軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

31.ランク5達成と『ジュエル』

『料理人』がついにランク3の『駆け出し料理人』にランクアップ。

ほんのちょっと足りないだけだったのに、長らく何も作ってなかったからなー…。

やはりコンロを買わないことには、ぜんぜん料理をしないということがよくわかった。

でも猫は最近、ちょっと『調薬』も悩んでいる。

回復アイテムの効果を上げるようなスキルについてリーさんに聞いてみたんだけど、『調薬』の実績解除に『薬効増強』があるんだって。それがポーション系を使用時に効果を強化するスキルだそう。

だから回復アイテムを強化するには、まず『調薬』が必要になる。

それにプレイヤー風猫族のオーソドックスな型は、『調薬』+『投擲』のデバフテイマー。

猫は『錬金術』で補おうと思っていたんだけど、こないだの隠者の村のことを考えると、『調薬』は取ってて損のないスキルなんだよね。

『 毒止(どくや) み茶』も茶葉作るのと変わらなかったし、リーさんいわく「材料いれてひたすら煮込むだけよ~」とのことだったので案外、『料理』より猫に向いているかもしれない。

『調薬』のラーニングも、試してみたいしな。各種レシピはもらってるし、材料もあるので、必要なのは時間、あるいはSP。

うーん、悩ましい。

ちなみに、アイテムの効果を上げるもうひとつのスキル、リーさんがメインで使ってる『アイテム投げ』と、『アイテム師』のジョブ。

これは狩人からの派生で、師匠が必要になるフリージョブだそうだ。

でも師匠が風猫族だから、どこにいるかわからないんだって。NPCはフレではないので、移動してしまっていると所在地のGPSがわからなくなる。

師匠探しもまた、フリージョブのクエストみたいなものなんだそう。

『師匠ちゃんがいうには、風猫族なら持ってるスキルだから、誰を相手にしてもいいって話だったわ!』とのことだったので、もう少し早く聞いておくべきだった…!

そうしたらミーさんから聞けてたかもしれないのに、残念無念。

しかし過ぎてしまったことは仕方ない。風猫族に確実に会うなら、妖精族の里に行けばいい。

いちばんわかりやすい妖精族の里はルイネアの里、つまりは、はじまりの街ルイネ。

旅行の終着点でもある。楽しみ!

…それはそれとして、コンロだ。

もし『調薬』もやるなら、『料理』用のコンロじゃなくて、『調薬』用のコンロが必要になる。ややこしいよねえ~~。

どういうわけか料理用のコンロで調薬すると薬が美味しくなり効果が下がるし、調薬用のコンロで料理すると絶妙に苦くなり効果が上がるのだ。

これを極めると『薬膳』という派生スキルが出る。コーラとかチャイ、ホットチョコレートみたいな元々薬だったような飲み物は、ジャンルとしてはここに入ってしまうらしい。ついでに砂糖の精製も『薬膳』持ちがいちばんうまかったりするんだって。

ポーツの浜辺で飲んだコーラ、美味しかった。

猫もチャイ好きだし『薬膳』そのものはいいんだ。ただ、料理用のコンロで『調薬』すると効果が落ちるっていうのは気になる。しかしコンロ2個買うのもな~~。

……錬金釜はダブりでもソイ!て買えたのに、コンロだとふたつ買う決断が出来ない不思議よ。

猫にだって財布の紐はあるの!!

『料理人』の実績解除スキルは『包丁さばき』『火加減』。

前者は『短剣』に分類される武器を扱うとき器用度と攻撃力がプラスされるパッシブ、後者は火を扱うとき細かい調整が効くパッシブ。

どちらも戦闘にも影響を及ぼすスキルで、短剣使いや火魔法師に愛用されている。

猫はいらんかな。それより早く『乾燥』のアーツを覚えたい。LV上げしないと…コンロ…!

……結局悩みに悩んでコンロは見送った…。だってこの後、買うものがあるんだもん。

『探索者』はランクアップなし、残念!

『秘密を発見する』『鏡月夜を観る』など結構ポイント高いのもあったんだけど、届かず。やはりランク5は壁だな。

『 黒月影(くろつきかげ) 』『 金月影(かなつきかげ) 』の納品もあった。『黒月影』は納品したけど、『金月影』は……。いくらポイント高くても出す気になれない。納品すればランクアップ出来たけど、見送りだ。

ランクポイントは替えがきくけど、これは鏡月夜まで作れない。鏡月夜がいつになるかは、まだ法則がわからないし。

魔法師ギルドに来た。

『おめでとうございます。魔法師のジョブランクが5になりました。SP10を入手しました』

『おめでとうございます。ジョブランク5に初めて到達しました。SP10とプレゼントボックスを入手しました』

やったぜ。

ついにランク5達成。

降り注ぐSPで潤っていく~。

すべてのジョブで、ランク5になるとSPが入る仕組み。ランク3で駆け出し、ランク4でいっぱしとなり、ランク5でちょっとは名が売れてきた、とかそんな感じらしい。一流までは全然いかないけど、中堅に足をかけたかな、くらい。

ちなみに次にSPをもらえるのはランク10。長い道のりとなる。現在いちばんランク高い人が冒険者の25、とか聞いたかな。果てしないね!

ランク5でSP10だと意外とお手軽って思うけど、ジョブにつくには前提スキルがいるし、5で取り返せても、次のランク10まであげるのはなかなか大変なのだそう。

ラーニングして5まで上げればSP儲かるけど、それにしてもラーニングそのものにも時間かかるし。

下手な称号がつくとNPCの対応に差が出るとあって、必要のないジョブスキルに手を出してSP儲ける手法も良し悪しだったりする。

その肝心のランク名がこれだ。

『内職魔法師』。

え、これ悪口系じゃない??

せっかく無属性覚えたのに!?と思ったけど、これはあれだ、「生産に魔法を使う」系をどんどこ報告したせいだ。

たしかに内職に魔法をたくさん使ってました…。何も反論できん!

ランクアップのポイントとしては「新しい『属性魔法』スキルを覚える」がいちばん大きくて、これでランク5の壁を越えたといっても過言ではない。

いや、これで半分以上取れたわけではないから内職になってるんだけども。

くぅ!! 半分取れてればきっと『無属性魔法師』とかだったに違いないのに!

ランク名はいわゆる『称号』扱いで、効果は次のランクへいっても、前の称号は消えずに蓄積されていく。なので称号が多少悪口でも、マイナス効果のつく称号はない。

ただ『ハリボテ冒険者』だと冒険者クエストでNPCが信用してくれなかったり、そういうことはあるらしい。対応するクエストで反応がある、みたいなやつ。

今回の『内職魔法師』は「生産に魔法を使用するとき効果増(微)」だった。

これがもし『無属性魔法師』だったら、「無属性魔法を使用するとき効果増(微)」とかになってたんだろう。くぅ!

まあ生産にプラスあるのはありがたいのでよいけど、それはそれとして無属性魔法にもプラスはほしい。

「無属性魔法を○回使う」系の報告が出てきたので、次はそれを狙ってこ。

魔法師の実績解除スキルは『魔の盾』『魔の剣』。前者はダメージをHPではなくMPで受けるスキル、後者は魔力で殴るスキル。なお魔法剣ではない。

殴りマジの目覚めを感じる。猫には縁のない世界だ…。

それから、教本売店。

やはり無属性系の本が増えていた。でもちょっと最近、教本は積んでるので…。せめて『マジックロープ』『パラシュート』『カウント』辺りは読み終えないと、新しい本は買えぬ。

そして『ジュエル』の教本はやはり無し、と。

「にゃん~、『ジュエル』っていう教本はないにゃん?」

「あら、そちらはたぶん宝石系魔法ですね?」

「宝石系にゃ?」

受付さんいわく、魔法名に宝石の名前が入ってる魔法を『宝石系魔法』と呼ぶそうだ。そしてこれらは主に『魔法オーブ』から手に入る魔法のため、教本が存在しない。

「にゃああ…。残念にゃ」

「私たちも宝石系魔法については研究してみたいと考えているのですが、如何せん、その人専用の魔法に近いようで。名前が同じでも、違うものが多々あるのです」

有名なところだと『スピネル・ファイア』『ジェイド・ウォール』などがあるらしい。前者は火、後者は土、もしくは木属性。

名前は同じだが、『スピネル・ファイア』は単体高ダメージ攻撃だったり、全体回復付きバフ魔法だったりと、人によって全然効果が異なるらしい。

『魔法オーブ』から手に入れた、というところだけが共通しているそうな。

あの七不思議ラビリンス転送クエストで入手なのだとしたら、宝石は同じでも、込める魔法が違ったのだろう。火属性魔法にも、バフ魔法はあるし。

フーテンさんの『フローライトニング』みたいな、属性ごり押し民がたくさんいるのね。

「ランさんのような、『ジュエル』というそのものの魔法名は珍しいですね」

「猫のはダイアモンドだったにゃん~」

「あら、やはり初心者のうちに、偏りのない状態で出会うとクリアな宝石になるようですね」

受付さんはメモを走らせている。

「無属性魔法で、時間で消える宝石が出来るにゃん。でもこれだけにゃんよ~。ブリッツとして撃つくらいしか使い道がないにゃん」

「ふむ…、一度見せてもらっても?」

受付さんに『ジュエル』を作って渡すと、マジマジと観察する。そして受付さんがなにかを唱えると、くしゃりと消える。

「あら?」

「にゃ、持ってる間に別の魔法を唱えると、ジュエルに込められた魔力を先に使うみたいにゃ。5MPで作ったから、5MP以上使う魔法だと失敗するみたいにゃん」

「なるほど、なるほど」

うんうん、とうなずいた受付さんは少し考えるように首を傾げたあと、指を2本立てた。

「有用な使い道としては2つ、あると思います」

「にゃん!」

「まずひとつは、拡大して持続時間と籠める魔力を伸ばし、簡易の魔晶石として使う方法」

魔晶石。

なんだっけ。

……あ、あれだ。ガラス工の『サンキャッチ』で作れるやつ。『ムーンキャッチ』みたいに日に当てると変化する石で、魔力が充填される使い捨て石。

なるほど?

たしかに、たとえば10分とか持つとしたら、戦闘前に用意して、その分のMPを時間回復しておけば、戦闘開始時のバフ分のMPくらいは賄える。

たとえば、レイドで暇してる時に作って誰かに使ってもらうのでもいい。

うむ、有用な使い方だ。ちょっと癖はあるけど。

「もうひとつは、これもブリッツとしての利用にはなりますが、相手の魔法攻撃に合わせて当てる方法です」

「にゃあ…、キャンセル狙いにゃん?」

「はい。接触しているとジュエルの魔力を優先的に使うのであれば、攻撃によるキャンセルタイミングではなくても、たとえば乗せるだけでも効果を発揮する可能性があります」

「すごいにゃん!」

おおお、さすが受付さん、聞いてみてよかった…! 猫には全然思いつかない使用法だったや。

乗せるだけ戦法、よいのでは? 乗せる方法は練習しなきゃだけど。

「ありがとうにゃん~、使い道が広がったにゃん!」

「どういたしまして。お役に立てたなら何よりです。それに、新たな魔法を知れる機会は得難いものです。教えてくださってありがとうございます」

「こちらこそどういたしましてにゃん!」

新しい魔法か。

16~18属性の教本は、ここには置いてなかった。しかし、猫も教本を持ってるわけでもなし、言っていいものかどうか。

猫としても、『ポヨの魔法式紙片』はまだ手離したくない。これならレトが覚えられるかもしれないし。渡すとしても、レトが試した後だ。

うむ、今日のところはこれで撤退、また次回!