軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

9.秘密の書庫

ログインしたらいつもと違う部屋だったのでびっくりした。そういえば増築しましたね。

窓がついてるから明るいし、狭いけど気になるほどではないかな。問題なさそう。ドア移動が出来るのもいい。今まで部屋の移動、メニューからだったから。

居間へ来たら『光源』を観葉植物の近くにおいて、『微風』、そして『流水』で水やり。最初はなんとなくやってたけど、ちょっと葉が大きくなったし、普通に育つみたいだ。ワクワクしちゃう。もう少し育ったら葉を切って増やせるか試したい。

掃除に『集積』が使えると聞くので試しに使ってみたが、これはよくわからなかった。そもそもマイルームって汚れるの? 『浄化』もかけておこ。

庭へ移動。

踝くらいまで草が伸びてきたかな? 庭全体に流水で水を撒いておく。

プランター、植木鉢のお世話。おや、プランターに雑草が生えている。ほったらかしで育てると、こういうのもあるんだなあ。ぷちぷちと雑草を抜くと、これはアイテムにはならずに消えた。もう雑草の芽は残ってないかな?

念のため『経過』をかけて生えないのを確認して、また水をあげておく。

植木鉢の 香草(マリッソ) はかなり繁ってて、現段階では雑草なのか香草なのかわからん…。

ちょっと『経過』をかけてみると、種類がはっきり分かれた。

『植物知識』のお陰かどれがマリッソかわかるので、雑草は抜く。こっちはアイテム化した。繁り具合によるらしい。

アイテム化した分、土は弱ってそう。肥料用の土が残っていたので足しておく。土、すぐなくなってしまうなー。今度はまとめて買っておこう。

もう一度『経過』をかけて、大丈夫そうなので水を撒く。

最後は毒草の植木鉢。これは2回育ててるし、分かりやすいので雑草を抜くのも楽だ。雑草もそのまま消えた。『経過』して水まき。

緑のお手入れはこんなもんですかねー。

白いローブに土汚れがついたので『浄化』。ガーデニングエプロンとか欲しい。

ついでに『経過』を庭に適当にふりまいて、『微風』も放っておこ。

さて出掛けるぞ。今日はギルドで資料室を見たあと、露店を出す予定だ。

何しろお金がもうないにゃん。

ルイとかぽかぽ街歩き。

どのギルドへ行こうか迷ったが、錬成陣の本をパラパラとしか読んでなかったから、錬金術ギルドに決めた。

しかしギルドってどこもかしこも閑散としてる。報告するか、売店を覗くかしかないし、たぶん売店に売られているものよりいいものが世の中にはあふれているのだろう。

そういえば『調薬』で作られた肥料は、探してみたけどマケボでは見つからなかった。たぶん人気のないアイテムなんだろうね。調薬してる人は、売るものがたくさんあるからマケボ枠足りないだろうし。ポーションがあれだけ種類あるのだ、仕方あるまいよ。

肥料のために『調薬』を取るかなあ。『調薬』の失敗作も錬金素材として気になる。

しかし錬金術師は『調薬』持ちがオーソドックスらしいから、別に踏襲せんでもな、とも思う。いや、道が出来てて便利か? ガラスの検証でもオワーッてなったもんね。

数字と細かい作業は苦手。猫だもの。

うーん、悩むわ。

錬金術ギルドの資料室で本を読みつつ、頭があっちらこっちらいっている。

錬成陣、わけわからん。錬成陣と名のつく本が多すぎる。

何冊かパラパラ見てみたけど、『真円錬成陣』が知りたいのに、『菱形錬成陣』と『星形錬成陣』の説明しかされてないぞ?

資料室には司書さんがいるようなので、司書さんに聞くと「珍しいものをお探しですね」と驚かれ「あまり必要とされる方がいないので、書庫にあるのです」と書庫に案内された。

そんなに利用者いないの、『真円錬成陣』??

書庫は冒険者ギルドの資料室のように薄暗く、例のランプが置いてある。

「魔力を入れていただけますか?」と司書さんに言われたので、『光源』で光属性を入れた。

すると書庫が明るくなると同時に、ポンとアナウンスが流れる。

『おめでとうございます。隠された秘密に辿り着きました。スキル『魔道工』が取得可能になります。SP10とプレゼントボックスを入手しました』

はい?

なんかわからないが秘密をクリアしたらしい。習得じゃなくて取得可能になったというのもややこしいな。上位職とかのルート管理なんかな?

「ありがとうございます、とても明るくなりました。お探しの本はこちらです。明かりが消えるまではご自由に本をご覧ください」

司書さんは、資料室へ戻ってしまうらしい。

渡された本は『真円の書』だ。なんかカッコつけた題名だな??

書庫なんだけど、隅っこに椅子があるのでそれに座って読もう。椅子の近くに来ると、いかにもな感じで本棚から飛び出ている本がある。

仕舞うと新しい書庫がゴゴゴって出るんです? それとも「封印を解いたのはお前か…?」とかなんか出てきちゃうやつです?

うーん。どっちも猫は嫌にゃん。読む本は困るほどたくさんあるし、変なのに絡まれたくない。

ということで飛び出てる本はスルーして、椅子をちょっと失礼して位置をずらした。よし、これで乱れた本は視界に入らない。

『真円の書』はかなり簡単だった。他の錬成陣に比べると全然シンプル、わかりやすい。

……中央に魔力を注ぐアイテムを置き、媒体となるもの(主に粉か水滴)を真円に振り撒いた後、魔力源に魔力を注ぐと、魔力路を通って品物へ魔力が注がれる。

その際、適切な魔力を注ぐことが重要だ。多すぎると増加してアイテムが破壊されるし、少ないと減衰してアイテムまで魔力が通らない――

……魔道具に魔力を注ぐような強さで行うこと。複数回魔力を注ぐ際にはプールポートを使用すること。

プールポートとは、注がれた魔力を一時的に貯めておく魔石の代わりとなるもので、錬成陣上では◇で表示されている。

ここに魔力を含みやすいものを置いておく。プールされた魔力がいっぱいになると、次の魔力と一緒に送り出される。

プールポートとなるアイテムは末尾に『玉』がつく――

ほむ。

プールポートっていうのはビー玉でもいいのかな? いや、むしろ雑草玉でもいいのか? でかいですけど??

錬成陣のサイズ的に雑草玉はアウトな気もする。投石玉も無理そう、無難にビー玉がよさそう。

プールポートとして使用後のアイテムは磨耗し、いずれ消失する、と。ふむふむ。

……魔力を注がれるアイテムは欠けている必要がある。何故なら完全体では隙間がなく、魔力を弾いてしまうからだ。

中空の玉や瓶、ヒビや屑の入った石、死骸などが望ましい――

はい。

瓶と言えばガラス瓶だが、ヒビや屑の入った石ってなんだろう? 前者はクラック水晶とか、後者はルチルクオーツみたいなやつかな? この世界にその辺の半貴石が存在するかわからないけど、似たようなものがたぶんあるのだろう。

最後の死骸についてはどういっていいか…。魔物はドロップに変わるから、魔物以外の死骸ってこと?

中心円は3cm未満だから、入るとしたらカヤネズミやハチドリのような小型生物とか、あとはまあ虫、爬虫類とかかなあ。そういうの、あるんだろうか?

リバーフィッシュはさすがに3cm以上あったけど、稚魚とか、メダカとかならいける??

うーむ、爬虫類・虫類はそこまで嫌いじゃないので、機会があれば狙ってみましょうかね、虫取網買ったし。

そういえば『釣り』スキルあるのに釣りのギルドって見なかったな。

うーん、漁師ギルド? 海がないからないとか? それとも別の場所にあるのか。スキル毎にギルドがあるわけではないみたいだけど、『運搬』も運送ギルドとかあってもおかしくないよね。

釣りは系統としては採取だし、運搬系の依頼は冒険者ギルドにもあったし、まるっと冒険者ギルドに入ってるのかも?

いやいや、そんなことより今は本に集中だ。

……魔力源へ魔力を注ぐ際には手で行っても構わないが、指輪の発動体はそれ自体が魔道具であるため反発してしまう。使用前に必ず外すこと。錬成陣を扱う際には指揮杖か、羽根を使うのが望ましい――

えっ、羽根?

何故ここで羽根?? 羽根ペンとかってこと?

装備に羽根ってあるんだろうか?

頭が羽根でいっぱいになったが、本は読み終えた。

羽根…。

ちょっと羽根についての本も探すか。錬金術の本で当たり前に羽根を使えって書いてあるんだから、羽根を道具にする文化があるんだろう。

『羽根大全』なる本を発見。大全までいかなくてもよかったんですけど。

あとこれもためになりそう、『魔道具の源』。こちらは魔力を注がれる側のアイテムについて解説した本らしい。

『羽根大全』は古今東西さまざまな鳥の羽根が一覧になっていて、見応えがあった。絵がオールカラーで綺麗。しかし羽根という道具を錬金術でどのように扱うのか、についてはたったの3頁の解説で終わった。

……羽根とは魔力を帯びやすい物質であり、壊れやすいので頻繁に取り替えるため、魔力が滞りにくい。

羽根以外の素材は指揮杖となるが、羽根はその脆さゆえに指揮杖にはなれない。しかし羽根の持つポテンシャルは高い。特に空を飛び風を操る種の羽根は魔力を極限まで導き、発散する効果に優れている。

錬金術に用いる羽根は、初列風切羽根が望ましい――

うん。

指揮杖になるくらいすごい素材だけど脆いから指揮杖には出来ない。消耗品として使え! でも羽根ってすげえアイテムだから!ということだろうか。

どうやら魔法を使う杖には、指揮杖という杖と、魔道具の杖が存在するらしい。

指揮杖は素材そのままに作られていて、魔力の伝達性?伝導力?に優れている。たぶん杖そのものに特殊な効果はなく、指向性を持たせることに優れたものを『指揮杖』と呼ぶのだろう。

私の持つ『初心者の杖』は素材そのままなので、おそらく指揮杖に分類される。魔道具や錬金釜と相性がよいみたいだ。よかったね。

指揮杖に分類される下級装備の杖が欲しいな。羽根もほしいけど、羽根は消耗品らしいから。予備としても。

お次は『魔道具の源』を読む。

死骸の意味がわかりました。死骸(部分)でいいんだって。つまり、牙とか爪なんかも死骸に含まれるのだ。植物の実を死骸にくくるな! 紛らわしいわ!

しかしそれなら3cm以内でも結構いろいろあるね。

毛塊などの集合体はダメだが、羽毛のようなひとつでボリュームのあるものは可、などいろいろ書かれていて面白い。

この本、手元に置いておきたい。『羽根大全』も部屋に置いておきたい。見応えがある。くう、なぜ本は手に入らないんだ!

うう、わからなくなったらまた来よう。なにしろ対象になるアイテムが多すぎて、更にこれはいいけどこれはダメも多すぎて覚えられる気がまったくしない。

ぱたんと読み終えた本を閉じると『魔道具知識』『鳥類知識』をラーニングし、12種類集まったので『総合知識』に統合された。

『おめでとうございます。知識スキルがすべて揃ったため、『総合知識』に統合されました。SP5とプレゼントボックスを入手しました』

おお、お祝いありがとう。

初ラーニングの『文献調査』はお祝いしてくれなかったのに、ラーニングおまとめはお祝いしてくれるとは。

細かく覚えて統合するやつは予想よりはるかにめんどくさいのかもしれない。そういえば、なんか秘密の書庫だったもんな。

料理も統合したらお祝いしてくれるんだろうか。楽しみ。

資料室へ戻って、司書さんに無事知りたいことが知れてありがとうのお礼を言った。ついでに『指揮杖』の本はないか尋ねるとあるそうなので、教えてもらう。

『魔力伝達と素材について』。なんか錬金術っぽい本だぞ。

……指揮杖は主に、角か木で作られる。稀に骨。真っ直ぐで歪みのないもの。指先の延長として扱える長さのものが望ましい。だいたい肘から手首までの長さが扱いやすいとされる。

木ならば老木よりも若木の枝からなるものが優れている。その性質ゆえに軽んじられがちだが、魔力そのものを磨くにはなくてはならない道具である――。

はい。

木か角素材か。気をつけて探してみよう。しかしこの表記を見るに、マイナー武器ですね? フーテンさんは魔法師的なことも言ってたし後でついでに聞いてみよ。

『魔力伝達と素材について』には、プールポートについても書かれていた。

……プールポートとなる素材はそれ自身が強い魔力を持っていてはならない。それでいて、純度の高い素材が望ましい。

圧縮されたものの内、圧縮しても変わらないものが出来上がる場合、それは高められた素材である。圧縮しすぎると大抵のものは壊れるので難しい。純度圧縮を与えるに優れた魔力は、すべてにおいて無属性である。

……プールポートに使われる素材の性質は、媒体に移るため、プールポートに個性ある物質を使うべきではない。プールポートから移る性質はごくわずかであり、特徴とするほどには移らない。しかしたしかなノイズとして残存してしまう――。

うん。

プールポートはもうビー玉でいいのでは??

硝子玉も、もしかしたらプールポート用の素材かもしれない。

そして気になる無属性。無属性っぽい魔法、教本2にあっただろうか?

教本の中で唯一『浄化』が何属性かわかってないけどさすがに『浄化』は無ではないと思う。『手当』の回復とも『光源』の光とも違うけど、なんか清められる感じがするし。聖属性とか? ポーション圧縮してみたらわかるかな?

気になることがたくさん増えていくにゃん。詰め込みすぎると頭が爆発しちゃうにゃん。

今日のお勉強はここまで!

司書さんにお礼をいって資料室を後にした。

あ、帰りに売店で初心者錬金釜を卒業したら次は何になるのかを見ておいた。

ふふふ、中級錬金釜、50万もする。

まだまだ初心者で頑張りますわ…。