軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第30話『近くば寄って目にも見よ』

ゆっくりとゲートの反応を観察しながら近付いていくも、特にこれといった変化はない。しかし、私たちを見下ろすように泰然と佇むその姿は、命の宿らない欠けた円環であるにもかかわらず、凄まじい存在感を放っていた。

少しずつ距離を詰めるにつれて、その表面に刻まれた精緻なサクス文字が徐々に露わになる。細々とした模様とも紋様ともつかない不思議な形をしているが、それは美しいという一言で片付けてしまえそうなほど、どこか儚かった。

そういえば、塒付近の壁に彫られていたものと、ここに来るまでに目に付いた紫色の炎に照らされていたものとでは、幾分かの違いがあったように思う。

どちらも壁に彫られているという点では一致しているが、込められた願いや機能は異なると考えて間違いないだろう。紫の炎に照らされた彫刻は、かなり細々としていながら、どこか生々しさすら感じさせるものだった。あれはいったい、どんな効果を持っているのだろうか。

そんなことを考えながらも摺り足は止めず、ゆっくりとゲートへ向かっていく。足裏の装甲が床を擦るたび、乾いた砂埃が薄く流れ、暗視の中で白っぽく浮かび上がった。広間の空気はひどく静かで、時折どこか遠くの配管が鳴るような低い音が響く。そのたびに、巨大な地下施設そのものが眠りながら息をしているような錯覚を覚えた。

「ルイスよ、見るのだ! 凄いぞ! 特殊なサクス文字がこんなにも近くにあるなんて……」

ロヨンは興奮した口調で私に叫んだ。その気持ちは痛いほど理解できる。多くの研究者がその目で見ることすら叶わない幻の遺構を、こんな間近で観察できるのだ。ロヨンのような研究者にとっては、まさに夢のような話だろう。

彼は杖とも工具ともつかない細長い器具を胸元に抱え、半ば身を乗り出すようにしてゲートを見つめていた。ガスマスクの奥にある目の色までは分からない。それでも、わずかに前傾した姿勢や、指先が落ち着きなく動く様子から、抑え切れない興奮が伝わってくる。

ゲートから三メートルほどの距離まで詰め、隅々まで観察する。そもそもの構造、なぜ欠けた円環なのか、表面に刻まれたサクス文字。そのどれもが、今まで見てきた遺物や装置とは明らかに格が違っていた。

円環の素材は、黒い金属とも石ともつかない。光を鈍く吸い込みながら、角度によってはわずかに青灰色の艶を返す。

収集したいくつかの資料を流し見るが、そのいずれにも正解と思しき記述はない。かくいう私も、この距離まで近寄って詳しく観察しているにもかかわらず、不明な点は多かった。

このゲートには、せいぜい小さな礫程度の物体を転送する力しか残っていないようだ。だからといって、無遠慮に踏み込むのは避けなければならないだろう。何が起こるか全く分からない上、下手に何かに触れれば壊してしまいそうでもある。

そんなことを考えながら、先程よりもずっと近くでゲートを分析していると、不意にマリーが私に囁いた。

《この機構から当機に向かって、微弱な通信が行われています。内容の判別が困難なほど弱い通信ですが、何かしらの情報の送信許可を求めているようです》

私がここまで近付かなければ届かなかったほど、弱い通信が行われていたらしい。私には感知できなかったが、我が相棒であるマリーはしっかりと捉えていたようだ。

内容は、何かしらの情報を送信する許可を求めるものだった。私は迷うことなく許可する。遥か古の時代に栄えた文明の遺した機構というだけでも面白いのに、さらに自律的に私へ通信を求める能力まで備えているだと? そんなもの、気にならないわけがないじゃないか。

《送信を許可しました。直に何かしらのレスポンスが行われるはずです。当機にダウンロード可能なフォーマットに関する情報をいくつか添付しました。貴重な情報を得られる可能性が非常に高いです》

観察に時間を潰しつつ待っていると、視界の端に何かしらのメーターが表示された。これは恐らくダウンロード状況を視覚的に分かりやすくしているのだろう。

細い光の帯が、ゆっくりと右へ伸びていく。進行はひどく遅い。欠けた円環の内側に漂う薄い靄が、ごくわずかに揺らいだように見えた。そこからこちらへ、見えない糸のようなものが伸びている。

《どうやら魔力を特殊な形に加工し、そこに簡単なイメージやメッセージを織り交ぜているようです。当機に使用されている技術と比較すると子供の遊びのような技ですが、発展的な機械技術の知識に乏しいと思われる人々の工夫にしては、かなり先進的と言わざるを得ないでしょう》

何やら特別な工夫を凝らした魔力の使い方をしているらしい。魔力に命じたり、願いを込めたりすることでイメージを現出させる技術は知っているが、このような特殊な使い方は初めて知った。

応用的な使用方法は浮かんでこないが、知っておいて損することはないだろう。いつかの何かで役に立つかもしれないのだ。

それにしても、この世に広く栄えたとはいえ人の身で造られた特殊な機構と、この世の機械や機構を司る神の手によって直接造られた私とを比較するのでは、当然レベルや程度は異なって然るべきだ。

比べること自体がナンセンスのように感じてしまうのは、この身に生まれ落ちた私のエゴだろうか。当時の人々の創造的で先進的な技術は、決して簡単に否定できるものではない。

「マリーよ、人と神の仕事の違いだよ。あまり啄く理由もないだろう? 彼らの技術から学べることも多々あるはずだ」

《失礼しました。決して侮る意図を伴っての発言ではありません。彼我を単純に比較検討した結果、大きな技術的乖離を観測したに過ぎません。以降は注意します》

まあ、それでいいか。なぜなら、実際に私の体を作る際に使われている技術と、目の前のゲートに使われている技術とでは、ベクトルが異なるのだから。

それに、マリーが指しているのはエクス・マキナ・アポカリプスのことだろう。今の私はただの絡繰兵・一兵卒なのだ。この絡繰兵に使われている技術と比較するなら、そこまで大きな開きがあるとは言えないだろう。

なんてグチグチ言い合っていると、視界の端に映っていたメーターが満タンになり、パッと消えてしまった。おそらくこの機構から送信されたデータのダウンロードが完了した合図だろう。

《仮称「ゲート」から送信されたデータの解凍に成功しました。内容は短いメッセージが一つ、特殊な技術に関する情報が二つ、イメージ画像が二つです。それぞれを展開しますか?》

当然イエスだ。断る理由がない。

「頼む」

私がそう呟くと、頭の中で何かが渦巻き、目の前に小さなウィンドウが生まれた。そこには一つのメッセージが表示されていた。

『私はサクスドルフ帝国、カーミナ技術研究所所長、カーミナ・マルトと申します。このメッセージは、遠い未来に我らが主神サクスザント様の関係者へ届くことを想定して封じます』

おっ、と……? これは、私にピンポイントで届くことを想定して込められたメッセージではないか。いきなりのことで驚きが隠せないが、きちんと傾聴しなければならないことだろう。

それにサクスドルフ帝国?よく分からないが、きっとサクス文明に関係する強大な国なのだろう。

『我らが生み出した多くの技術は、この世界に生きるあらゆる人々にとって便利・有用なものとして、何度も利用されてきました。もちろん、その中には人を殺めるために使われたものすらあったでしょう』

それは喜びに満ちた技術者の自慢話というより、自分たちの歩んできた道を静かに振り返る告白のようである。ただの文字情報なのでこの文章のトーンなどは分からないが、どこか悲壮さを感じる。

『私たちは多くのものを作りました。夜でも昼のように明るく街道を照らす灯火。重い荷を運ぶための自走荷車。老いた者や傷付いた者の身体を支える補助具。離れた場所へ声を届けるための通信機。川を越え、谷を渡り、山を削り、人々がより遠くへ行くための機械。数え上げればきりがありません』

表示される文字を追うにつれて、目の前の地下広間とは別の光景が脳裏に浮かんでくる。

白い石で舗装された広い道。見上げるほど高い塔。夜を押し退けるように連なる灯火。荷を積んだ機械がゆっくりと街を進み、人々がその横を笑いながら歩いていく。

私が実際に見たわけではないが、カーミナという人物の残した言葉が、消えた文明の輪郭を少しずつ立ち上がらせていた。不思議な光景だ。

『寒さに震える子供は暖を取り、遠く離れた家族は送り出した人の声を聞き、病に伏した者は定められた命よりも長く生を繋ぐことができるようになりました。私たちは、それを正しいことだと信じています。今でも、その思いそのものが間違いであったとは思っていません』

そこで一度、文字の流れがわずかに途切れた。

メッセージの形式上の間なのか、元の記録者が言葉を選んだ名残なのかは分からない。しかしその沈黙のような空白が、何やら不穏な空気を醸し出しているのは、私の考えすぎだろうか。

『ですが、私たちの歩みは些か速過ぎたのでしょう。おもいがけず多くの神々より警告を受けることになりました。急激な技術の進歩は、人類の在り方を歪める。苦痛を忘れ、労苦を嫌い、本来なら苦難によって得るべき強さを得ることなく、ただ便利さと安楽だけを求めるようになる、と』

私は思わず瞠目した。たしかにこの世界の神々は信じられないほどフレンドリーで、直ぐに人の前に姿を見せたり、助言を与えたりする存在だと学んだ。

それ自体は別にどうとも思わないが、まさか何かを注意したり警告したりするためにも人々に干渉するのか。もっと無関心で、ある種の無機的さを持っているような気がしたのは私の勘違いか?

『警告は一度ではありませんでした。初めは遠回しな言葉でした。次に、研究施設への干渉が起きました。そして最後には、明確な通告が下されました。これ以上、人類に利便を与え、楽を覚えさせるならば、お前たちを消すことも厭わない、と』

馬鹿な。

怒りなのか、驚きなのか、それとも単なる緊張なのか、自分でも判断できない。ただ、古い文字列の向こう側から、途方もない圧力がこちらへ滲み出してくるのを感じた。

神が人の技術を恐れたのか。それとも、本当に人類の行く末を案じたのか。私には分からない。けれど、少なくともカーミナたちは、その警告をただの脅しとして受け流せる立場ではなかったのだろう。

『それでも、私たちは研究をやめるつもりはありません。サクスザント様、どうかお許しください。私たちは、この行いによって永遠にあなたの名を汚すことになるかもしれません。あなたの眷属として、あまりにも愚かな選択をしているのかもしれません』

文面が、急に個人的なものへ変わった。

これは未来の誰かへ向けた記録でありながら、同時にサクスザントという神へ捧げられた懺悔でもあるのだろう。

カーミナ・マルトという人物がどのような顔をしてこの言葉を残したのか、私は知らない。それでも、文の端々から絞り出すような苦しさが伝わってくる。

『私たちの働きによって、サクスザント様の神格は以前よりも強まりました。ただの楔を司る一介の神から、機械を作り、機構を組み、文字に願いを込め、世界へ働きかける者が増えるほど、あなたの力もまた増していく。ですが、未だ他の大御たちに対抗できるほどではないのでしょう』

大御。

その言葉に、なにやら嫌な感覚がある。私の根本的な部分が強く反応しているのが分かった。

サクスザント様以外にも、強大な神が複数いる。それ自体は想像できていたが、こうして当時の人物の言葉として示されると、急に現実味が増すね。

そして同時に、サクスザント様という神が決して万能ではなかったことも伝わってきた。少なくとも、己の眷属を他の神々の圧力から完全に守り切れるほどの力はなかったらしい。

『だからこそ、私たちは終わりの日までに、可能な限り多くの技術を芽吹かせます。便利であること。楽であること。人を助けること。人の手を広げ、足を遠くへ運び、目を暗闇の先へ届かせること。そのすべてが悪であると言われるのなら、私たちはその悪の技術を育てましょう』

悪の技術。

自嘲のようにも、反抗のようにも見える言葉だった。

『それが人々を救い、あなたの力を強め、いつか遠い未来に続く一筋の道となることを信じています。本当に申し訳ない。私たちには、これしかないのです。幾つかの機械にこのメッセージと技術情報を封じます。いつかの眷属に役立つと信じて』

その一文を最後に、メッセージは静かに終わった。

果たして彼らは、間違っていたのだろうか。

神々の警告に従い、技術を閉じ、便利さを捨て、人類が緩やかに進むのを待つべきだったのだろうか。あるいは、カーミナたちのように、消されるかもしれないと理解した上で、それでも前へ進むべきだったのだろうか。

答えは出ない。少なくとも、今ここで簡単に断じられるような話ではない。

《続いて、特殊な技術に関する情報を展開します》

マリーの声に促され、私はゆっくりと意識をそれに向けた。

次に表示されたのは、サクス文字の理論に関する情報だった。

文字といっても、単に意味を記すための記号ではないようだ。線の曲がり方、刻む深さ、配置する場所、隣り合う文字との距離、それら一つ一つが機能に関係しているらしい。

例えば、同じ「火」を意味する文字であっても、暖めるための火、照らすための火、色を付けるための火、魔力の流れを示すための火では、線の細部が異なる。

文字そのものに意味を持たせるだけではなく、そこへ込める願いや目的に応じて形を調整することで、発生する現象を変えていたようだ。

《要約すると、サクス文字は魔力を一定の形へ誘導するための溝、あるいは型として機能しています。文字単体で命令を成立させるのではなく、配置、供給される魔力量、使用者の意図が重なって初めて効果を発揮する特殊な構造です》

「なるほどね。多くの研究者の推測通り、壁の彫刻やゲートの模様も、単なる飾りではなく、それぞれ違う役割を持っていたわけか」

《その通りです。カラフルな炎については、炎そのものが特別な力を有しているというより、サクス文字によって色や性質を調整された照明、あるいは識別用の光源である可能性があります》

道理で、場所によって刻まれた文字の印象が違ったわけだ。文字というより、命令を流し込むための回路に近いのかもしれない。

続いて展開されたのは、大型機器を作るための工作機械に関する情報だった。

こちらは、私にとってかなり興味深いものだ。資料には、巨大な部品を削り出すための設備、複数の腕を持つ加工装置、重い素材を正確に吊り上げるためのクレーンのような機構、熱した金属を一定の形へ流し込む設備などが、細かな図として記録されていた。

大きな部品を作るためには、まず大きな部品を作れる機械が必要になる。その最初の壁を、彼らはサクス文字と魔力の補助で乗り越えたのだろう。

《大型機器製造用の基礎設備に関する概念図を確認。精度維持のため、加工台そのものにサクス文字を刻み、様々な苦難を克服していたようです。その研鑽の痕跡が随所に残っています》

「サクス文字と大型の機械が技術の進歩には不可欠だと、カーミナは言いたかったのだろうか」

《はい。人力のみでは不可能、あるいは極めて困難な加工を、サクス文字による補助で成立させています。これにより、より大型の装置を作ることが可能となり、その大型装置によってさらに高度な設備を製造する循環が発生したと考えられます》

技術が技術を呼ぶ。

小さな道具が大きな機械を生み、大きな機械がさらに精密な装置を生む。そうやって階段を登るように発展していったのなら、神々が危機感を抱くほど急速に文明が進んだという話にも納得がいく。

最後に、二つのイメージ画像が展開された。

一枚目には、様々な豪華な鎧や装束に身を包んだ者たちが写っていた。人型の者もいれば、背に翼を持つ者、獣のような耳や尾を備える者、全身を金属の甲冑で覆った者もいる。彼らはそれぞれ異なる武具を携え、まるで儀式の記念画のように整然と並んでいた。

画像の隅には、神の眷属、という短い説明が添えられている。

コイツらがサクスドルフを襲った神々の使徒なのだろうか。詳細は不明だが、おそらくそうに違いないだろう。

二枚目の画像は、まるで雰囲気が違っていた。

小汚い作業着に身を包んだ人物が中央に立っている。髪は乱れ、頬には煤のような汚れが付き、袖口は擦り切れていた。

その周りには、同じような作業着姿の人々が集まっている。背後には工具の並んだ棚や、半ば組み上がった機械の影が見えた。

彼らは笑っていた。

眷属たちの整った画像とは違い、こちらはひどく雑然としている。誰かの肩に腕を回している者がいる。工具を掲げて得意げにしている者がいる。端の方では、顔の半分が見切れた人物が慌てて入り込もうとしている。きっと、記録として残すにはあまりに締まりのない一枚なのだろう。

しかし、私はその画像から目を離せなかった。

中央にいる小汚い作業着の人物。おそらく、この人がカーミナ・マルトなのだろう。偉大な研究所の所長という肩書きから想像する姿とは随分違う。

威厳のある服も、豪華な装飾もない。あるのは、汚れた服と、疲れの滲んだ顔と、それでも何かを成し遂げたのだと分かる静かな笑みだけだった。

「……これが、カーミナたちか」

この人たちは、自分たちの行いによってサクスドルフが消されるかもしれないと知っていた。それは多くの民も同じように知っていたはずだ。それでも研究をやめず、技術を残し、未来に届くかも分からないメッセージを封じたのは、きっと多くの人々の思いが一つだったからだろう。

馬鹿だとも、無謀だとも思う。けれど、その馬鹿さを笑い飛ばすことは、私にはできない。なぜなら私は今、彼らが残したものの前に立っているからだ。

《取得した情報は保存しました。サクス文字の理論、および大型機器製造用工作機械に関する情報は、今後の解析や製作時に参照可能です》

「ありがとう、マリー」

《どういたしまして。なお、カーミナ・マルトのメッセージについては、当機の判断では極めて重要な歴史的資料に該当します》

「うん。私もそう思うよ」

私はもう一度、ゲートを見上げた。

欠けた円環は相変わらず沈黙している。こちらに語りかけてきた後も、何か劇的な変化が起きるわけではなかった。ただ、先程までとは少しだけ見え方が変わっていただけだ。

これは単なる古代の装置ではない。誰かが作り、誰かが守り、誰かが未来へ託したものだ。そして、その未来にいる私は、偶然にもそれを受け取ってしまった。

重いな、と心の中で呟く。

私はカーミナたちの笑顔が写った画像を、もう一度だけ見つめた。

「ルイスよ、こちらはかなりのことが確認できたぞ。そっちはどうじゃ?」

ロヨンに声をかけられたことで、一気に現実に引き戻された。私が突っ立ってゲートを眺めている間にも、きっと多くのことを観察、検証していたに違いない。

「ああ、かなりのことが分かったよ。後で意見を交換しようか」

私がなんでもないように返すと、彼は大きく頷いて片手を上げる。

「よし、ここまで近付いても大丈夫だという確証も得られたことだし、今日はもう帰るとするか?」

それが良いだろう。私も少し整理したいことができたしな。これをただ一人で抱えるのも、なんだか重すぎるような気がしないでもない。ロヨンに共有できると踏んだ一部の情報については、彼に伝えても良いかもしれないな。

私は紫に照らされた通路へと戻った。来た時には分からなかったこの未知の原理が、今なら全て理解できた。