軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第314話 リムルガルド城下町突入前夜

2032年1月22日20時

「ハチマルもなかなか強いな。しかもHPの回復がカレンの火魔法でいいというのも特筆すべき点だな。神聖魔法でも回復することが分かったしな」

「はい。それにハチマルは私の思考を読み取ってくれるのでいちいち指示を出さなくてもある程度は私の思い通りに行動してくれるのもいいところです。たまにそうじゃないという時もありますが、それはこれからもっとコミュニケーションを取っていければ改善すると思っております」

スザクがハチマルの強さを褒めるとカレンが嬉しそうに答える。

今は砦に戻って、ライナー、ブラム、ブラッド、コディ、そしてクロムを除くみんなで食事をとっている。

「私にもハチマルみたいな優秀な子が欲しいわね。どこかにいないかしら?」

眼鏡っ子先輩が俺の方を見ながら言ってくる。俺にペットになれという事か? 眼鏡っ子先輩のペットになりたいという者は掃いて捨てるほどいると思うが、なぜか俺の頭にはガルが思い浮かんだ。

「……ハチマル……代わりいない……いい子……」

エリーがハチマルを撫でながら眼鏡っ子先輩の言葉に答える。正直エリーがハチマルを受け入れた時は驚いた。ハチマルがエリーの匂いを確かめようとスカートの中に潜った時、エリーがそれを受け入れたのだ。ブライアント家の将来有望のカインの時のように激しく拒否をすると思ったのだが、クラリスと一緒にエリーも相当ハチマルを可愛がっている。クラリスとエリーがここまで温かく迎えたこともハチマルが【暁】に早く馴染んだ大きな要因だと思う。

「そうよねぇ……今日だけでも相当強くなっていたみたいだし。マルス、ハチマルの正確なステータスを教えて?」

眼鏡っ子先輩のリクエストに応えて鑑定してみんなに教える。

【名前】ハチマル

【称号】-

【種族】火喰い賢狼

【脅威】-

【状態】従魔(主人:カレン)

【年齢】1歳

【レベル】5(+4)

【HP】50/50

【MP】50/50

【筋力】16(+4)

【敏捷】62(+6)

【魔力】15

【器用】52(+2)

【耐久】14(+4)

【運】10

【特殊能力】火魔法(Lv0/B)

【詳細】火耐性。人間の言葉を少し理解できる。

レベルが低くてB-の魔物を倒していたからもっとレベルが上がるかと思ったがそうはならなかった。またカレンが火魔法を使えと命令しても発現させることが出来なかった。まぁこの辺は気長にやっていくしかない。俺の雷魔法のように何かトリガーがないと発現しない類かもしれないからな。

あとみんなが疑問に思っているかもしれない事を説明しておくと、カレンにはハチマルのHPが減っていない時に火魔法を食べさせないようにと言ってある。

恐らく賢狼からも進化すると思うのだが、むやみやたらに火魔法を食べさせて体格が大きくなると、息をするだけで勝手に口から火が漏れてしまうかもしれないからな。

ハチマルの事をみんなで褒めてしばらくするとミーシャが

「あとアリスも万全のクロムっちに勝ったのは凄かったね! これは今日アリスがマルスのご褒美をもらわないとね!」

「ミーシャ先輩ありがとうございます! クロムは魔法を本気で撃ってこなかったから勝てたという事もありますので、やはり水魔法を早く覚えないとダメですね!」

ライナーたちが南門に着いた時にアリスとクロムの模擬戦だけしたのだが、今アリスが言ったようにクロムは魔法をあまり使わなかったのだ。ステータスが上がったから単純に近距離でも勝てると思ったのかもしれないが、恐らくそうじゃないと思う。戦い終わった後のクロムの表情も悔しいというよりかは、手ごたえをつかんだという表情だったような気がする。

ひとしきり雑談が続き、女性陣のマシンガントークが落ち着いてきた頃に

「さて、それでは明日突入するパーティを2つ発表する!

まずはスザク班、俺、ビャッコ、ミック、レッカ、そしてサーシャだ。

マルス班はマルス、クラリス、エリー、カレン、ミーシャ。

マルスとクラリスは常に近くに居て範囲回復魔法をいつでも唱えられるようにしてくれ。また一応パーティを分けたが、10名で纏まって行動するつもりだ。ここに残るメンバーは全てアイクの指揮に任せる! アイク頼んだぞ!」

スザクの言葉にアイクが頷くと、ミーシャが

「今回マルスとクラリスにはラブラブヒールばかり唱えてもらうことになりそうじゃない? いっそのこと同じ服の中に一緒にいてもらった方がいいと思うんだけど? 密着すればするほど効果や範囲が広がる合体魔法なんだし」

この言葉に思わず想像してしまった。二人羽織という事だよな? 俺が後ろからクラリスの白い肌を……

「マルス、なんか犯罪者の顔になっているわよ。クラリスも顔を真っ赤にしながらにやけないの」

サーシャが俺とクラリスの顔を見ながら呆れたように言う。クラリスの方を見ると真っ赤になった頬を両手で挟み、「密着……合体」という言葉を隣にいる俺にしか聞こえないボリュームで繰り返していた。どうやらクラリスは完全に妄想モードに入っているらしく、サーシャの言葉が聞こえていないようだ。

「ま、まぁ恐らくミーシャの言ったとおりの展開になるかもしれないから、気持ちだけはそのつもりでやってくれ。実際にされるとクラリスが戦闘不能に陥りそうだから自重してほしいが……」

スザクが苦笑いをしながら俺に自制を促す。俺まで戦闘不能になりそうだから流石に今回はやらないが、二人羽織か。いつかやってみたいな。

「アイク様、残るメンバーはどのように分けるのですか?」

バロンがアイクに聞くと

「ここにいるメンバー、つまり俺とエーデ、バロンとミネルバ、そしてアリスの5人が朝で、今ここにいないメンバーが夜だ。マルスに言われているからな。女性はなるべく夜に睡眠をとらせるようにと」

「よし! ミネルバ! アリスと同じ班だ! これで時間が空いた時にいつもより強めの 訓(・) 練(・) が出来るぞ!」

バロンとミネルバが喜ぶ姿にここにいる全員が顔をしかめる。もうビャッコ、ミック、レッカの3人にもバロンの事は伝わっているみたいだ。そしてバロンの言葉にミーシャが

「ちょっと、バロン! アリスのMPの無駄遣いをさせないでよね! アリスは寝る前に私のおっぱ……」

「南門の夜のメンバーは最近どうなんですか? ライナー先生、ブラム先生、ブラッドにコディと最近あまり会話を交わす機会がないので少し気になるのですが」

ミーシャの言葉を遮ると、俺の質問にサーシャが答える。

「ライナーは相変わらず火喰い狼の火の玉を斬るのが楽しいらしいわよ? 二刀流で斬れるように頑張っているらしいわ。ブラムは相変わらずなんだけれども。ブラッドとコディは毎日クラリスに微笑みながら頑張ってねと、お疲れ様って言ってもらえるのを生きがいにしているらしいのだけれども、最近になって2人で抱き合ってもクラリスの夢が見られないと嘆いていたわ」

まぁみんないつもどおりという事か。ちなみにブラッドとコディが抱き合ってもクラリスの夢を見られないというのは恐らく俺の細工によるものだろう。

夢の中でもクラリスとイチャつかれるのがだんだん腹が立ってきてあるお方の力を借りることにしたんだ。

そのお方は今でもブラッドとコディのベッドの下に鎮座されている。賢者様、どうかあの2人にクラリスの夢を見させないようにこれからもよろしくお願い申し上げます。

その後少し雑談をしてから寝室に戻り、アリスの匂いを十分体に取り込んでから明日に備えて眠りについた。