軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

591回目 幻獣VSアルグレゴ小隊

闘技場での、狂った神獣との戦いが全て終わったタイミングで、俺はこれから戦いに入る戦友達に向けて演説をしていた。

壇上に上がるのは俺とパーティーメンバー達、そして目の前のホールに集まるのは、共に今回の戦いに挑む、多くの戦友達だ。

その人数はざっと一万人。実際に戦うのはこの内の半数程であり、あとは後方支援の者達である。

戦う者達の世話や、戦う前に食べるバフの掛かった料理を作る者達、闘技場で音楽を演奏して支援をしてくれる者達も含まれていた。

もちろん、ここに集まれなかった者も多くいるので、これで全員という訳でもないが、特筆すべきは、この全員が俺の『フレンド』である事だ。

全員の顔と名前など覚えきれる筈もないが、その辺りはレティアがフォローしてくれている。

「俺達の戦いを、全員見てくれただろう! 狂った神獣は、地上に封印されていた神獣よりも凶悪になり強くなっているし、幻獣はそれに輪を掛けて強大なバケモノだ! だが見ただろう! 決して勝てない相手じゃない! それどころか万全に準備して挑めば、簡単とまでは言わないが余裕をもって倒せる相手だ! それはバフを何重にも掛けて、☆3や☆4のガチャ装備を使う全員に言える事だ! 俺達は、勝てる!!」

「「「「オォーーーーーーーーッ!!!!」」」」

一万にも及ぶ戦士達の咆哮に、レナスティアが揺れた。

この士気の高さ。今回の戦いを指揮する首脳陣、ドゥルク・アルジャーノン・女神ヴァティー・亜神ハクラテン。この四人が一番重要視したのがこの士気だ。

ここから先、多くの幻獣や狂った神獣を相手にするのは、この戦士達だ。だから先に、俺達は幻獣を圧倒的に倒す必要があった。

確かに俺達と各国から集まった者達の間には、ステータスの差が大きくある。だがそれでも、騎士として、兵士として、傭兵として、冒険者として、人生を掛けて長く研鑽して来た者達だ。俺達のような若造とは経験の差が違う。

そして、この高い士気を保ったままで、次なる敵との戦いが始まる。

☆5『神罰の鎖』が緩められ、『方舟』から飛び出して来たのは一体の幻獣と六体もの狂った神獣。

レティアは、各国から集まった騎士や傭兵を狂った神獣にあて、幻獣には『アルグレゴ小隊』をぶつけた。

『ケキョキョキョキョッ!!』

「我が小隊よ! ここは奴の得意とする森とは違い、我らの得意とする平地だ! 幻獣とて恐れる事は無い! 我に続けーーっ!!」

「「「「おおーーーーっ!!」」」」

角の生えた漆黒の大猿。幻獣『ラーフディスペア・モンキー』。自分の得意とする『森』と言うフィールドとは真逆の、石壁に囲まれた明るい闘技場に落とされてなお、大口を開けて笑い飛び跳ねる大猿を前にして、アルグレゴ率いる小隊は臆する事なく向かっていった。

アルグレゴ小隊の隊員達は騎馬を駆り、よく訓練された動き走る隊員達は、飛び跳ねる大猿の周囲を周りながら、小さな筒状の物を構えて撃った。

撃ち出されたのは弾ではなく、投射される網だ。そう、これは☆3のガチャアイテム、『ネットランチャー』である。

『ケキョキョキョキョッ!!』

「一度躱したくらいでいい気になるな!!」

『キョエェッ!?』

広がりながら撃ち出された網は、大猿に躱されてしまったが、大猿を狙っていた銃口は何も一つではない。その後ろから迫っていた二つの銃口から撃ち出された網が、大猿の頭と右手、それと左脚に絡みついた。

幻獣『ラーフディスペア・モンキー』が巨大過ぎる為に全身を絡め取るようにはいかないが、それでも大猿はその場で転んだ。

「好機は逃すな!! 攻めろーーっ!!」

「「「「おうっ!!!!」」」」

転がった大猿に魔法と矢が放たれ、その後に剣を抜いた者達が襲い掛かる。

アルグレゴ小隊は、この世界においては俺達の次にガチャアイテムに馴れ親しんだ者達だ。特に装備に関しては、彼らに熟練度上げを頼っていた事から考えても、俺達より扱いに馴れているだろう。

その証拠に、アルグレゴ小隊は状況に合わせて武器を付け替えながら戦っている。いま一瞬、大猿の身体がぐらりと揺れて、その隙を逃さずに更なる拘束を掛けていたが、あれは《気絶》だろう。

視覚外からの攻撃により、☆3のチート武器『ひのきの棒』のスキル《気絶》が発動したのだ。

「いやーー、危なげ無いなぁーー。幻獣を相手に一方的に攻撃しているぞ? 頭では解っていたけど、連携の質が俺達とは段違いに良いな」

「彼ら全員、父に鍛えられた精鋭ですからね。ですが、連携の質を向上させた原因は、ガモン殿にもありますよ?」

天空城『レナスティア』で、テレビを通してアルグレゴ小隊と幻獣の戦いを観ていると、アレスがそんな事を言い出した。

「俺? 俺は関係無いだろ」

「ガチャ装備ですよ。ガチャ装備の熟練度は珍しい使い方をした方が延びるようで、彼らは普段とは違う使い方をモンスターとの戦いで試す中で、連携の精度が上がっていったと、父から聞いた事があります」

「お、おう。マジか…………」

連携力が高い理由は解ったけども、そんなのモンスターとの戦いで試すなよ。危ないから…………。