軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

540回目 想像を越える世界

「…………うおおぉぉ…………。マジでかぁ…………」

「こ、これは…………」

「凄い…………!」

「もしや、これが…………?」

「…………こんなの…………想像できない…………!」

「フッ…………フォッフォッフォッ!! なるほどのぅ、これがガモンの言うてた世界か…………!!」

ルカタルトの招待に応じてやって来たのは、ルカタルトが用意した『神々との会合』に使われる場所であり、世界だった。

それは広大な空の下、遥か下には海が広がり、その海には近くに 浮(・) か(・) ぶ(・) 島の影が映り込んでいた。

『ガモンの記憶を探ると、こんな感じの世界だと思うんだけど、どうかな?』

「あ、ああ。まさにこんな世界だよ…………!!」

目の前に広がるのは、俺が画面越しにゲームで見ていた世界だった。陸地は空に浮かび、森も川も陸地の上にある。陸地の下には木の根が飛び出し、空には小魚の群れや大型の魚が泳ぎ、しかし同時に鳥は空を飛んでいる。

そして、その陸地と陸地を結ぶ空には、陸地の間を行き来する空飛ぶ船が飛んでいた。その船はゲームの中と同じで帆船だった。

やっぱり良いな帆船も。いや、☆5『飛空艇造船所』でも帆船は選べるんだけど造ってはいないんだよな。一隻つくろうかな、帆船。

『いや苦労したんだよ? 君の記憶からゲームを特定して、地球で現在やってる人を探して情報を集めようとしたんだけど古いゲームだからやってる人がいなくてさ。しょうがないから力の弱い天使を派遣して、ゲームを買わせた上でプレイさせたんだよ』

…………ふと、この世界について説明している声が男のものである事に気づいた。そういやさっきもこの声に返事をした気がする。

『天使達にゲームをやらせて情報を集めてさ。創造神にも声をかけてこの世界を完成させたんだよ。…………まぁ、見せかけだけなんだけどさ』

そう話すのは、やけにヒラヒラとした色とりどりの布を何枚も羽織り、その隙間から編み込まれた紐が何本もぶら下がっていると言う奇抜な格好をしている、妙にチャラチャラした雰囲気の若い男だった。

『でもさ、これから目指す物ってのは見えた方が良いでしょ? 頑張ってる君へのちょっとしたご褒美にもなりそうだったし。どうかなガモン。このサプライズは喜んで貰えたかな?』

いつもとは声も雰囲気も違う。だっていつもは喫茶店のマスターの声と格好だったから。

でも、解った。何でだか解ってしまった。

「あんたが居るのもサプライズの内なのかな、運命神『ダイス』」

『うーーんふふふ。やっぱり解るよね? ほら、だから言っただろルカタルト。ガモンは解ってくれるんだよ。そのくらいの繋がりはあるのさ』

『はいはい。あまり興奮して神気を出さないで下さいね。人間には毒になりますからね』

『大丈夫だよ。僕には常に未来も見えるから。危なくなる直前には気づく…………』

『私の店で病人や死人を出したら、三枚に下ろしますよ?』

『…………気をつけます』

ニッコリと笑って物騒な事を言うルカタルトに、ダイスは少し目を逸らして呟いた。仲が良いな、この神々は。

『では皆様、席の方へどうぞ。本番では立食形式にしようと思っていますが、その場で出す料理から幾つかを、今日は試して貰います』

ルカタルトに促されて、俺が変えようと目指す世界に見入っていた仲間達も食事の席についた。…………俺の隣には何故かダイスも座っている。

「お前も一緒に食うの?」

『いいじゃん。せっかくこうして身体まで造って次元を下りて来たんだよ? 食事くらい一緒にさせてくれよ』

「…………あ、あのガモン様。そちらの方は?」

どうやら皆、この世界に夢中になりすぎてダイスに気づいていなかったらしい。なので改めて俺からダイスを紹介すると、まさかの二人目の神が登場した事で少し騒然となった。

まぁ、ダイスの性格がこんなのなんで、その騒ぎもすぐに沈静化したけども。チャラいんだ、コイツ。

そして、ルカタルトが持って来た料理の数々に、俺達の興味はすぐに料理に向かってしまい、俺達は料理についての意見を交わし始めた。

「うん。立食パーティーで出てくる料理として申し分ないわね」

「はい。それにとても美味しいです」

「そうよね、ここまでの料理となると、余程の上位貴族か王族でもないと出せないわね。景色も凄いし、来て良かったわ」

ティアナ達はまるで女子会のように盛り上がっている。対して男の方はと言うと。

「ほほう! それは面白いですな。あの空を泳ぐ魚はその様な仕掛けですか」

「へぇ、ただ空にいるだけでなく、ちゃんと空を泳ぐべくして泳いでいるのですね」

『まぁ、この世界の在り方に関しては、僕ら神の想像も多分に入っているけどね。こんな世界、創ろうとした事も無かったから楽しかったよ。だからガモンの案には、神々は割りと好意的だよ。反発してるのは極一部だね』

男の方はダイスを中心に、この陸地が空を飛ぶ世界の仕組みについて話していた。正直その話は俺も興味があるので、混ぜて貰おう。

そうして、奇しくも神との食事会となった今回は、とても穏やかに終わった。中々に楽しい一時だったよ。ただ、最後に…………。

『そうだ、『双極龍』にも話をつけておきなよ? 今の世界の守護者は、間違いなくあの龍達なんだから。竜騎士である『アラム』が行けば、話くらいは聞いてくれる筈だからね』

「え!? …………お、おう。わかった…………」

最後にダイスが大きめの爆弾を落とした以外は、とても素敵な一日だった。…………『双極龍』かぁ。まあ行かないといけない存在なんだろうな。