作品タイトル不明
第118話
――地獄の王因子。
『王』となると、リィメイ学長の言っていた『九王』という言葉が思い浮かんでくる。
自分には関係ないと思えない言葉に、色々な想像が思い浮かんでくる。
(王か……やっぱりそうなのかな)
自分が『九王』の一人なのではないか。
思い上がりとは言い切れないほどの証拠が二つも出てきてしまったことに、テンジは少し戸惑いを見せていた。
しかし、身近には『九王』の可能性を秘めていてもあまり気にせずに、普段から生きることを楽しんでいる冬喜がいた。戦いを楽しんでいる冬喜がいた。学園を楽しむ彼がずっと傍にいた。
身近な人物の眩しい笑顔が、今のテンジの動揺を取り払ってくれていた。
テンジは考えても無駄な思考はすぐに振り払い、再び閻魔の書へと視線を戻す。
(わからないものは、わからないんだ。僕ごときが考えたって仕方ない)
次のページには、召喚可能な武器や装備品がずらりと並んでいる。
さらに次の記載ページに捲ると、つい買いたくなってしまう地獄婆の売店が出てくる。
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『召喚可能な地獄武器』
【赤鬼シリーズ】
・炎鬼刀/四等級 (NEW)
<パッシブスキル:斬結>刀身に地獄炎属性を纏う。(150%)
・赤鬼ノ短剣/五等級
<パッシブスキル:泥酔>20%の確率で、敵を泥酔状態にする。
・赤鬼グローブ/五等級
<パッシブスキル:爆破>10%の確率で、攻撃に爆破(300%)を上乗せする。
・赤鬼ノ爪剣/五等級
<パッシブスキル:貫通>50%の確率で、敵の防御力を無視することができる。
・赤鬼大剣/五等級
<パッシブスキル:停滞>30%の確率で、敵の速さを5%低下させる。
【青鬼シリーズ】
・雪鬼ノ喝/四等級 (NEW)
<アクティブスキル: 嗢鉢羅(うばら) >音声防御が可能になる。
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『召喚可能な地獄装備品』
【赤鬼シリーズ】
・炎鬼の指輪/四等級 (NEW)
<パッシブスキル:炎攻>攻撃力+250
・赤鬼バングル/五等級
<アクティブスキル:力導>使用者の攻撃力を1.75倍にする。
・赤鬼ネックレス/五等級
<アクティブスキル:無導>地獄武器を自在に操作する。
・赤鬼イヤリング/五等級
<アクティブスキル:鼓導>使用者の全ステータス値を1.2倍にする。
・赤鬼アンクレット/五等級
<アクティブスキル:御導>地獄武器の確率効果を1.5倍に増加させる。
【青鬼シリーズ】
・雪鬼の数珠/四等級 (NEW)
<パッシブスキル:氷防>防御力+250
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【地獄婆の売店】
・体力回復鬼灯 (2ポイント)
・精神力回復鬼灯 (2ポイント)
・HP回復鬼灯 (2ポイント)
・MP回復鬼灯 (2ポイント)
・速度上昇鬼灯 (2ポイント)
・攻撃力上昇鬼灯 (2ポイント)
・三途の川の天然水(2ポイント)
・三途の川の源流水(4ポイント)(NEW)
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この3ページではこのような変化があった。
・赤鬼刀の武器が消滅。
・赤鬼リングの装備品が消滅。
・新たな地獄武器『炎鬼刀』が追加。
・新たな地獄装備品『炎鬼の指輪』が追加。攻撃力+250に。
・【青鬼シリーズ】の追加。
・新たな地獄武器『雪鬼ノ喝』が追加。
・新たな地獄装備品『雪鬼ノ数珠』が追加。防御力+250に。
・売店に『三途の川の源流水』が追加。
どうやら装着部位として被っているアイテムは、上位のアイテムに上書きされてしまうようなのだ。赤鬼刀は炎鬼刀に、赤鬼リングは炎鬼の指輪という具合にだ。
閻魔の書から消えてしまった赤鬼刀や赤鬼リングを、テンジはもう一度召喚しようと試みたのだが、閻魔の書はまるで反応を示さなくなっていた。
代わりに新たな炎鬼刀や炎鬼の指輪は、簡単に召喚に応じてくれる。
(でもまぁ、明らかに炎鬼と雪鬼のシリーズの方が性能はいいんだけどね。それでもちょっとだけ悲しいな)
今まで愛着を持って使っていた武器や装備品が突然無くなってしまったのだ。
悲しくないわけがなかった。
それでもより強いアイテムが使えるようになったことだけは、レベルアップによってもたらされた何よりの戦利品なのだろう。
毎日辛くても頑張って良かった、そう思えるほどの効果が新しい武器や装備品には備わっている。
(で、新しい雪鬼のシリーズか。これは庭先で検証するものでもないし、あとで62階層に行って検証してみようかな。あそこなら人影ひとつない場所だし)
地獄婆の売店には、新たな売り物である『三途の川の源流水』が追加されていた。
これもまた、三途の川の天然水の上位互換だと思われる。今のところ使い道のよくわからないアイテムなのだが、一度だけ検証のために天然水を小鬼くんにプレゼントしたことがあった。
(確かあの時は小鬼くん、すごく喜んでたっけ? 僕たちで言うエナジードリンク的なやつっぽかったよね。その日の小鬼くん調子よかったし)
ポイントに余裕ができれば、また小鬼くんや炎鬼先生、雪鬼先生にあげてみようかな、そう考えるテンジであった。
会話の成り立つ炎鬼か雪鬼に渡せば、より鮮明に効果が分かるかもしれない。
「一先ずこんなところだね。変化項目が多すぎて、慣れるまでもう少し時間が掛かりそうだな。慣れの訓練がもっともっと必要になる」
まだまだ訓練が必要だ。
自分の技術力や対応力の低さを思いながら、テンジは閻魔の書をぱたんと閉じた。