軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

27.灰色琥珀

ドラゴンフルーツってたしかサボテンの仲間だったはず。サボテンの育て方とか、農業ギルドにあるだろうか?

猫もリアルでサボテン育ててるけど、種から発芽させたことはさすがにない。未知の領域だ。

『火竜鳥の糞』はまだあるし、ちょっとなら挑戦してもいいかな。それにセルバンテスさんと交渉したらまだまだもらえるような気もするし。露店で買取りしてもいい。

まずは調べてみようっと。

『火竜鳥の糞』で他の属性圧縮も気になるが、種がひとつでは失敗しそうなのでひとまず同じ木属性で圧縮しておく。

羽根も仕込んだし、あともうひとつは『海大鳥の糞』……あのアザラシ島のペンギンの?と思われる糞を圧縮してみる。鳥の糞ならなんでも種が出来るってわけじゃないだろうしね。あそこ木とかなかったし、ましてペンギンだし。

実験~、てことで特に面白味もなく今回は水属性で圧縮。だって海だったから。

はい、ガラガラしてポチ。

……12時間。

予想外に長い。はたして何が出来るのやら~。

にゃん。

あれこれ放置しすぎてやることリストが伸び伸びである。整理するぞ!

『掘出しもの屋で入手した未鑑定アイテムや『岩石』を鑑定してもらう』

『従魔の装備を整える(新しい鞄、蹄鉄)』

『属性銃について調べる』

『魔法師ギルドで教本を買う(露店暇つぶし用)』

『農業ギルドで『金炎の種』や『竜果』について調べる』

『料理人ギルドで魔法コンロを買う』

『部屋の増築と拡張、家具を買う』

『ギルド畑のお手入れ』

『モンシラのタマゴを孵化させる、前にテイマーギルドでチョウについて調べる』

『プレゼントボックス(SR)他開封』

思い出せる限りでこんな感じだろうか。もうすでにいろいろ忘れている気がする……。

な、なんか他にあった? あった気もするけど、まあいいか。

まずは鑑定してくれるお店探し。それからギルド通りへ行って書庫と売店。

従魔の装備は、猫が30LVを越えない限り売店のラインナップは更新されないはずなので、装備更新というより足りないものを補うのが主な目的だ。30まで待つにはすでに停滞気味にゃん…。そうそうレイドなんて参加できんし、ソロで上げるのは大変なのだ。猫もちょうどいい狩場を見つけねば。

コンロ……、コンロは急いでないし後にしよう。

錬金釜3つのせいで机が圧迫されているので、棚か机を増やす必要がある。家具の位置問題もあるので、場合によっては拡張だ。

プレゼントボックスはさくっと開封してしまいたい。たまにレアで家具出るし。

たしかノーマルが10個近くと、SRが1箱あったはず。なおSRは、SR確定箱。楽しみだ。

モンシガ狩り参加のユミーさんいわく、おそらくこのプレゼントボックスは『自由都市の悪夢』が別の場所で出た場合のBOSS宝箱をアイテム化したものだろうとのことだった。

なので通常のSR箱より中身に偏りがある。でもSRしか出ないので、BOSS宝箱よりよいそう。BOSS宝箱は素材も出ちゃうからね。

ちなみに先に開けた人々によると『悪夢のエッセンス』『まとめて刈り取り鎌』『手伝い妖精召喚符』などが出たらしい。アクセサリー、武器(道具)、アイテム。

よし、開けるぞ!

そーれパカパカ。

まずSR箱は『悪夢のピアス』、アクセサリー。ヘイト減少と回避増、スイッチアタッカー向け装備かな?

それからノーマル箱。

『薬草』『雑草』『薬草』『幻覚草』……またこの箱、草しか入ってないな!? と思ったら来たぞ『三段カラーボックス(白茶)』!

カラボは棚ではなくディスプレイ家具で、段にそれぞれ小サイズの家具をしまっておける。まさに錬金釜にうってつけのアイテムといえよう。しかも三段! やったぜ。SRより嬉しいかもしれない。

残りの箱はまた草だったけど許します。

早速カラボを設置して床に直置きされていた『錬金釜』たちをしまっていく。うんうん、スッキリ。このまま使えるし、よきかな!

これで机の上で『真円錬成陣』が出来るので、錬金工房問題も解決。……『菱形錬成陣』の導入は遠くなりそうだ。

三段カラボ、そんなに高くはないんだけど家具ショップのラインナップが赤と水色しかなくて、買ってなかったんだよね。白茶が手に入って嬉しい。

『悪夢のピアス』は猫かルビー用かな。ラージにヘイト減少つけても仕方ないし、ルイは鞄でアクセが埋まってる、レトに回避増つけてもお察し、レキは戦闘参加しない。

ただルビーにピアスってどこにつければいいんだこれ。調べてみたら鳥類へのピアス装備は、首元に現れるらしい。どうついているのかは考えちゃいけないやつだ…。

猫はアクセサリー枠1つ空いてるが、猫耳は繊細なのでピアスはつけたくない。

調べてみたらピアス装備も、『ジャボ』のようなアクセサリーを集約する装備につけられるらしい。

早速つけてみる。紫の蝶と黒い星の組み合わせだが、小さいので派手じゃない飾りだった。ロニの『五光のブローチ』のアクセントみたいで可愛い。

学園都市召喚師装備にもあっていていい感じ。

さて、次は「鳩ポッポ商店街で鑑定してくれる店を探す」、これだな。

いざ行かん!!

はい。

鳩ポッポ商店街をうろうろして鑑定してもらった結果、『岩石』はなんらかの宝石入りということがわかった。しかしこのままでは中身が何かわからないため、NPC売価は『岩石』と同じらしい。そういうシステムなのね!

やたらと重い『岩石』は宝石ではなく、金属が取れるとのこと。こちらも売価は変わらず。

鍛冶師や装飾工であれば色をつけて買ってくれるかも、とのことだったが、残念ながら猫はその辺のNPC職人さんには縁がない。硝子連合にわざわざ買い取ってもらうのも悪いしな~。

マケボではメッセージとかつけられないし、露店用商品ですな。

そしてアザラシからもらったやたらと軽い『岩石』は予想外に、石ではなかった。

「『灰色琥珀』にゃ?」

「ええ、とても珍しいアイテムよ」

教えてくれたのは雑貨店のおばあちゃん。以前、ロニのための水晶石を勧めてくれた人だ。

『灰色琥珀』は琥珀といいつつ樹脂ではなく、また鉱石でもなく、海を漂う謎のアイテム。島の砂浜に稀に漂着する。それ以外では入手が不可能、また漂着したものを見つけるのも、見た目が石にしか見えないためとても難しい、らしい。

何に使えるかというと、『呪術』の触媒や、『香水』の材料になるそうだ。ちなみにこのゲームでは『香水』はアクセサリーと、消耗品アイテムと2種類ある。

『呪術』ってなに!? そんなのあるんだ。知らんかったな。

しかし香水の材料になる、海を漂う琥珀……といえばやはり 竜涎香(アンバーグリス) だろうか。

リアルでは絶滅危惧種のマッコウクジラの胆石であり、希少価値の高い品である。

案外、この世界では本当に竜から取れたりするのかもしれない。どっちにしても希少そう。

「うちで買い取ってももちろんいいけれど、せっかく手に入れたんだもの、魔道具マーケットへ行ってみたらどうかしら。あそこなら何か作ってもらうことも出来るわ」

「にゃあ、一度行ってみたいと思ってたにゃん~」

魔道具マーケットは、属性銃のために行ってみたかった街だ。

自由都市エリアにあるが、たしか夜にしか辿り着けないという、ちょっとややこしい場所にある。しかし第三エディションからは 転移施設(ポータルポート) での移動が可能になり、お手軽になった。

面倒なのはそこだけでそんなに遠くはないようだし、場合によっては地図を見てルイと徒歩移動もいいかも?

そして『清潔な石ころ』ではなかった『石ころ』は、ただの『石ころ』。

「にゃん?」

「あらあら、もしかして『浄化』をかけてしまったかしら?」

「かけたにゃん」

「じゃあ、それで消えてしまったのね。『石ころ』には、生えている苔や、ついている泥、虫なんかが有用な場合もあるのよ」

「知らなかったにゃん~…」

『石ころ』の場合は、石そのものより付着物が重要なことの方が多いのだそう。それは大失敗。今度から気をつけねば。

そして大本命の『未鑑定の本』は教本……と思いきや違った。

「これは『トロンポス・ベル楽譜』ね」

「楽譜にゃ?」

「ええ。文字通り、トロンポス・ベルの楽譜よ」

「トロンポス・ベル」

なんだそれは…? ささっと調べてみると、リアルにはないゲーム独自の楽器らしい。

クラリネットのように真っ直ぐで、ベルの部分が大きく、キーはない。よくある簡略化されたラッパの絵とか、そう、トランペットリリーに似てるかも。

これは……かなり予想外だぞ? 中をパラパラ見ても、五線譜ですらなく何もわからない。

ううん、売るしかないかもしれない。残念。

「他に鑑定が必要なアイテムはあるかしら?」

「にゃあ………あ!」

おばあちゃんに聞かれて思い出した。そうだ、アルテザでトミちゃんに選んでもらったブーツは謎に何かありそうじゃなかったっけ。

早速、鑑定を依頼。

「あら、まあ。これはまた珍しい品ね。妖精が作ったブーツだわ」

正式名称は『妖精ブーツ』で、どうやら『亜妖精ブーツ』の上位互換であるらしい。なんと。

『亜妖精ブーツ』は魔力上昇だが、『妖精ブーツ』はそれに加えて器用値の上昇効果があるそう。ほうほう。

ちなみに『妖精ブーツ』を目指して人族が作ったものを『亜妖精ブーツ』っていうんだって。なお妖精族が作っても『亜妖精ブーツ』らしい。

よく鍛えられた手伝い妖精の『革工』からのみ産み出されるのが『妖精ブーツ』とのことだ。

「これは隠蔽されていたことで、効果が落ちてしまっているみたい。一度修理してもらうことをおすすめするわ」

未鑑定状態でも装備出来ていたのは『隠蔽』という別のスキルで加工されていたからで、これは呪いのアイテムなどによくある加工らしい。お、おう。

鑑定後に『革工』に修理してもらうことで『隠蔽』は解けるので、その後に履くと正しい効果が発揮されるようだ。

このブーツ、軽いだけで特に効果なかったからね。

しかし『革工』に修理を依頼か。知り合いの革工といえばエドさんか、アルテザのショーユラさんくらいしかおらん。二人とも今は忙しそうだしなあ。

NPCのお店を探してみようかな。

「ありがとうにゃん、とっても助かったにゃん~!」

「どういたしまして」

上品に笑うおばあちゃんはとてもよいもの。

何も売買しないのも申し訳ないので、以前も買った木の器を4つ( 色月明(いろつきあかり) をそれぞれ置く用に)購入。

それからおばあちゃんのアドバイスにより入手できた『属性水晶』をお裾分けした。山ほどありますからな!

「あらあら、ありがとう。お友だちは元気にしているかしら?」

「元気にゃん~、次の月夜で一周するにゃんよ」

「一周したらおうちを新しくしてあげるといいわ。丸いおうちが好きなように見えるけど、まだ早いから気をつけてあげましょうね」

「にゃあ…、わかったにゃん」

丸いおうち…。ラウンド(丸)には入れるけどダメ、て話? オーバル(楕円)なら大丈夫だろうか。

おばあちゃん、おっとりしてるんだけど言いきった後にニッコリするところが質問には応じないぞ、という手強さを感じる。NPCにもいろいろなタイプがいるな…。

さてさて、鑑定してもらったし、次はギルド通りへ行って書庫巡りして、畑かな!