軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第百十一話 久しぶりの新種の植物

採取地まで向かうまでの道中、俺はバーンとポルタに模擬戦の提案をすることにした。

これを引き受けてくれるならば、拠点に戻ってから軽い模擬戦大会でも行ってみたいな。

「バーン、ポルタ。一つお願いがあるんだけどいいかな?」

「ん?なんだ? そのお願いって言うのは」

「実は、採取が終わったら俺と軽い試合をしてほしいんだ」

俺が唐突にそう提案すると、嬉しそうな表情を見せたバーン。

そしてその一方で、渋い顔へと表情を変えたポルタ。

……あまりにも両極端な反応だな。

「おっ!それ、面白そうだな。もちろん受けさせてもらうぜ。五人、みんな参加のトーナメント方式を行っていくのもいいかもな!」

「盛り上がっているところ、申し訳ないのですが……僕は反対ですね」

表情から見て分かった通り、互いに正反対の意見を言ってきたバーンとポルタ。

うーん……俺的には引き受けてほしいから、バーンにはポルタを説得して欲しいところだけど、どうだろうか。

ポルタの反対する意見次第だな。

「はぁ? ポルタはなんで反対なんだよ」

「……いや、護衛で来てる訳ですし、試合に気を取られたらまずいじゃないですか」

「試合しながらでも警戒くらいは出来るだろ。それにコルネロ山の魔物ならアングリーウルフとアンクルベア以外は警戒しなくても大丈夫だ………なあ。もしかしてだけど、ルインに負けるのが嫌だからじゃないのか?」

バーンがポルタにそう告げると、分かりやすいくらい体を跳ねらせて反応したポルタ。

表情も何故分かったのかと、言っているようにも見える。

「…………だ、だって……護衛しているのに、護衛されている人より弱いって駄目じゃないですか!?」

「やっぱそうだったか。パーティとして強ければいいんだし、個人の強い弱いは別に関係ないだろ。それに前のアングリーウルフで、俺達は既にルインに助けられた訳だしな」

どうやら本当に、ポルタは俺に負けるのが嫌で試合をしたくないらしい。

まあでも、逆の立場からしてみれば確かにそうか。

護衛しているのに一対一の試合で負けたら、明確に優劣がついてしまうもんな。

「それならポルタは試合をしなくても大丈夫だよ。ポルタの言わんとすることは俺も分かるからさ」

「…………ううーん。それを言われてしまうと、引き受けざるを得ないんですよね。ここで試合をしないことを了承したら、どっちみち負けたのと同じじゃないですか」

「相変わらず、ポルタはめんどくさいことばかり考えるな。いいんだよ、ルインはもう俺達のパーティみたいなもんなんだし。なあ?ルイン」

「うん、そうだよ。今回の模擬戦は遊びみたいなものだからさ。そもそもポルタは後衛の支援が役割な訳で、もし負けたとしても後衛じゃ仕方がないでしょ」

バーンと俺でそう説得すると、渋々だがポルタはゆっくりと頷いた。

よしっ! これで模擬戦を取りつけることが出来た。

昨日のキルティさんとの模擬戦は楽しかったからなぁ。

戦って分かることもあるし、【鉄の歯車】さん達との模擬戦も楽しみだ。

それからいつも通りに植物採取を終えた俺達は、拠点へと戻る。

採取結果はかなり良く、魔力草が多めに採取出来たのに加え、ダンベル草がなんと3つも採取できた。

それから、かなり久しぶりに新種の植物も採取できた。

クラーレの葉と言う植物で、効能もかなり使い勝手の良さそうな植物。

【名 前】 クラーレの葉

【レベル】 43

【効 能】 麻痺(中)

【繁殖力】 極低

【自生地】 コルネロ山

鑑定結果はこんな感じで、効能にしては初めての中効果を持つ植物が手に入った。

それに効能が麻痺だし、毒入りスライム瓶の第二弾が作れるかもしれない。

レベルが高いことから生成には多くの魔力を必要としそうだけど、スライム瓶の威力次第では、大量生成してもいいかもしれない。

大満足な採取結果にホクホク顔で拠点へと戻ってきた俺だったのだが……拠点に近づいた辺りから、いい匂いが漂ってきていることに気が付く。

――このスパイシーな食欲をそそる香りは、カレーか?

もはや馴染みのありすぎる匂いなのだが、それでもテンションは上がる。

「この匂い……ライラとニーナの料理の匂いじゃないか?」

「恐らくそうだと思いますよ! この後の模擬戦のことで少しブルーな気持ちになっていましたが、この美味しそうな匂いはテンションが上がりますね! 何の料理でしょうか!」

二人も匂いに気が付いたようで、嬉しそうに話している。

やはりカレーは匂いがまず美味しいもんな。

俺はここ三カ月間、毎日食べているが、未だにカレーの匂いを嗅ぐと嬉しくなる。

それと、カレーの匂いで約束の件も思い出した。

クライブさんのお店を紹介してもらった時に、カレーの食べ比べを行うと約束していたのだ。

もうかなり前だし、俺は記憶から抜け落ちていたのだが、二人が覚えてくれていたのは嬉しいな。

…………うーん。俺の手元にダンベル草が三本あるし、グルタミン草も採取出来ている。

カレーの材料がまだ余っているなら、俺直伝のダンベル草カレーを振舞ってもいいかもしれない。

カレーの食べ比べに急遽参戦したくなった俺は、そんなことを考えながら、いい匂いを発している拠点へと戻ってきたのだった。