軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

94 テストのご褒美について

「なあ真昼、今度の土曜日、樹と門脇が俺の家で勉強会するんだけどいいか?」

夕食後、共にシンクに皿を持っていきながら、真昼に思い出したように告げる。

周が今回のテストは集中して勉強するという事で、ついでに樹と門脇が一緒に勉強してもいいかと言ってきたのだ。

ちなみに、樹はやれば出来るけどやらないのでほどほどの成績、門脇はそつなくこなすタイプで上中下で言えば大体上の分類だ。スポーツと容姿に秀でているだけではなく勉強まで出来るのだから脱帽である。

周としては、別に樹達が居ても勉強自体は出来るので、勉強会自体は構わなかったのだが……ご飯を作りに来てくれる真昼としてはどうなのだろうかと心配になったのだ。

「別に構いませんよ。皆さんの分もご飯を作ればいいのですか?」

「そうだな、そうしてくれるとありがたいというか……良いのか?」

「量が増えるだけですから構いませんよ。……私もご一緒していいので?」

「まあ真昼がいいなら。……千歳も呼んどくか? まあ予定が空いてるか分からないし、あいつ真面目に勉強するか分からんが」

千歳はあまり真面目ではない。勉強が出来ないといった訳ではないのだが、決して頭がいいとも言えないくらいだ。

彼女が真面目に勉強しているところはあまり想像がつかないが。

「それには及ばないというか……そもそも、呼んでますし」

「え?」

「いえ、今回のテストそれなりにいい点数取らないとお父さんに言われるー、と言っていて丁度土曜日に千歳さんと勉強するつもりでした」

「もうそれ千歳狙ってないか?」

この勉強会は樹からの提案であったし、千歳の予定を知って提案したのではないかと疑ってしまう。

あいつらめ、と苦笑しつつ油がついた皿を湯でさっと流しつつ皿洗いを始めれば、真昼も小さく笑って冷ましておいた残り物をタッパーに詰めている。

「まあ、狙ったにせよ狙ってないにせよ、賑やかな勉強会になりそうですね」

「真昼は静かでなくても大丈夫か?」

「私は平気ですよ。それに、日頃から勉強してますのでそこまで焦らないですし」

この余裕の発言は真昼が日頃から努力を欠かしていないが故のものだと分かっているので、さして何も思わない。

ただ、その効率よく勉強していけるところはどうやっているのかと気になりはするが。

「なあ真昼、あとで真昼のノート見てもいいか?」

「別に構いませんよ。でも、周くんのノートも綺麗ですよね」

「まあそれなりに整えてるからな。でも、学年一位のノートは気になる」

「期待されるほどではないですよ」

真昼はくすりと笑って冷蔵庫に残り物をしまっている。

冷蔵庫に格納された夕食は明日の周の朝ご飯になるため、洗い物をしつつ真昼に心の中で拝んでおく。夕食だけでなく朝食まで真昼手製のものが食べられるので、毎日充実して健康的な食生活を送っている自信があった。

「周くん、今回のテストは頑張る気満々ですね」

「まあ、自信つける一環だし。折角なら本気で取り組もうかと思って」

「そうですか。……じゃあ、もう少しやる気出してあげましょうか?」

「やる気?」

「周くんが十位以内に入ったら、膝枕と耳掻きしてあげます。前熟睡してましたから、気に入ったのかと思いまして」

まあご褒美になるか分かりませんけど、と付け足して笑った真昼に、周は皿を洗いつつ「すごいご褒美だ」と声に出さずに呟く。

なんて事を言い出すんだ、と思いつつも膝枕の魅力は捨てがたくて、断ろうにも隣の真昼が「嫌ならやめときますけど」と少し寂しそうに言ったので「取れたらしてもらう」と反射的に返してしまった。

あまりに欲求に素直な自分にちょっと引いてしまったが、真昼は「じゃあ約束ですね」と少し照れ臭そうに笑ったので、まあいいかとあっさり欲求を認めて受け入れてしまったのであった。