作品タイトル不明
530回目 訓練の合間に
しばらくの間、俺達の生活は☆5『料理神『ルカタルト』のリストランテ』が中心となった。
ルカタルトの所にいけるチケットは、使用してから復活するまでのクールタイムが最短でも五日掛かる。そして俺達は、ルカタルトとの関係性を深める為に、何度かリストランテを利用しなくてはいけない。
なので、基本的には『方舟』との戦いに向けた準備や訓練をしながら、チケットのクールタイムが終わるのを待ち、チケットが復活したらフレンドの中から数名を食事に行かせる、という生活を続けたのだ。
ちなみに俺は、毎回の費用や食材の提供はしているが、料理を食べに行ったのは最初の一回だけである。
とは言え最多でも、父であるレクターと友人のリメイアを始めとしたターミナルス辺境伯一家を連れて行ったティアナと、自分の家族と妻になるフラウスを連れて行ったアレスの『二回』に留まっている。
…………まぁでも、そろそろドゥルクはもう一回くらい参加させないと拗ねるな。ゲンゴウ辺りと一緒に行かせようかな。
「俺様達の時は肉料理が中心だったが、あそこまでの肉は他では食った事がねぇぜ! 料理の神だなんて、何だそりゃって思ってたけどよ、俺様は考えを改めたぜ! ありゃ確かに、神を名乗るに相応しいって、心の底から思い知らされたぜ!!」
「モグー! ボクらの時も肉がメインだったけど、レッドアイの時とは大分違うみたいなんだな!」
『だよなぁ? あーー、クソッ! 話してたらまた食いたくなっちまったぜ! 今度は魚なんかも悪くねぇよなぁ!』
「同感なんだな!」
と、天空城の庭でそんな話をしているのは、AAランク冒険者『ヴァーミリオン』のリーダーであるレッドアイと、モグラ獣人だけで作られた異色のAAランク冒険者『クリフブリーフ』の代表者の『1番』だ。
髪から着ているものからと、全身が真っ赤で統一されたヤカラにしか見えないレッドアイと、ずんぐりとしていて他のパーティーメンバーとの見分けが全くつかないモグラ獣人の『1番』は、意外と馬が合うのか中が良い。天空城の中では、割と一緒にいるのをよく見る二人だった。
こういった二人のように、ルカタルトの所で食べたコース料理について話しをしている光景は増えた。
そのお陰か、パーティーの垣根を越えての会話が増えており、連携の強化にも繋がっているのだから、戦いに赴くメンバーを優先的にルカタルトのリストランテへと送った俺は正しかったと言える。
…………しかし、肉かぁ。俺の時は魚が中心だったから、肉の方も食べてみたいものだ。次に俺が行くのは、ずいぶんと先になる予感がするけどな。
ああそれと、ルカタルトに頼まれた料理本も、料理系の漫画と一緒に箱に入れて送ってある。
そのお礼だろうか、この間は送った本や酒のお礼として、漫画に出てくる料理、いわゆる漫画飯を色々と詰め込んだお弁当を料理を食べに行ったクランメンバー経由で貰った。何気にこれが、とても嬉しかったよね。