軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第125話 人外

まさか本当に7人だけでアントを倒しに行こうとするとは……100匹を倒したのは流石だったが、ここら辺にいるアントたちはその何十倍、もしかしたら100倍は居る可能性がある。

自信過剰にもほどがある。バロン君も昔から自信家だったが、マルス君はそれに輪をかけたような自信家だ。

カレン様は自信家が好みのタイプなのか? そしてマルス君の婚約者たちも……女性は自信家が好きなのだろうか……?

もしもの時の為に騎士団を準備させているがクイーンアントが出てくることはないだろう……クイーンアントは1年に1回外に出てくるか出てこないかの出現率だしな……

うん? マルス君が剣を地面に刺したぞ? 何をするつもりだ?

俺は砦の見張り台から双眼鏡でマルス君の周囲を警戒するとマルス君の少し先の地面が動いているのが分かる。もしかしたら蟻たちが出てくるのか?

そう思った次の瞬間だった。馬鹿でかい蟻がマルス君の前に現れると無数のキラーアントがどんどん地中から湧いてきた!

「おい! 全員カレンお嬢様達を助けに行くぞ! このままではカレンお嬢様が蟻たちの餌になってしまう!」

俺は急いで見張り台から飛び降りてカレンお嬢様の所に向かった。見張り台からカレンお嬢様の所までは10分くらいで行けるだろう。カレンお嬢様もバカではないから必ずこっちに逃げてくるはずだ。

5分走ってもまだカレンお嬢様と合流できない。それに他の騎士団員も付いて来ている者がいない。ちっ! 何をしているんだ……

結局カレンお嬢様の所に10分以上経ってから到着した。

「だ、大丈夫……です……か?」

俺は目の前の光景を見て唖然とした。クイーンアントの死体が5体もあり今まさに焼いて魔石だけ取り出そうとしている。

「あら? ちゃんと魔石は烈火騎士団に渡すから安心して。私たちは魔石やお金目当てではないから」

カレンお嬢様が鞭をしならせ少し怖い笑顔でキラーアントと戯れながら言うと、美少女エルフは狂気の笑顔で蟻を屠っている。

金獅子の美女は黙々とマザーアントを仕留めており、絶世の美女はめんどくさそうにとんでもない威力の弓を射っている。

もう一人の女の子は鎖をジャラジャラしているだけで、唯一バロン君だけが必死にキラーアントと戦っていた。そして金髪の美少年……いや美男子が

「レッカ様、すいません。思ったよりもキラーアントたちが弱すぎて巣穴で何千匹も殺してしまったみたいで……魔石は全て巣穴の中にあると思うのですが……ただまだ生きているアントがいるようなのでここの巣を壊すのはもう少し待ってもらってもいいでしょうか? あとクイーンアントってまだいますよね? 高レベルのクイーンアントの経験値が美味しくて」

申し訳なさそうに俺に聞いてくる。俺は夢でも見ているのだろうか……? 10歳の子供たちがここまで強くていいわけがない……この7人だけで我々烈火騎士団よりも強いかもしれない……

「あ、あぁ。それにしてもどうやって地中のアントたちを倒したんだい? 普通であればすぐに火が消えてしまうと思うのだけれども?」

「ずっと風魔法で空気を循環させて火を強くしたらいつの間にか蟻たちは死んでいました。クイーンアントも地上に出てくる時は瀕死だったので簡単に倒せました。それよりまだクイーンアントは居ますよね?」

この美男子はクイーンアントの事をただの経験値としか見ていないのだろう。

「そ、そうだな……まだいるだろうが……だが今日は魔石の回収と、この地面を平地に均してほしい。さすがにこの地面では死の森に行くときに大変だからな」

俺はこう言うのが精一杯だった。

☆☆☆

クイーンアントの経験値はとても美味しかった。クイーンアントが高レベルだったからだろうか? それともウピアルの経験値が膨大だったのだろうか? 俺は最初のクイーンアントを倒したときにレベルが上がった。

【名前】マルス・ブライアント

【称号】雷神/風王/聖者/ゴブリン虐殺者

【身分】人族・ブライアント伯爵家次男

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】30

【HP】76/76

【MP】5284/7891

【筋力】73

【敏捷】73

【魔力】92

【器用】72

【耐久】65

【運】30

【固有能力】天賦(LvMAX)

【固有能力】天眼(Lv9)

【固有能力】雷魔法(Lv8/S)

【特殊能力】剣術(Lv9/A)

【特殊能力】火魔法(Lv3/E)

【特殊能力】水魔法(Lv3/E)

【特殊能力】土魔法(Lv5/D)

【特殊能力】風魔法(Lv9/A)

【特殊能力】神聖魔法(Lv7/B)

【装備】雷鳴剣

【装備】 火精霊の剣(サラマンダーソード)

【装備】偽装の腕輪

ステータスも上がっていたし、土魔法もレベル5に上がっていた。これで家や浴槽もより強固でMPの消費も抑えて作る事が出来るだろう。

ミネルバも一気にレベルが3も上がっていた。巣の中を殲滅したのが大きかったのだろう。

【名前】ミネルバ・ゼビウス

【称号】-

【身分】人族・ゼビウス子爵家長女

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】23

【HP】25/25

【MP】54/187

【筋力】10

【敏捷】12

【魔力】34

【器用】25

【耐久】10

【運】1

【特殊能力】剣術(Lv2/E)

【特殊能力】鎖術(Lv1/C)

【特殊能力】火魔法(Lv5/D)

【特殊能力】水魔法(Lv3/D)

【装備】水精霊の杖

【装備】シルバーチェーン

【装備】魔法の法衣

【装備】マジカルブーツ

うーん……レベル3上がったというのにステータスがあまり変わっていない……魔力だけは6も上がったが、それ以外の成長が乏しい……パワーレベリングだけではダメという事か……

取り敢えず巣の中にある魔石を取るために土砂を風魔法で除去して巣の中の大量の魔石をこれまた風魔法で取り出した。まぁ100個か200個くらいは取りこぼしたかもしれないがそこはご愛嬌という事で許してもらおう。

魔石を取りだした後の整地が大変だった。結局残っていたMP全てを使って整地をして風呂に入ってから寝ることにした。

2030年9月15日 13時

起きるといつものようにエリーとミーシャが俺の隣で寝ていた。クラリスはこの前俺が15時間寝ていた時にずっと隣に居てエリーとミーシャがずるいと言って当分お休みになったようだ。

俺が起きるとミーシャも同時に起き、エリーは相変わらず可愛い寝顔で爆睡している。今日はこのまま寝かせておいても大丈夫だから寝かせておいてやろう。

クラリスとカレンも別のベッドで寝ており、バロンに関しては俺と一緒に整地しMP枯渇で寝ている。あと3時間は起きない。

既に起きていたライナー、ブラム、ドミニクの姿も見えないしミネルバもいない。ちょっと気になって、砦の見張り台にミーシャと一緒に行くと、ライナー、ブラム、ドミニクはもうすでにキラーアントたちと戦っていた。

キラーアントが居るという事はクイーンアントが居る可能性もあるという事だ。そしてライナーたちと一緒に戦っているのは烈火騎士団ではなくイザーク騎士団だった。もう交代の時間だったのか……

俺とミーシャは見張り台からライナーたちの所に降りて

「おはようございます。ミネルバの姿が見えないんだけどどこに行ったか分かりますか?」

俺の質問にライナーが

「おはよう。ミネルバはイザーク辺境伯の所に鎖術を習いに行った。ミネルバは本当に鎖術を学びたいだけっぽいな……なんかあれだけ一生懸命やっているのを見ていると変な誤解をしていた自分を許せない……バロンにも早くそれに気づいてもらいたいが……」

たとえ一生懸命やった結果だとしてもバロンの心の傷はそう簡単には癒えないだろう。本当は俺もイザーク辺境伯の所に行って鎖術を学びたいのだが、今はライナーたちの援護をしよう。ドミニクのレベルアップの手助けもしたいし。

俺はドミニクに多少無理だと思ってもキラーアントの群れに突っ込んでもらい、少しでもダメージを受けたらヒールで回復するという作業を繰り返した。

ダメージを受けた方が、耐久値が上がるし何よりパワーレベリングするよりも絶対に強くなれる。超スパルタ特訓だ。

たまにマザーアントが襲ってくるがそれはライナーに任せることにした。ブラムはもうこの程度の相手ではレベルが上がらないので適当に流してもらっている。

ミーシャはドミニクと共にキラーアントを狩っているがこちらはドミニクと違い安定感がある。最近ミーシャも強くなったせいか暴走行為というものがあまりない。

2時間くらいするとクラリスとカレンが砦の外に出てきた。

「おはよう。マルス。MP枯渇させないで軽く寝るつもりだったんだけど、思いのほか疲れていたらしく、がっつり寝ちゃった。さっきクイーンアント5体倒したのに全然アントは減らないのね……これからどうするの?」

クラリスが聞いてきたので

「おはよう。クラリスとカレン。バロンが起きたらエリーも起こしてまたクイーンアント退治に行こうと思う。カレンはイザーク辺境伯に挨拶とクイーンアント討伐許可を貰ってきてくれ。クラリスはカレンの護衛をお願いしたい。俺はドミニクを鍛えているからここから離れることが出来ないんだ」

クラリスとカレンが頷いて、イザーク辺境伯が居る砦へと向かった。

俺はドミニクにヒールをかけながら、キラーアントたちの死骸をファイアでどんどん焼いて魔石だけがその場に残る。

イザーク騎士団を見るとアントの死体からわざわざ魔石を取りだしているから1つの魔石を取りだすのにかなり時間が掛かっている。どうやら新人の騎士団員たちが魔石を取りだす係らしい。

どこかに穴を掘ってそこにキラーアントの死骸を捨てて火で燃やしておいた方が楽だと思うのは俺だけだろうか? 火は別に火魔法を使う必要ないし動物性の油とかこの辺で腐るほど取れるだろうからよっぽど楽だと思うのだが……

そんなことを考えていると砦からエリーが出てきて俺を見つけると一目散に俺の所に来た。

「エリー。おはよう。良く寝られた?」

俺が聞くとエリーが

「……あと10時間は余裕……」

まだ寝起きの顔で言った。どれだけ寝られるんだよ……そしてその言葉の後にエリーが俺に抱き着いてきて離れない。俺の側では必死にドミニクがキラーアントと戦っているのに……