軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第147話

その日の夜、テンジはいつも通りにマル秘地獄帳に分析結果を記していた。

机の上にはおじさんが分けてくれたレモネードの入ったカップがあり、テンジは美味しそうにそのドリンクを飲んでいた。

そうして、すらすらとレベル7へと上がった結果を書いていく。

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【名 前】 天城典二

【年 齢】 17

【レベル】 7/100

【経験値】 2,029,805/78,125,000

【H P】 7041(7024+17)

【M P】 7017(7000+17)

【攻撃力】 37,767(18,455+17)

【防御力】 37,788(18,492+17)

【速 さ】 7031(7014+17)

【知 力】 7074(7057+17)

【幸 運】 7046(7029+17)

【固 有】 小物浮遊(Lv.8/10)

【経験値】 74/182

【天 職】 獄獣召喚(Lv.7/100)

【スキル】 閻魔の書、獄命召喚

【経験値】 2,029,805/78,125,000

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変化はいつも通りのものばかりであった。

必要経験値は五倍に跳ね上がり、各ステータス値も平均で1000ずつ上昇している。地獄領域の数も1220へと増加し、それに伴い地獄獣の数もかなり増えた。

現在は小鬼40体、炎鬼590体、雪鬼610体として調整している。その影響により、テンジの攻撃力と防御力のステータス値は見たこともない数値へと飛躍的に上がっていた。

テンジの推測では、レベル7に上がった時点で一級探索師相当の身体能力が身についていることになる。ステータス平均が7000を超えることが、一級探索師の条件だと考えていたからだ。

世間で名実ともに一級探索師相当の実力があると言われている黒鵜冬喜に、身体能力だけはようやく追いついた形になった。

技術力に関していえばまだまだ敵わないが、それでも形だけは追いついたことになる。

ただし、攻撃力と防御力に関していえば遥かにそれを超えているのだろう。

「あとは……『炎鬼ノ手墨』『雪鬼ノ壁』『炎鬼の胸飾り』『雪鬼の指輪』『幸運上昇鬼灯』が新たに追加されている、と。この辺りは追々検証していこう……今日はもう眠いし」

テンジはほわァっと欠伸を溢す。

意図せずに出てきた涙を人差し指で拭い、もう一度閻魔の書を見た。

地獄武器の【赤鬼シリーズ】には、四等級の炎鬼ノ手墨が追加されている。

これは常時発動型のスキル『炎墳』が備わっており、25%の確率で攻撃に地獄火炎(乗算500%)を上乗せする効果がある。

以前この欄にあった赤鬼グローブは10%の確率で爆破300%だったのだが、これが25%で500%へと進化した形だ。

さらに地獄装備品には『炎鬼の胸飾り』が追加され、スキル『号炎』は地獄武器の操作性が格段に向上していた。

以前の『赤鬼ネックレス』は単に地獄武器を操る能力だったのだが、ここに炎の威力と速度が追加されたのが、今回進化したスキルである。

地獄武器の【青鬼シリーズ】には、四等級の雪鬼ノ壁が追加されていた。

これは随時発動型のスキル『 頞部陀(あぶだ) 』が備わっており、音声複合型の防御が展開できるようになった。

要するに、最大で三枚の壁を作り出せるようになったというわけだ。その分扱いも難しくなったので、要訓練という感じになりそうだとテンジは考える。

さらに地獄装備品の『雪鬼の指輪』には、スキル『氷景』が備わっており、作り出した氷の壁を限りなく見えにくくするという効果があった。ただし、MP消費量が氷の体積に対して消費されるようで、たった一枚に壁を隠すのに2000のMPを失った。

正直、上手い使い方を考えなければ、当分は使えない効果なのだろう。

そして最後に、地獄婆の売店には『幸運上昇鬼灯』が加わった。

これで上昇系の鬼灯は四種類目となる。

「まぁ、全て想定内って変化だよね。だけど――」

レベル上昇に伴う変化は、正直テンジの想定内であった。

しかし、テンジは違った意味で「ようやくこのときが来た」と思っていた。

このマジョルカに来る際に、テンジはリオンと約束を交わした。

――俺はお前が一級探索師の力をつけるまでしかサポートはしない。だが、それまではお前が望めばサポートしてやる。その後のことは知らん。お前は自由だ。

そう、テンジがリオンと約束しているのは『一級探索師相当の力を手にするまで』という条件だった。

それが今日、ほぼ叶ったのだ。

「これで僕は自由になれるんだ。でも、一先ずはずっと目標にしていた第75階層を目指すつもりだけどね。……よし! リオンさんに報告しよう!」

テンジはリオンに電話を掛けてみることにした。

スマホを取り出し、連絡先から彼の電話番号をタッチする。すぐにコール音が耳元でなりだした――プルルルッ、プルルルッ、プルルルッ。

しかし、リオンが電話に応答することはなかった。

「……いつも通り出なかったね。さすがに今日のは応答してほしかったなぁ。せめて海童さんには報告しておこうかな」

テンジは思わず苦笑いしたのであった。

そのままリオンの窓口業務を務める一般人の海童周へと連絡をするのであった。

† † †

――ちょうどそのとき。

テンジがリオンへと電話を掛けていたときだ。

当の本人である百瀬リオンは、イタリアとフランスの間に位置する世界でも有名なアルプス山脈にいた。その一角にある『モンブラン』と呼ばれる山の山頂で、ジッと何かを待つように毛布に包まって座っていたのだ。

電波が届かなかったのも仕方のないことであった。

「……遅ぇぞ、オーブラカ。出てきたら、まずはぶん殴ってやる」

寒そうに白い息を吐きながら、リオンはジッと『彼』を待つ。