軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第八十話 品質による費用対効果

『エルフの涙』を後にして、俺はボロ宿へと戻ることに決めた。

本当は『断鉄』にも寄って、アングリーウルフの牙をナイフにしてもらおうとも考えていたのだが、魔力ポーションで荷物がいっぱいになってしまったからな。

採取に行く予定もしばらくないし、ナイフに加工してもらうのは今度にして、今日は宿に籠って今日購入したポーション飲みに励もうと思う。

大量の荷物を抱えた状態で、ようやくボロ宿へと着いた俺は、早速買ったポーションを机に並べていく。

こうしてポーションを並べたら分かるが、品質が上がるにつれて青みが増しているように感じる。

ただ、高品質ポーションでも光り輝いていないから、もしかすると最上級品質ポーションの原料に使われている魔星草が光りを発しているのかもしれない。

見たこともない魔星草についてそんな考察をしながら、俺は最低品質の魔力ポーションの瓶の蓋を開けた。

今日は最低品質ポーションから飲んでいこうと思う。

20本だと一気に飲むのはキツそうだから、一日かけて喉が渇いたら適時飲んで行けばいいだろう。

とりあえず、まずは一本。

薄い青色をした最低品質の魔力ポーションを口の中へと入れる。

…………うん。最低品質だからか、昨日の低品質ポーションと比べると、味も若干ながら魔力草の苦みを感じるな。

でも、決して飲めない苦みではない。

生の魔力草の苦みとエグみを知っているからこそ、そう感じるのかもしれないけど。

俺は一気に最低品質のポーションを呷り、まずは一本飲み切ることが出来た。

よし。このまま、あと4本くらいは一気に飲んでしまおうか。

それから、一日かけて20本の最低品質の魔力ポーションを飲みながら、合間を縫っては剣を振っていた。

やっぱり生で魔力草を食べていた頃と比べると、魔力ポーションでの摂取はめちゃくちゃ楽だな。

金銭的な費用対効果はもちろん生で食べる方がいいんだけど、摂取速度や味に気持ち的な部分を考えたら、魔力ポーションの方が断然良い。

さて、夜も更けてきたことだし、寝る準備を整えて最低品質の魔力ポーションの上昇値を測ってみようか。

最低品質の魔力ポーションは1本銀貨2枚だったから、2本で魔力が1上がっていれば低品質ポーションと同じ上昇値と言う計算となる。

はたして、最低品質の魔力ポーションの上昇値はどうなんだろう。

まずは魔力草を6本生成させる。――よし、ここまでは問題なく生成出来た。

これで最低でも魔力が、1は上がっていることが分かった。

あとは、いくつ薬草を生成できるかなのだが……まずは1本目。無事に生成。

続いて2、3、4、5本と脱力症状なしで生成出来ている。

最低品質だから低品質よりも費用対効果も低いと思っているため、そろそろ脱力症状がくると思うのだけど。

そんな俺の考えに反し、そこから更に6、7、8、9本と薬草の生成に成功した。

この時点で金額的に考えれば上昇幅は、低品質ポーションと並んだ。

もしかして、最低品質ポーションの方が上昇効率は良かったりするのか……?

ふと頭を過ぎった俺の疑念が当たるように、さらに10本、11本と薬草の生成が出来た。

そして12本目の薬草の生成に取り掛かったところで、ここでようやく脱力症状が起こり、全身の力が一気に抜けていくのが分かる。

ただ、最低品質の魔力ポーション20本で上がった魔力は12。

大雑把な計算だが、約3本で魔力が2上がる感じなのかもしれないな。

低品質ポーションが1本につき銀貨4枚で、魔力1上昇なのを考えると……金銭的な費用対効果は最低品質ポーションの方が高い計算になる。

これは結構な難題となりそうだ。

味は決して悪くないとは言え、一日に摂取できる魔力ポーションは今日の感じだと20本ぐらいが限界。

そのことを考えると時間を取るか、お金を取るか……と言う二択が生まれることになる。

懐にはかなり余裕が出てきたと思っていたが、魔力ポーションに使うと一気にお金も消費してしまうからな。

しばらくは最低品質の魔力ポーションに絞って、使用していってもいいのかもしれない。

とりあえず明日以降、中品質と高品質の魔力ポーションの上昇幅を考えてから、今後どの魔力ポーションを使って魔力を上げていくかゆっくりと考えていこうか。

……そして現時点で俺の総魔力は29となった。

約一ヵ月前が総魔力3だったことを考えると、魔力に関してだけ言えばかなり成長出来たな。

あとは問題なのがダンベル草の生成魔力だけか。

出来ればダンベル草を、毎日2本ずつぐらい生成できるくらいの余裕は欲しいところだけど……。

とりあえず、色々と考えるのはここまでにして、今日はこのまま眠ろう。

俺はやれることが大幅に広がったことにより、色々と考えなくてはいけなくなった嬉しい悲鳴に喜びを感じながら、眠りへとついた。