軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第288話 ラブ・エール

2032年1月4日 10時

「……魔物……来た……」

外を警戒していたエリーが俺たち【黎明】の馬車に伝えてきた。

「マルス、私が行ってきていい? ちょっと動きたいの」

クラリスが俺の返事を待たずして俺の正面から立ち上がり外に出る。

魔物を見ると脅威度Eの魔物だったので何も言わずにクラリスを見送った。

クラリスは加齢によってステータスが上がっていて自分の力を少しでも試したいようなのだ。

【名前】クラリス・ランパード

【称号】弓王・聖女

【身分】人族・ランパード子爵家長女

【状態】良好

【年齢】12歳

【レベル】50

【HP】112/112

【MP】1930/1930

【筋力】78(+1)

【敏捷】80(+2)

【魔力】101(+1)

【器用】96

【耐久】75(+2)

【運】20

【固有能力】結界魔法(Lv4/A)

【特殊能力】剣術(Lv7/C)(6→7)

【特殊能力】弓術(Lv8/B)

【特殊能力】水魔法(Lv7/C)

【特殊能力】風魔法(Lv4/F)

【特殊能力】神聖魔法(Lv9/A)

【装備】ディフェンダー

【装備】 魔法の弓(マジックアロー)

【装備】 聖女の法衣(セイントローブ)

【装備】 神秘の足輪(ミステリアスアンクレット)

【装備】偽装の腕輪

ステータスも少し上がったが、今回は剣術レベルが上がったことが大きい。

学校でも俺とずっと剣戟を交わしており、オーガ達とも剣を使って戦う事が多かったからな。

だが、加齢によって1番変ったのはステータスやスキルではない。

「姐さん! 1人で危ないですぜ! 俺が姐さんに近づく奴を……」

「クラリス! 俺がクラリスを守って……」

クラリスが馬車から出てきたの見て、ブラッドとコディも【創成】の馬車を飛び出してきたのだが、クラリスを見て固まってしまった。

もう分かるよな。クラリスは美しくなりすぎてしまって近距離でクラリスに好意を抱いている男が見るとたいていこうなってしまう。

実は昨日の宿でも同じような事が起きてブラッドとコディはフリーズしてしまったのだ。

ただ戦闘中でもフリーズしてしまうとは……幸いクラリスが視界から消えたり、遠くに行くとフリーズは解除されるようだ。

まぁどこかの拗らせ男爵よりかはマシか。あの人は過呼吸を起こしてしまうからな。慣れるまで気長に待とう。

クラリスが魔物を倒して戻ってくると

「やっぱり少し剣の捌きが上手くなっている気がするわ。剣王様、これからも私に稽古をつけてね」

クラリスが俺の顔を覗き込むように言ってくるが、俺の顔を見てクラリスも顔を赤くする。

え? もうデレるのをやめろって? お願い、神様もう少しだけ。

あとクラリスの言っていた言葉に気になる所があっただろう?

そう俺はついになれたのだ!

【名前】マルス・ブライアント

【称号】雷神/剣王/風王/聖者/ゴブリン虐殺者

【身分】人族・ブライアント伯爵家次男

【状態】良好

【年齢】12歳

【レベル】47

【HP】132/132

【MP】8325/8325

【筋力】117(+2)

【敏捷】113(+1)

【魔力】130

【器用】109

【耐久】114(+5)

【運】30

【固有能力】天賦(LvMAX)

【固有能力】天眼(Lv10)

【固有能力】雷魔法(Lv10/S)

【特殊能力】剣術(Lv10/A)(9→10)

【特殊能力】火魔法(Lv5/D)

【特殊能力】水魔法(Lv6/C)(5→6)(D→C)

【特殊能力】土魔法(Lv8/B)

【特殊能力】風魔法(Lv10/A)

【特殊能力】神聖魔法(Lv8/A)

【装備】雷鳴剣

【装備】 水精霊の剣(ウィンデーネソード)

【装備】鳴神の法衣

【装備】偽装の腕輪

【装備】守護の指輪

【装備】守護の指輪

剣術レベルが10になり、称号に剣王の文字が!

水魔法もレベル6に上がり、才能もCに。

なんで守護の指輪が2つもあるのかって? クラリスとエリーから1個ずつ貰った大切なものだからな。1つに纏めることは出来るわけがないだろう?

あと俺は剣と魔法以外にもミネルバとバロンに内緒で鎖術の練習を始めている。

この前ミネルバにそれとなく鎖術を教わろうとしたらニコニコしながら問答無用で俺を宙づりにしてきたからな。恐らくだが体で覚えろと言いたいのだろうが、バロンのようになるとクラリスたちに引かれる可能性がある。

だからミネルバとバロンにバレないように馬車の中でこそこそと練習をしているのだ。

当然【黎明】の女性陣も俺が鎖術の練習をしているのは知っているが、みんなもこの2人にはバレないように気を使ってくれている。

2032年1月13日17時

大分急いで東へ進んでもうリムルガルドの隣町のビスマルクに着いた。街に入ると

「……また……見られている……」

エリーの言葉にみんなが警戒する。

すると肩パットをしたモヒカンが俺たちに近寄ってきて

「おまえらいい女連れまわし……」

次の瞬間モヒカンはいつものセリフを吐いて吹っ飛ぶ。

コディが風魔法でチンピラを吹っ飛ばしたのだ。

何度もこれを繰り返している。

いつかエルシスやキザールのような奴に絡まれたらどうしようと内心ヒヤヒヤだ。

ちなみにB級クラスの冒険者はまだ絡んできたことはない。恐らくだがライナーかサーシャの事を知っているのかもしれない。

宿を取り、風呂に入って、飯を食うといつものように寝るのだが、今回の部屋は1番大きい部屋で大きいベッドが2つある。こういう時は俺と女性 6(・) 人(・) で寝る事にしている。

え? 5人じゃないのかって?

宿だとサーシャ1人じゃ不用心だからという事で一緒の部屋に泊まってもらっているのだ。

当の本人はB級冒険者だから絶対に大丈夫と言い張るのだが、ミーシャがどうしても一緒の部屋で寝て欲しいとの事で一緒の部屋で寝ている。

もしも大きい部屋が無い場合は俺と一緒にベッドに入らない者たちがサーシャと同じ部屋で寝ることにしている。

今日はミーシャ、カレン、アリスの3人と一緒に寝る日だ。

必然的に残りのクラリス、エリー、サーシャの3人で寝る事になる。

まずは俺がいつものようにエリーを秒で寝かしつけると、クラリスはサーシャをマッサージしてすぐに眠りにつかせる。そして最後にクラリスがエリーとサーシャの真ん中で横になり、エリーと抱き合いながら寝る。

この前俺が早く起き、クラリスとエリーの寝顔を見た時に2人が「マルス、マルス」と言って足を絡ませ、時には唇を重ねていたのを見たが、どうしてブラッドとコディの時は嫌悪感しかなかったのに、この2人の時はずっと見ていたいと思うのだろうか? 説明できる人が居たら教えて欲しい。

そして俺たちはというと、もうこの前の寝方が定番となった。

俺の右側にはカレン、左側にはアリス、そして俺の上には両脇を膝で挟み、腹の上で小さなお尻を乗せて俺に重なってくる美少女エルフだ。

サーシャがこれを見た時驚いていたが、全く反対はしなかった。むしろ俺に対して「ありがとう」と言ってきたのだ。

いや俺の方がありがとうなんだが……

カレンとアリスはもう寝ており、俺の上にいるミーシャはもうMPが少なくなっており寝てしまう寸前だ。

「ミーシャ、もうちょっと起きていてくれないか?」

「うん? なに?」

もうミーシャの瞼は半分閉じている。

ずっと試したかったことがある。寝ているときにやるのが一番いいのかもしれないが、俺は絶対に発現すると確信していた。

そして俺は唐突にその魔法を唱える。

「ラブラブヒール」

俺の言葉にミーシャが驚き俺から離れようとするが、俺はそれを許さない。とっさに抱き寄せたから左手はしっかり背中を抑えていたが、右手はミーシャの小さくて柔らかいお尻を触ってしまっていた。

だが俺はお構いなしにそのままミーシャを強引に抱き寄せていると俺からミーシャに何かが伝わる。

「え!? 何? 私でも……ラブラブヒールが発現するの? でもクラリスのとは違う。愛情も感じるけど、応援されている感じもする。頑張れって……」

ミーシャもエリーと同じような感想を抱いており、その声はどんどんと涙声になっていく。

「これはMP譲渡魔法なんだ。名前をミーシャに決めて欲しくてな」

「これってさ……クラリスがマルスとじゃなきゃ発現しない魔法と同じ類いのものだよね。本当に愛している人とだけしか発現しない魔法……」

俺の頬にミーシャの涙が落ちる。やはりミーシャは発現しなかった時の事を考えて俺から逃げようとしたのだ。

「そうだと思う。だから俺は絶対に発現すると思っていた。ミーシャに嫌われていなければな」

冗談交じりに言いながら、ミーシャの涙を俺が拭ってやると

「ありがとう。マルスの事を好きな気持ちは誰にも負けないよ? クラリスにもエリリンにも。マルス……この魔法の名前は……ラブ・エールっていうのはどうかな?」

「ラブ・エールか……いい名前だな。じゃあ今度からその名前で唱えるよ」

笑顔を見せながら涙を流すミーシャに

「ミーシャは昔から泣き虫だからな」

俺の言葉にミーシャが少し頬を膨らませて

「そんなことないよ。それにそういうマルスだって昔から変わらないじゃん」

ミーシャはそう言うとミーシャの小さいお尻で遭難している俺の右手を抑える。

あ……これは日本だったら現行犯なやつかもしれない……

「ご、ごめん、とっさの事でつい……」

俺の言葉を遮るようにミーシャが唇を重ねてきて

「全部のマルスが好きだよ。おやすみ」

少し目を腫らしたミーシャが無邪気に言うと俺の胸の中で眠りについた。