軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

523回目 『神威』

「うおぉっ! か、格好いいな、コレ…………!!」

☆5『◇創造神の『神威』工房』にて、☆5『神罰の鎖』を捧げて作られた五つの鎧兵器『神威』は、シンプルながらも洗練された美しさを持つ鎧だった。

搭乗型の兵器の為、その体躯は大きく、シンプルで真っ白な鎧を着た人型であり、まるで人間のように顔も作り込まれていた。

その体の何処にも『神罰の鎖』の姿は無いが、両腕の手に近い部分に四つの刃を持つ短い槍のような物が飛び出している部分があり、恐らくはそれが『神罰の鎖』で、状況に応じて射出される形なのだろうと予測できた。

鎧兵器『神威』は宙に浮いた姿で固定されているが、翼は無くとも飛行する機能があるのかも知れない。これも一応☆5の装備アイテムという扱いなので、この鎧兵器自体が持つ機能も、かなり高いものである事は予想がついた。

「性能面は…………乗ってみるしかないよな。アレス、頼めるか?」

「はい、もちろん」

俺の頼みを快諾したアレスは今の装備を全て外すと、『神威』に近づいた。

俺はてっきり、ここで神威の正面が開き、そこにアレスが乗り込むのかと思っていたが、なんと『神威』の胸にある大きな結晶が光を放ち、その光をまともに浴びたアレスが、一瞬で消えさった。

「アレス!?」

「…………はい。大丈夫です。…………しかし、凄いですねコレは。初めての感覚です」

…………フゥ。いきなり消えるからビックリしたぜ。どうやらあの光は、人を搭乗させる為の光だったようだ。

そして『神威』の内部に入ったアレスの説明によると、『神威』にはいわゆるコクピットのような物は無いらしく、この鎧兵器はアレスの身体をしっかりと内包しており、アレスはまるで『神威』自体が自分の身体であるかのように動かせるらしい。

それはちょっと、新しいタイプの装備なので興味深い。だが、この☆5『◇創造神の『神威』工房』で生み出された『神威』は、何故か俺は乗れない仕様になっているので、俺は体験出来ない。

「アレス、ちょっと動いたり、色々試してみてくれ」

「了解です」

アレスが乗った『神威』が動き出した。

どうやらこの『神威』と言うのは、翼が無くても浮ける仕様になっているらしく、普通に地面を歩く事ももちろん出来るが、少し浮いた状態での移動も可能であるようだ。

その証拠に、いまアレスが乗った『神威』は、広い雲海の上を滑るように移動している。

アレスは雲海の上でアクロバティックな動きを披露したり、両腕から『神罰の鎖』を射出してみたりと、様々な動きを試していた。それを見るに、『神威』と言うのはかなり自分の思い通りに動かす事が出来るようだ。

「……………………」

…………正直、羨ましい。俺も『神威』に乗って飛び回りたい。

だが、どんなに『神威』に近づいて乗りたいと思っても、『神威』は俺を受け入れてはくれなかった。

同じように近づいたカーネリアの事はあっさりとうけいれ、今やカーネリアの『神威』も雲海の上を、それも月明かりの下の雲海を飛び回って楽しんでいると言うのに、俺だけはダメなのだ。

「……………………」

「…………うん? どうしたんだ?」

ふと、アレスの『神威』を見ると、何故かその動きを止めている。

そしてしばらくの時間を置くと、突然アレスの『神威』が動きだし、その体に凄く見覚えのある鎧とマント、それに剣を装備した姿に変化した。

俺がその姿に戸惑っていると、アレスの『神威』が俺の所までやって来た。そして『神威』姿のままで口を開く。

「ガモン殿、この『神威』ですが、生身の時と同じ様に装備アイテムを身に付ける事が出来るようです」

アレスが『神威』に乗って雲海を飛んでいた時、アレスは飛び回りながら、この『神威』の武装に疑問をもった。

確かに『神威』の性能は素晴らしいのだろうが、そのシンプルなスマートさに硬さは感じなかった。つまり防御力に不満が出て来た訳だ。

すると、アレスのその不満に呼応したかのように、アレスの目の前に半透明なボードが現れたのだと言う。

そのボードにはこう書かれていた。『『神威』にセットする装備品を選んで下さい』と。

アレスはそれを見て、いつも自分が身に付けている装備をセットしてみた。すると『神威』自体がその装備を自らに反映させて、まるで装備を普通に身に付けているかのように姿を変えたのだ。

これで、防御力の心配も薄くなった。

☆5『神罰の鎖』を使用すると、その能力の効果で身動きが取れなくなってしまう。多くの敵がウヨウヨしている中で、無防備に立っている姿はかなり酷いので、装備を追加できるのはマジでありがたいのだ。

…………それにしても、羨ましいぃ…………!!

本当に何で俺は『神威』に乗れないんだろう。色々出来て面白そうなのに…………! それなのになんで…………!!

ちょっと羨まし過ぎて鳥肌が立った。カーネリアも早速装備を試そうとしているし、残りの『神威』にも仲間達が乗り込んで色々とやっていた。

そして俺は、自分だけ乗れない悔しさを噛みしめながら、お茶をする為に出していたテーブルに座り、駄菓子の『うめぇ棒』をただひたすらにサクサクと食っていた。