軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

45回目 クラッシュレアは規格外

管理AIを名乗るロボット、キャンパーから『◇キャンピングカー』の説明を受けた。

聞けば聞くほどブッ壊れ性能が明らかになるが、これはもうキャンピングカーでは無かった。明らかにキャンピングカーとは別物のチートアイテムである。

その、キャンパーから受けた『◇キャンピングカー』の説明を簡単にまとめたのがコチラです。

・中の空間に制限は無く、対価さえ払えるならば部屋数や設備はいくらでも増やせる。

・電気や水道にガソリンなどは不要、何も補給しなくても無限に使える。つまりエネルギー切れが無い。

・モンスター等に襲われても簡易結界があるので、そう簡単には壊れない。多少壊れたとしても自動修復が可能。

・冷蔵庫や倉庫が『ガチャ・マイスター』の倉庫と繋がっているので、そちらから物を出す事ができる(先程キャンパーが出した麦茶は、冷蔵庫を通してキャンパーが倉庫から出した物だったらしい)。

・他のガチャアイテムと同様に『ガチャ・マイスター』の倉庫に収納できる。その場合は、中に入っているガチャアイテム以外の物品も『◇キャンピングカー』の一部として収納できるが、生き物は弾き出される。

・『◇キャンピングカー』の運転はキャンパーに任せる事が出来る。もちろん、自分で運転も可。

……………………いや、凄くね?

さすがは、クラッシュレアと名がつくだけの事はあったな。俺の知っているキャンピングカーではないが、利便性では比べ物にならない。移動式の屋敷を手に入れたような物だからな!

そして、その他の要素としては。

まず大前提として、クラッシュレアは持ち主を変更出来ない。これがただの『キャンピングカー』ならば譲渡は可能だが、クラッシュレアと名が付く物は出来ないそうだ。

これまでガチャから出て来た物は、装備は俺自身とフレンド以外には使えなかったが、駄菓子や生活ガチャから出て来たアイテムに関しては自由に譲渡が出来ていた。

だが、クラッシュレアだけは、それが装備でも生活ガチャのアイテムでもその他のアイテムでも、譲渡が出来ない。それは相手がフレンドであっても変わらない。

ただし幾つかの条件をクリアして、さらに期限を定めた『貸し出し』ならば出来る。期限の最大は百時間、つまりは約四日間である。百時間が過ぎると、自動的に『ガチャ・マイスター』の倉庫に戻る。

『付け加えますと『◇キャンピングカー』には、マスター自身とフレンド登録された方以外は乗る事が出来ませんので、ご注意ください』

「ああ、それはまぁ、この設備を他人に見られないのは助かるかもな」

「そうだね。これ程の物ならば、ガモンをどうにかして、無理やり自分の物にしようとする者が現れてもおかしくないからね」

「そうでなくても、旦那はテルゲン王国からは隠れなきゃいけない身の上ですぜ? あっしらの首にも関わる問題なんで、目立つ真似はよしてくだせぇ」

「あぁ、確かにそうだな。ティムやバルタはもちろん、カラーズカ侯爵に迷惑は掛けられないもんな。…………キャンパーには悪いけど、キャンピングカーはそう簡単には使えないな」

『構いませんとも。ワタクシはマスターの為に存在しているのです。必要な時にお呼び下さい』

と言う訳で、せっかく手に入れた『◇キャンピングカー』だが、まさかこれで移動する訳にもいかないので、一旦『ガチャ・マイスター』に収納する事になり、俺達は再び馬車の旅に戻った。

だが、俺はいつもの馬車に揺られながらも顔がニヤケてしまっている。

だってついに! ついに俺にもチートアイテムが手に入ったのだ! いやもう、万能感が凄いもの! あの『◇キャンピングカー』があれば何でも出来そうだもの!!

「いやー、ガモン。とんでもない物だったなアレ。クラッシュレアってのは☆5に相当するって話だったけど、想像の遥か上をいく性能だったよ。これ程の力があると解っていれば、我が国も絶対にガモンを殺そうとはしなかっただろうね」

「若様の言う通りでさぁ。しかし、あっしはこれで良かったと思いやすぜ。若様の前ですが、テルゲン王国はいけやせんぜ、あの王や宰相にこの力がバレていたなら、☆5や☆4、それにクラッシュレアのアイテムを無理やり出させようと、とんでもない無茶を繰り返した筈ですぜ。そうして戦争まっしぐらでさぁ」

「いやぁでもな。ティムもバルタも知ってるように、クラッシュレアはもちろん、☆4や☆5も簡単に出るもんじゃないぞ? 出るまで引いてたら金がいくらあっても足りねぇよ。まず間違いなく先に破産するね」

まぁ、百分の一である☆4はそこそこ出るかも知れないけど、万分の一である☆5はどんだけ運が良くても二・三個だ。☆5のクラッシュレアなんて億分の一だぞ? 無理だよ無理。

「ええ、ですんで間違いなく『拷問』に走るでしょうね。旦那を拷問して、無理やり☆5やクラッシュレアを出そうとするに違いねぇですぜ」

「……………………」

…………え? なんて? 今、バルタの口からとんでもなく物騒な推測が飛び出した気がするんだけど。

「…………ご、拷問?」

「ええ。敵を痛めつけて情報を吐かせようとするのと、考え方は一緒でさぁ」

「うん。まぁ考えたくはないけど、きっとそうなるね。そもそも人の持つスキルに金なんか掛からない筈だ! って考えるだろうから、拷問して出させようとするのは間違いないね」

「……………………いや、…………で、出ないよ?」

そういうスキルじゃないもの。ガチャだもの。このスキル、完全にソシャゲだもの。しかも金ばっかり掛かるクソゲー系の。

「そりゃ、あっしらは知ってやすけどね。欲ばかりがデカイ権力者ってのは、常識なんざ通じやせんぜ。逃げるのを防ぐ意味合いもあって、足の一本や二本は切り落とすでしょうぜ」

「いやいやいやいや! マジで? そんな事になんの?」

「ええ。ですんで、あんまりヤバイアイテムは人に知られない事ですぜ。旦那がそれなりの力を持って、自分の身を守れるようになるまでは、黙っとくのが一番ですぜ」

「お、おう。…………そうする」

ティムとバルタにそんな怖い事を言われて、不安が募るなか、俺達は宿場町まで戻って来たのだった。