軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

34.慰霊とは

その後、界はこれはチャンスだ! と、父から慰霊や依代の子、破魔師の家系について聞いてみた。

5歳の誕生日プレゼントのWi○UによるWEBブラウジングを得て、知っている情報もあったが、いくつかの情報を教えてもらえた。

まず、慰霊は日本八柱の慰霊だけではない。

それ以外にも多数存在する。

慰霊ごとに降霊の周期が異なり、更にブレ幅も大きいため、正確な予想は困難である。

慰霊は破魔師の家系の妊婦に降霊し、妊娠した時に 霊紋(れいもん) が現れる。

基本的に破魔師の家系であれば、どの家庭にも降霊の可能性はあるが、八柱の慰霊など上位の慰霊は必ず七代名家に降霊する。

例え、力の劣る慰霊であっても、悪霊降霊の儀(正式には 鎮霊(ちんれい) の儀)において、〝母親殺し〟は必ず発生する。

そんな事情もあり、破魔師は側室(一夫多妻)が許されていた。

「父ちゃんは母さん一人なんだよね?」

「え? あ、あぁ……、結構、周りからの圧が辛いところだが、父ちゃんは母さんだけがよかったんだ……」

「……!」

(……あくまでも前世の一夫一妻制の価値観を持つからというのもあると思うが、俺からすると、そんな父ちゃんはかっこいいと思う)

「でも、父ちゃん……女性はそんな危険があるのに、どうして破魔師の家系に嫁ぐの?」

「……っ!? そ、そうだな……。考えたこともなかったな……」

(え……? まじか……。この世界では、そういう価値観が根付いていて、気づいてないってことか?)

【……〝呪い〟だ】

(……え?)

【〝母親殺しの呪い〟……鎮霊の儀が生み出された際に、埋め込まれた強力な呪いだ。破魔師は全員この呪いに掛っている。母親殺しの呪いについて、いざそれが直前に迫るまで恐怖しないのもその呪いの効果の一つだ】

(…………なるほど。……ドウマですら逃れることができない呪いってことだよな……? 〝鎮霊の儀〟……、一体、どんな経緯で始まったのだろうか……)

「とはいえ、界、依代の子を孕む確率はそう高くないんだ……。普段はな……」

(……!)

「周期が重なることがあるのだろうか……。最近、すごく多い」

「……そうなんだね」

【ところで、田介よーー、儂様の史実調べたー?】

(「いや、視覚共有してるんだから、知ってるでしょ! 調べてないよ」)

【なんでなんだよー!】

(……正直言うと、すごく調べたい。調べたいけど……なんかこう……事ある毎に【儂様の史実調べたー?】って、言ってくるから、逆にちょっと照れくさくて調べ 難(がた) くなってんだよ……! 要するに時期を逃した)

【…………なんかここまで 焦(じ) らされると、逆にちょっと調べられるの恥ず……】

(「ん……?」)

【あ、いや、なんでもないぞ……!】

(……? ……なんとかドウマに悟られずに調べる方法はないだろうか)

「だがな、界……」

「え? あ、うん……」

「忘れてはならないことがある。慰霊の方々はな……、多少、横暴かもしれない……」

【ん? 横暴だと?】

(……わりと横暴な方でしょ)

「しかしな、慰霊の方々は慰霊となることを受け入れてくださった方々なのだ」

「……!」

【……】

「慰霊の方々は、誠意を持って話せばわかってくれる方もいる。怒りのポイントが独特で基本、絡みづらいけどな……」

【おい】

(父ちゃん、ドウマの前で堂々とそんなこと……)

「だからな、本当に人にとって危険なのは、慰霊ではない……。〝霊魔〟だ。界も破魔師になるのであれば、この点を決して忘れるな」

「……わかった」

そうして、今に至る。

青海家――。

「さぁさぁ、彰彦、真弓さん、界くん、入って入って……ください」

青海家当主に屋敷の中へ案内される。

日本八柱の一角〝聖乱テンシ〟が降霊されるから、他の七代名家も一堂に会している……のかと、界は思っていたが、そうでもなく、来ているのは白神家だけであった。

どうやら父と青海は旧来の友人らしい。

(それにしても青海ねぇ……どっかで聞いたことあるような……)

と、

「あ、 暁(あきら) 、白神さんが来てくれたぞ。挨拶しなさい」

(お……?)

「こ、こんにちはです。 青海(あおみ) 暁(あきら) なのです」

小学生低学年くらい。

少し青味がかったショートヘアの可愛らしい女の子がぺこりと頭を下げる。

(ん……? どこかで……)

「………………」

(あ! こ、この子、魔力発現の動画に出てた天才の子だ……!)

現在から、四年程前。界が二歳、暁が四歳の時に観た動画である。

「ぬぬぬ? 君が……界くんなのですか?」

暁はなぜか早速、界にターゲティングする。

「え、あ、はい……」

「わぁ……! か、界くん……!」

「はい」

「私と稽古しようです!」

(え……? いきなり……?)