作品タイトル不明
533回目 ☆5『闘神『ガルネシア』の闘技場』
☆5『料理神『ルカタルト』のリストランテ』を利用する中で、ルカタルトからは様々な物をおねだりされた。要求ではなく、おねだりだ。ここ大事。
ガチャアイテムとしてルカタルトに捧げる物は、費用と食材と言うルールになっている。それを代償としてクールタイムを短くする。そういう決まりなのだ。
つまり、どんなにガチャ書籍やガチャアイテムを食材と一緒に捧げたとしても、クールタイムは短くならない。それはそのアイテムが、ルールから逸脱した物である為だ。
ゆえに、おねだりである。まぁね、ルカタルトとの関係を深めると言う目的もあったし、美人なおっとり女神様に言われたら断る選択肢は無かったけどね。
だからいっぱい色んな物を送った。日用品や化粧品などもそれに含まれる。さすがにフレンドには成れなかったけど。
そんな訳で、食品や書籍だけでなくガチャを回しまくっていたのだ。これは、そんな中で出てきた☆5アイテムである。
☆5『闘神『ガルネシア』の闘技場』
・闘神の名を持つ神『ガルネシア』が造り出した闘技場。様々な種類の舞台を持ち、どんな環境でも作り出す事が出来る。
・闘技場の数は最大で十二個まで展開でき、そこで戦う者の選別はフィールド毎に使用者が決める事が出来る。フィールド上に居る者は、規定ルールにおいての勝敗がつくか、ルールに則った仲間との交代以外で舞台から出る事は出来ない。
・試合ではなく修練を望む場合は、各舞台において闘神の配下である獣神に挑む事が出来る。全ての獣神に勝てたのなら、闘神『ガルネシア』への挑戦権も手に入る。
とまぁ、☆5『闘神『ガルネシア』の闘技場』は使い所が限定されるアイテムである。
一応、出たばかりの頃に、試しで『レナスティア』の草原まで行って出してみた事がある。
その日、俺は久しぶりに愛車である☆4『ランブルクルーザー』を運転して草原の真ん中に出向き、☆5『闘神『ガルネシア』の闘技場』を起動した。
すると、まず俺の前にジオラマみたいな物が現れた。大きさは『野球盤』と言えば解るだろうか? それとも、一人用のちゃぶ台とかの方が解り易いか?
抱えるにはちょっと大きい、そのくらいの物が俺の前に浮かんでいる。ちなみにそのジオラマは、俺がいた『レナスティア』の草原そのものだった。何なら俺の人形もそこに立っていた。
そして肝心の闘技場は、まずフィールドを『石畳』とか『砂地』や『火山』などから選び、ジオラマの好きな位置に配置すると、現実世界にも出現すると言う代物だった。
さらに、このアイテムは使用者を必要とするタイプなのだが、なんと『レナスティア』も使用者として登録できたので、俺は獣神の一体と戦ってみる事にした。
俺が挑んだのは『獣神・ 赤眼白兎(セキガンハクト) 』兎の獣神である。
何で兎にしたのか。それは草食獣で小動物の兎なら割と簡単に勝てそうだと思ったからだ。
戦うフィールドは花畑。菜の花が一面を埋め尽くす、かなり見映えの良い綺麗なフィールドだった。闘技場だとはとても思えない。
突然移動させられた一面黄色の花畑。こんな所で戦うのかと思っていると、数メートル離れた場所にある菜の花が、ガサガサと揺れ動いた。
動きが速く、ジャンプ力もある兎が相手なので、この時の俺の武器は『双剣』である。防具は軽装備を主体として《索敵》や《回避》系統のスキルを付けていた。
この二つのスキル系統で固めていたのが功を奏した。
「…………うおっ!? あ、危ねぇ!!」
花畑の菜の花も揺らさずに、突如として俺の真後ろから飛び出して来た兎の一撃を、躱す事が出来たのだ。
この兎が持っていた武器は『杵』である。あの餅つきとかをするアレだ。ただしその形は、あの良く見る振り下ろすタイプの物ではない。棒状で両先端が膨らんで杵の形になっているタイプの物だ。
ガチャアイテムからも出て来ていたので、俺はその杵の名前を知っていた。『兎杵』と言うらしい。月の兎が持っているのも、コレである。
それを武器として振り回し襲って来る兎は恐怖でしかない。俺は見たのだ、兎が杵を振るった瞬間に、その風圧だけでなぎ倒されていく菜の花を。
今や俺のステータスも群を抜いて高くなったが、あんな物をあんな威力で喰らったら、ただでは済まないのは解りきっていた。
結論から言うと、『獣神・赤眼白兎』は強かった。まぁ、相手は神だし、強いのは当然でもあるのだが、とんでもなく強かった。
俺は何とか勝利をもぎ取り、闘技場の外へ出た。たった一人でのギリギリの戦い。普通にこんなのは二度とゴメンだと思った。
だが、そうも言ってられない事情も出来た。
花畑から出て来た兎をスキルで察知して攻撃を躱し、思い切り蹴り上げて、落下してくる中を斬りさいた。
その時に聞こえたのだ。この闘技場のアナウンスが。
どうやら獣神との戦いに勝利すると、一体につき一度だけ、特定のステータスが上がるのだ。ちなみに兎との戦いで上がったのは、スピードだった。
戦いの訓練にもなってステータスが上がるのだ。これは他の仲間達にも是非やってもらいたい訓練であった。