とサーシャ先生しか知らないわ。だから安心して。それにあとで私がスザクお兄様にしっかりと説明するから大丈夫よ」

まぁカレンが言ってくれるのであれば安心だ。なんせスザクはカレンには甘いからな。

「分かった。ありがとう、アリス、みんな。正直俺も 水精霊の剣(ウィンディーネソード) が無くなってしまって色々な武器を試していたんだ。とても嬉しい」

アリスのおでこにキスをし、改めてこの赤い鎖を鑑定する。

【名前】 火精霊の鎖(サラマンダーチェーン)

【攻撃】8

【特殊】魔力+2

【価値】B

【詳細】ミスリル銀で作られた鎖。鎖に火魔法を 付与(エンチャント) すると熱を伝導できる。

間違いなくこれをミネルバに渡すとバロンは大喜びする装備だろう。普通の鎖でも熱を伝導できるが恐らくこれは少ないMPでそれ以上に熱を加えることが出来るという事だろう。早速 火精霊の鎖(サラマンダーチェーン) をジャラジャラし始めるとスザクがある物を持って降りてきた。

「「「おはようございます! スザク様!」」」

「おはようございます、お兄様」

椅子からすぐに立ち挨拶をする。

「おはようみんな。早いんだな」

爽やかに挨拶を返してくれる。するとすぐにカレンが仕掛けた。

「お兄様、昨日アリスが鎖の武器を見つけたそうです。マルスがそれを使って訓練したいというのですが、よろしいでしょうか?」

ド直球にスザクに聞くと

「ああ、構わない。鎖の使い手は居ないから、いつもイザーク辺境伯に渡しているくらいだからな」

どんな鎖かも確認せずに2つ返事で了承してくれた。可愛い妹を持つ兄というのはみんなこんなものなのだろう。

「「ありがとうございます」」

俺とカレンが同時に頭を下げると、スザクが女性陣に聞いてくる。

「もうみんなはマルスからミックの件は聞いたか?」

あ……女子たち、主にミーシャのマシンガントークに圧倒されて言うのを忘れていた。当然みんなは首を傾げる。

「その様子では知らないようだな。ミックは西リムルガルドに戻った。そして俺にある物を託していったのだが……マルス、ミックから 双竜棒(ダブルドラゴン) を受け取ったか?」

女性陣はびっくりした様子で俺の方を見る。どっちだ? ミックの事を言わなかった事か? それとも 双竜棒(ダブルドラゴン) の事か?

「いえ、譲るとは言われましたが、今の僕には扱いきれないので嬉しいお言葉だったのですが……」

俺がそこまで言うとスザクが笑い出し

「はっはっは! 双竜棒(ダブルドラゴン) の凄さを知って本当に断る者がいるなんて、しかも自分の武器が消失しているにかかわらずだ! これはミックに1本取られたな!」

そう言いながらスザクは俺に1本の青……いや水色の棒を渡してきた。

「これはミックからだ。もし 双竜棒(ダブルドラゴン) をマルスが受け取らなかったら渡してくれと言われてな。俺は絶対に受け取るからいらないと言ったのだがどうやらミックの方がマルスの事を分かっていたみたいだな。謙虚にもほどがあるぞ!?

そこまで価値がある物ではないから壊してもらっても構わないとの事だ。もしも棒術に興味があるのであればこれで練習してみろとの事だ。使わなくても返す必要はないとの事だ。もしかしたら同じものを何本か持っているのかもな」

スザクから渡されたものを鑑定すると

【名前】アクアロッド

【攻撃】5

【特殊】魔力+1

【価値】C

【詳細】水魔法をエンチャントすると先端から水が出る。水圧は自身の魔力に比例し、調整できる。

価値がないって言ってもCか。感覚が狂っていないか? ロッドと聞くと杖のイメージがあるのは俺だけだろうか? それにこれはリーガン公爵が大喜びしそうなものだよな。普通に魔法で水を出すよりも多く水が出るのであれば、今年のリスター祭の聖水は物凄い売り上げになりそうだ。

「ありがとうございます。それではこちらを使わせて頂きます!」

「うむ。それとミックから念のためにと言われている事がある。アクアロッドをリムルガルド城に持っていくことは避けた方がいいとの事だ。まぁ言われなくても分かると思うが、付け焼刃が通じるほど甘いところではないからな」

「はい! もちろんです!」

さすがに俺もアクアロッドを持っていくつもりはない。 火精霊の鎖(サラマンダーチェーン) と違い荷物にもなるからな。

「しかしマルスよ、 水精霊の剣(ウィンディーネソード) が無くなってしまうとマルスの攻撃力が下がるわけだがどうする? 西リムルガルドに戻れば剣を用意できるが?」

「ライナー先生に剣を借りようと思います。 水精霊の剣(ウィンディーネソード) ほどではないですが、いい武器だと思うので」

俺の言葉にスザクが安心したようで

「そうか。クラリスとの範囲回復魔法だけではなく、マルスの二刀流にもかなり依存している部分があるからな。もしリムルガルド城でいい剣……いやマルスが望むものがあれば、マルスに譲る事を約束する。だからもうひと踏ん張り頼むぞ」

「はい!」

スザクの言葉に力強く返事をしながら頷くと、スザクも満足したようだ。

スザクとの会話を終えるとちょうどアイクと眼鏡っ子先輩が下りてきて、みんなが起きるまでスザクを除くメンバーで訓練の為再び砦の外に出た。