軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

3.なにしろ道中暇すぎて

フーテンさんから送られた教本のラインナップ。

まず『テレポート』『ポータル』『リターン』。

この辺は移動系、空間属性。

『テレポート』は短距離瞬間移動。狙った場所に移動するのが難しく事故りやすいが、緊急回避として接敵をはがせるため、魔法師の鉄板。

『ポータル』は空間属性の魔石を利用しての都市や街、フィールドのセーフティエリアへのPT単位での転移魔法。先にポータルポイントを設定する必要がある。ポイント数は魔法師ランクに準じ、見習いは1、魔法師は3。以後増えていき、現在は最大で10。

『リターン』はホームポイント転移やダンジョンからの帰還魔法。これも魔法師の必須魔法。帰還石の登場で立場が脅かされつつあるが、まだ現役。

『ミスト』は水属性。霧を作る魔法。水まきが捗る?

『ライトニング』は雷属性。

ミスト→ライトニングのコンボは有名。

ライトニング単体では貫通系単体攻撃魔法だが、ミストを組み合わせると範囲魔法になる。ただし水を被った味方も巻き込むため、PTでの運用は非推奨。

それから『マジックセンス』『ロック』『トランスファー』『ターゲット』『パウダー』。

この辺は無属性。

『マジックセンス』は魔力を感じるための魔法。『魔力感知』というスキルがあるので、それの下位互換。魔法師ではない斥候職が主に使う魔法らしい。スキルと違ってSPがいらないので、そこそこ人気な魔法。ちなみに元々、属性にかからない特殊枠で売ってたみたい。

『ロック』は魔法鍵。鍵をかけて、開ける魔法。ロックでかけた鍵はアンロックで開く。ひとつの魔法で開閉どちらも出来る。開けられるのは魔法鍵のみで、普通の鍵には無力。

『トランスファー』は魔力の塊をやり取りする魔法。以前フーテンさんに使ってもらったやつ。接触でのみ発動するMP譲渡魔法。わりとみんな持ってる。

初期は特に回復魔法の消費が重くてPT間での融通が必要になるのと、教本で覚えられる人が多かったことが取得多めの理由らしい。

『ターゲット』は絶対不可避のマークをつける。次の魔法攻撃が必ず当たるマーク魔法。これ自体が魔法攻撃のため、抵抗・反射されると無効。『狙う』の魔法版?

『パウダー』は粉を作る魔法。…こ、粉??? なにもわからない。

こんな感じ。

全体的に斥候向けとして選んでくれたのかな。受付さんにそう伝えたのかもしれん。

それにしても、粉???

とりあえずMP全快、レトも帰した状態で全部パラパラして読めるものを探す。『テレポート』と『マジックセンス』『トランスファー』が読める。

レトを呼ぶと『ロック』『トランスファー』。帽子を外すと『ライトニング』『ターゲット』『トランスファー』か。

『トランスファー』はこれまでになく幅が広いな。教本で覚えられる人が多かったのも納得だ。

他はMP値がまだわからないので、おいおいどの辺で覚えられるか探す。だいぶ後回しになりそうね。

しばらく読めない本は、マイルームの本棚に入れておく。読めるものは、インベントリで持ち歩き。

どれから覚えようかな、『マジックセンス』が何が見える(?)のかわからなくて楽しみだ、これにしよう。

あと『トランスファー』は公式が推してるようだから、これも先に読むかな?

『テレポート』はルイたちと離れてしまうから使いづらそうだし後でいいか。接触してれば一緒に転移出来るらしいけど、戦闘中はそうもいかないだろうし。

『ライトニング』は護身用に欲しい。でもミストと組み合わせるのはやはり難しそう。『インパクト』あるし優先度は低めだ。

『ターゲット』は『ライトニング』と組み合わせて使うくらいしか思いつかない、これも後でいいだろう。

さて。

旅に出ましたよ、と。

ポクポクと街道を南下しているところ。

…暇だー。

街道を通っていると、何もない。魔物もいないし、採取スポットもない。ほんとになーんにもない。

平原がどこまでも広がっていて、緑は青々としていて、のどか。遠くに牛とか見えたりする。たぶん近づくとかなりでかいやつ。たくさんいる。

景色はいいけど、代り映えしなくてすでに飽きた。かといってルイに乗りながら教本を読むのもなあ。

平和な道中でいいことだけども。

暇…。

『緩募)ロバの上で可能な暇つぶし』

『1.本を読む 2.魔法の習熟度稼ぎ 3.お話しする?』

『にゃあ~~。フーテンさんは何してるにゃ?』

『ダンジョン攻略してる~~』

『攻略集中しろにゃ』

相変わらず秒で返ってくるから、露店でもしてるのかと思ったわ。暇そうに見えても何をしているかわからないな…気をつけよ。どう気をつけていいかわからんが…。

魔法の習熟度稼ぎかー。出来るのが『ジュエル』くらいしかないなあ。

『生活魔法』に含まれる魔法は習熟度がない。だから本当は各魔法のいちばん弱い魔法を教本で覚えて、そっちを使っていく方が習熟度が稼げる。教本代で15万かかるのが難点ですな。へへ、ちょっとひよっちゃった。

『アポート』出来そうなものは特にないし、『インパクト』はルイに当たったら申し訳ない。新しく覚えた『トランスファー』は相手がいないと使えないし、『マジックセンス』は効果時間が5分ほどあるので、習熟度は稼ぎにくい。あと地味に消費重い。50MP。

実は『ジュエル』には、めんどくさい特徴がひとつある。

作った宝石を手に持ちながら『ジュエル』すると宝石は消えて、更に新しい宝石は作れない。つまり不発するのだ。

宝石をレトに渡したり、違う場所に置いておけば宝石の接続時間内でも新しい宝石が作れる。でも手に持ってるとダメ。

だから習熟度を稼ぐにはレトに持っててもらうか、捨てていくしかない。

幸いにしてレトは『ジュエル』で作った宝石が好きなので、2個でも3個でも抱えて持ってくれる。でも出来れば1個を両手に持って眺めていたいようだから、たくさん渡すのはちょっと申し訳ない。

しかし暇だし、習熟度を地道に稼ぐか、と『マジックセンス』を使う。残念ながら、特に視界は変わらない。何もなーい。代わり映えのしない風景だ。

しかしこの状態で『ジュエル』すると宝石が生み出される過程が見えて面白いことがわかった。

ぐーっと魔力が渦を巻いて実体化していく。更に宝石を手に持ったまま『ジュエル』を使ってみると、まず宝石が砕けてその魔力が手の中を漂い、形になろうと渦を巻くけど、どうやら魔力量が足りなくて霧散してしまうらしい。

不発だからMP消費しないんだと思ってたけど、どうやら宝石の魔力を使って『ジュエル』を作ろうとして、足りないから失敗してるらしい。

試しに『拡大』して2倍消費の宝石を作ってみる。大きくなると思ったけどサイズそのまま、輝きが増した。キラッキラよ。

この宝石を握ったまま、通常『ジュエル』をすると……、おお、ちゃんと渦を巻いて成形完了。普通の宝石が出来上がって、残りの余った?魔力はしばらく漂っていたが消えた。そしてMPは減ってない。

うーん、3分間だけの外付け電池ってこと?? 以前聞いた『魔晶石』というやつかな? これで何が出来る?って話なんだが。何も思いつかないなあ。

人に魔力を渡すだけなら『トランスファー』があるし、3分じゃ貯めておいて後で使うみたいなこともできないし、いったいどうやって使うのが正しい魔法なんだろ?

粉を作る魔法も大概謎だし、無属性魔法、変なのが多いわ。

宝石を手のなかで転がす。まあ、これはこれでブリッツに出来ているし、まったく使えないってわけじゃない。

各属性魔力で作れたら便利そうだけど、そんな器用なことは出来そうにない。無属性の魔法を火属性で出すとか、出来たらおかしいもんねえ。『二重詠唱』があれば出来るんだろうか?

誰か猫の代わりに試してくれないかな~~と他力本願に思うのだが、残念なことに『ジュエル』の取得者がいない。掲示板でも見つからなかった。

冒険者ギルドの書庫から七不思議ラビリンスのリドルを解いたフーテンさんたち一行も、ジュエルではなくみんな違う魔法を得たんだそうな。傷がついてる宝石もそれぞれ違ってたってさ。

たぶん、込めた魔法と宝石によってもらえる魔法が違ってくるんじゃないかって話。みんなは強力な攻撃魔法とか、バフ魔法とかを得たらしい。

微妙な猫の魔法とは違ってうらやましい!

騎乗してる猫がくだまいてる間にもルイが頑張ってくれたので、今日は大分進めた。この調子なら明日には廃都に着けるだろう。順調!

休憩がてら、ちょっと街道を外れて草原へ出る。セーフティーエリアじゃないけど、見渡す限り何もいないし、いてもミミットかジェリだし問題はない。

新しくまた『マジックセンス』すると、採取スポットと重なって光って見える。『採取』なくても草が取れる仕組み? 『発見』ともちょっと似てる。

ルイには『黄キャロ』をあげて、ブラシをかけて労をねぎらう。ルイのおかげで、猫は座っているだけで旅が出来ている。ありがたや。

レトには半径30mなら遊んでよしの許可をだす。なお30mは『アポート』の有効範囲だ。何かあっても速やかに確保可能ライン。

まだ覚えてないけど『ターゲット』って、たとえば事前にレトにマークしておいて『アポート』すれば、効果範囲内なら隠れてても確保されちゃうんだろうか? これも謎な魔法だ。

通常、魔法には照準がついていて、外すことはない。自動追尾とまではいかないけど、多少ズレてても当たるように出来ている。

しかし中にはスピード重視の魔法があって、これには照準がついてない。チャージ時間がやたら短く、まっすぐしか飛ばない魔法だ。

有名なのだと『クイックヒール』。他のヒールと違い詠唱がほぼなく、習熟度やスキルLV関係なく速攻で発動する代わりに、まっすぐしか飛ばない。おまけにフレンドリーファイアがある――つまり敵を回復させてしまうこともある。

しかしMP消費も軽いので、初心者の内はよく使用される。でもこれを使ってると他のヒールの習熟度が上がらないので、治癒師になるなら早々に切り替えて大変でも習熟度をあげていかないとならんそうな。まあ、治癒師でヒールの詠唱速度が遅いとか致命的だもんね。

『セルフヒール』や『タッチヒール』も詠唱短めで発動が早いが『クイックヒール』には劣る。だから緊急回避用に混ぜて使ってる人も多いとか。なお避けタンクには使えない。

ヒールの種類ってほんと山ほどあるし、ヒーラーって大変ね。

猫もルイやレトのために何かヒールを覚えようと思ってはみたんだけど、回復魔法は全般的にMP消費が重い。消費が軽いという『クイックヒール』でさえ30MPだ。猫すぐ枯れる。ヒーラー向きじゃない、てことであきらめた。

当面は『手当』やレトのポーション係でなんとかするとして、そのうちヒーラーになってくれる従魔か、召喚妖精もスカウトしたいところ。わりとレアらしいけども。

閑話休題、非照準魔法の話。

そういうすぐ発動まっすぐ飛ぶタイプ以外にも、いわゆる狙撃系といわれる、威力しかなくて照準は自分でつけないといけない魔法もある。『フリージングスナイプ』とか、~~スナイプって名前がついてるのが主な狙撃系だ。なお名前が名前なので、自分で狙撃するのではなく自動追尾がついていて当てやすい魔法だと勘違いする人も多い、罠魔法である。

ロマン砲に似てるけど、あれは魔法を理力で弄ってどうにかしてるみたいだから、狙撃系とはちょっと違うらしい。何が違うのかはよくわからないが、狙撃系はレイドでも活躍するのでロマンじゃない、そういうことなんだろう。

いやあ、いろいろな魔法があるね~~。ややこし。